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【アフリカの地下水プロジェクト】安全な水の開発を通して人々の衛生環境の改善に貢献<日本テクノ>

国名:モザンビーク
プロジェクト名:ニアッサ州持続的村落給水・衛生改善プロジェクト(PROSUAS-I)


低い水アクセス率
 モザンビークでは、16 年続いた内戦終結後、荒廃した基礎的インフラは同国政府や各ドナー支援により修復、整備が実施されてきたが、安全な水への
アクセス率は29%(2010年、WHO,UNICEF)、衛生施設へのアクセス率も5%(同)と低い水準にあり、村落給水および衛生状況改善を促進すべく「村落給水・衛生国家プログラム(2010~2015)」が定められた。
 ニアッサ州はこれまで他援助機関の大規模な支援が入らず、故障したハンドポンプが多い上、新規給水施設建設が進んでおらず、安全な水へのアクセス率は同国全10州の中で唯一低下傾向にあり、村落給水・衛生事業に高い需要が存在していた。2013年1月から17年2月まで本プロジェクトは実施された。

「気づきと気遣い」で技術移転
 まず、日本人専門家全員が各活動の円滑な実施と目標の達成を常に意識して、使命感をもって業務に取り組んだ。その他、全ての関係者をチームと捉え各人の立場、状況、個性、能力レベルなどを尊重し、常に「気づきと気遣い」をもって行動したことがチーム内の信頼関係を強くすると共にモチベーションを高め、結果として大きな成果を得た。プロジェクト終了後もモザンビーク側が独自に他地域へ活動を普及できることを念頭に置き、同国における給水・衛生施設維持管理体制の強化とその持続的な発展を目指し、パイロットプロジェクトとして、給水施設の建設や改修、手洗い施設付き学校トイレの建設などを実施した。特に手洗い施設付きトイレは障害者や女子生徒、現地の文化などに配慮した設計とした。

ハンドポンプの定期メンテナンスや修理の指導を受ける住民組織
プロジェクトで建設されたトイレ の使用方法の指導を受ける生徒

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本記事は国際開発ジャーナル2023年9月号に掲載されています
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