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【本日のコーヒー】タンザニアコーヒーが届くまで

“最高の一杯”のため、コーヒーの栽培から焙煎、抽出も含めた“From Seed to
Cup”が重視されている。輸送プロセスにも気を配らなければ、最高品質とは認められない。しかし、苦戦を強いられているのが「キリマンジャロ」で有名なタンザニアのコーヒーだ。高級で美味しいイメージがあるものの、コーヒー業者によれば「ポテンシャルを生かしきれていない」のだという。



すごく暑いダルエスサラーム

 タンザニアのコーヒー輸送のハブとなるのが、インド洋に面するダルエスサラーム港。ケニアのモンバサ港と合わせて、東アフリカの物流を支えている巨大な港湾だ。農家の手を離れたコーヒー生豆が一手に持ち込まれるほか、ザンビアやルワンダ、ブルンジで採れたコーヒーも集まってくる。国外産は言わずもがなであるが、タンザニアの国土は広く、しかもコーヒー産地は北部・西部・南部に広く散らばっている。東部にあるダルエスサラームに運ぶだけでも一苦労だ。場合によっては、トラックの貨物に揺られて1,000km近くの道のりを旅することになる。
 ところが、コーヒー生豆にとっての本当の苦難はここから始まる。まず、ダルエスサラームは赤道に近いこともあり、30度を超える日が年間を通して多い。散歩しているだけでTシャツが汗だくになってしまうほどの湿気で、日本の真夏のような過ごしづらさがある。人間にとっても、コーヒー生豆にとっても非常にシビアな環境だ。
 さらに、ダルエスサラームに運ばれても即座に船積みされるとは限らない。検査や手続きに時間がかかるため、ダルエスサラームにおいて月単位で留め置かれることも珍しくないのだと日本のコーヒー業者は話す。収穫から船積みまで3カ月ほどかかるという報告もあるほどだ。

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