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『うたかた』を読んだ

 吉本ばななさんの『うたかた』を読んだ。その日は眠ろうとしたけど眠れなくて、電子書籍に入っていた『うたかた』を読んでみることにしたのだった。以前、予備校の先生がおすすめの本として紹介しており、ずいぶん前に購入したものだった。

 今回も前回同様、ネタバレなしの好き勝手なコメントを書くことにする。

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 この文章では、モヤモヤとした不安定な心情をそのまま取り残したりせず丁寧に言語化していた。(上から目線みたいですみません)

 私は小説が苦手だ。特に恋愛ものが一番苦手だ。何故なら論理的な行動をとることが少ないからだ。恋愛映画でも、恋愛ドラマでも、恋愛小説でも、論理を求めてしまって作品の流れに身をゆだねることができないのだ。私は、感情が生まれるにも論理があるはずだと信じる偏った思考があり、「わからない」と感じるとずっと気になってしまうタイプである。

 しかし、この作品では登場人物が何故そのような気分になり、そのように動いたのかが細かく言葉で記されていて、読んでいるときにひっかかることがなかった。(ひっかかることがなかったので、一晩中かけて読んだ。)

 その人と居ると世界が輝いて見える。でもその人が居なくなったとき、以前と同じ「ひとりの世界」を見ることは出来ない。以前は「一人」で見る世界だったのが「独り」で見る世界に変わってしまっているのだ。

 (隙あらば自分語り!)私は、自分が依存体質だと思っている。人が大好きだし、もっと近づきたい。でも、近づきすぎれば、すぐにもたれかかって依存してしまうだろう。最終的に、耐えられなくなって相手の人は逃げていくはずだ。そうすれば私は、「一人」の世界ではなく「独り」の世界を見る羽目になる。

 「独り」の世界を見ることに耐えられるだろうか?今のところ、私は耐えられそうにない。だから人に近づきすぎないよう、ある一定の距離を保ってバリアを張ってしまうのだろうとこの文章を読んだ後考えた。

 「独り」の世界を見る羽目になっても構わない!と突っ走っていける人に憧れる。私はそんなことできない。小心者だから。

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