見出し画像

【大学院紹介】政策策定のプロを育成する大学院 ~各国行政官との議論で学びを深める

政策研究大学院大学 公共政策プログラム(修士課程)国際協力コース

政策研究科 教授
国際協力コースディレクター
山内 慎子 Chikako Yamauchi

専門は応用ミクロ経済学。カリフォルニア大学ロサンゼルス校で経済学博士を取得後、オーストラリア国立大学での勤務を経て現職。途上国を対象に教育や保健に関する研究に従事。


世界の政策リーダーを育成
 政策研究大学院大学(GRIPS)は経済学・国際開発・外交政策・公共政策・安全保障など、重要な政策分野についての教育および研究を専門とする国立の大学院大学だ。東京都心の六本木にあるキャンパスは、毎年、世界約50の国と地域から未来の政策リーダーや研究者が集まり、国際的な政策研究・教育の拠点となっている。
 1997年の開学以来、6,000人を超える修了生の多くはパブリックセクターに勤務し、自国そして国際的な政策形成・立案に大きな役割を担う存在として世界中で活躍している。

政策研究に加え専門知識も修得
 2020年4月に開設された「公共政策プログラム国際協力コース」は、国際開発・国際協力分野における国際機関や中央省庁、地方自治体、民間企業、NPOなどの立場から指導的役割を担う人材の育成を目的としている。学生は政策研究において共通に求められる知識・技能について学ぶ必修・選択必修科目のほか、国際開発・国際協力の課題や専門的分野について学ぶコース指定科目を含む、合計30単位以上を取得することが求められる。
 また、修了要件として修士論文ではなく「ポリシー・ペーパー」を作成することもGRIPSならではといえよう。自ら関心ある課題に向けた解決策を、政策提言として作成するのは、研究成果を次なるステージで実践にうつすためのマイルストーンとなる。

将来に生かすつながりにも
 GRIPSの特筆すべき特徴は、国際色豊かな学びの環境だ。学生の3分の2はアジア、アフリカなどの留学生であり、その多くが開発途上国の政府部門で働く人材である。国際協力業界で働くことを目指す日本人にとって、留学生とともに学ぶ機会は、将来のカウンターパートとなり得る人とのネットワークを広げるチャンスでもある。リカレント後の実務復帰や国際協力の現場にでることを考える社会人にとっては、1年間で修士号を取得できるという点も大きな魅力である。
 多様な学生が集う講義の様子を一つ紹介しよう。コース指定科目「Development Economics」では、山内教授が開発経済学の基礎を教える。途上国の豊かさや社会経済発展度合いの測り方、開発経済学の中で重要視された概念の変遷、開発政策を科学的に評価する手法の基本、貧困や不平等に関する経済学上の知見などについて、英語での講義が繰り広げられる。受講生の多くは、さまざまな国からの留学生である。日本人学生も多様で、国際協力機構(JICA)で途上国の開発に携わった経験のある学生や、民間部門からのキャリアチェンジを見据えた学生まで含まれる。それぞれの経験から得た知識を開発経済学という学問に照らし合わせて、新しい視点につなげている。また、この講義に続けて政策評価手法を本格的に学び、計量分析を用いた修士論文を書き上げるなど、成長するきっかけが見いだせる講義でもある。

業界トップクラスの教授陣
 教員も国際開発・国際協力分野で日本トップクラスを誇る専門家がそろう。世界銀行やアジア開発銀行(ADB)などの国際開発金融機関、日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所やJICAなどで実務と研究経験を持つ教授陣から、開発経済学、地域研究、国際開発政策など多様な分野の研究指導を、ていねいかつきめ細かに受けることができる。教授陣が学生の研究について「同じ目線」でともに考え、学ぶ姿勢に魅力を感じる学生も多い。
 英語での論文執筆やコミュニケーションスキルの上達を目指す人へのサポートも充実。プロフェッショナル・コミュニケーションセンター(CPC)では、同センターの外国人講師から個別指導を受けることができる。

業界人材のスキルアップ
 修了後は、外務省在外公館(専門調査員)、JICA緒方貞子平和研究所などの国際協力に関わる仕事への道が広がるだろう。より研究を深めたい人には博士課程コース「G-cube-IDS」への進学も選択肢の一つである。国際協力業界へのキャリアチェンジや最初の一歩を考える人だけでなく、すでに業界で活躍する開発コンサルティング企業やNGOなどで働く人も、ぜひキャリアアップの場として活用してほしい。


■教員紹介

工藤 年博 教授
東南アジア地域研究

アジア経済研究所、ヤンゴン経済大学、ミャンマー農業灌漑省などを経て現職。東南アジアの現場を歩いて経済発展を考えてきた。

園部 哲史 アジア開発銀行研究所(ADBI)所長
開発経済学

GRIPSで教授、プログラム・ディレクター、副学長を務めた後、ADBIで途上国の気候変動対策と経済開発を統合した戦略を研究している。

高橋 和志 教授
開発経済学/応用ミクロ計量経済学

GRIPSで修士号・博士号を取得後、日本貿易振興機構アジア研究所、上智大学などを経て現職。

中尾 武彦 客員教授
アジア開発史/国際経済政策

財務省主計局主計官、国際局長、財務官などを務めた後、アジア開発銀行総裁(2013-2020年)を経て現職。


■2025年度 公共政策プログラム(修士課程)入試日程

※第1次審査は書類選考。第2次審査は、オンラインで面接を実施します。
※詳細については「修士課程国内プログラム学生募集要項」を参照してください。
※募集要項は本学ホームページに掲載されております。

■「GRIPS」で検索

東京・六本木とアクセスの良いキャンパス

<入試に関する問い合わせ>
国立大学法人 政策研究大学院大学
アドミッションオフィス
〒106-8677 東京都港区六本木7-22-1
E-mail:admissions@grips.ac.jp


掲載誌のご案内
本記事は国際開発ジャーナル2024年8月号に掲載されています
(電子版はこちらから)

『国際協力キャリアガイド』でも同学を掲載中
2020年度版

2021年度版

2022年度版

『国際協力キャリアガイド2024-25』にも掲載しています。詳細はこちらから!



いいなと思ったら応援しよう!