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初!『九州交流会 supported by iDID』を開催しました!【イベントレポート 】

こんにちは!
あっという間にもう7月ですね。
梅雨も明けようとしているところですが、先月、初、東京を離れた「九州・福岡」でiDIDの交流会を開催しました。名付けて「九州交流会」!
今回は、そのイベントの様子をレポートにてお届けしたいと思います。

初の、東京外での開催でした!

今回のイベントは、5つのトークセッション+九州に拠点がある制作会社とのクロストークの、計6本。盛りだくさんに詰め込んだイベントになりました。

時間割はこんな感じです。

今回の会場は、福岡天神にある施設「Fukuoka Growth Next(通称:FGN)」。起業家と支援者が集まるスタートアップ支援施設だそうで、普段はワークスペースとして利用されている場所をイベント会場としてお借りしました。

小学校をリノベーションした施設、趣が、いい!

イベントのはじめには、FGNの香月さまから、福岡市の現状やスタートアップに関わる数値を用いながら共有いただき、これまで進めてこられた施策や抱える課題についてお聞かせいただきました。

それでは早速。ここからはメインのトークセッション6本を編集部がプチレポートいたします!

こんな感じでスタートしました。総合司会はお馴染みの二人です!

① スタートアップ × デザイン(SHIFTBRAIN × BEES&HONEY)

一本目から、それぞれの考えが光るセッションでした。

さて、トークセッション一本目です。先の説明にあったように、今回のイベント会場がFGNということで、テーマは「スタートアップ×デザイン」。シフトブレインの鎌田亮平さんと、BEES&HONEYの今村玄紀さんに「スタートアップにおけるブランディングの重要性」についてお話いただきました。

各社ブランディングにおける特色の違いも出ていて興味深いセッションとなりました。以下、ブランディングとは何か、というところでおふたりが話していたことの抜粋です。

鎌田さん(SHIFTBRAIN):ブランディングにおいて大事なのは「その企業のことを盛り上げていく」ってことなんじゃないかと思うんです。リブランディングを担当させて頂いたMorghtさんはちょうど第二次創業期で、社員数も増やしたいし、会社も移転したい。でも、このタイミングで会社が何を目指してやっていくべきかの言語化に悩まれていました。そこで、弊社のコピーライターがヒアリングを経てミッション、ビジョン、バリューを定義しつつ、それらを体現するためのロゴは何なのか、サイトはどういう風にするべきなのかというところを落としこんでいったんです。

会社の雰囲気というものがガラッと変わっていくのがリブランディングなので、周りからの見方も変わりますし、その会社で働きたいって思うようになるし、その会社で働いてる人たちの士気が変わる。ブランディングとは「どんどん盛り上がっていく」という、そのステップなんじゃないかなって思っています。

今村さん(BEES&HONEY):スタートアップで一番重要なのは、いかにお金をかけずに広報的な効果を得られるか。だからこそ、そのサービスやプロダクトのクオリティに力を注ぐ必要があると思うんです。そうなると「プロダクトの改善」まで一歩踏み込んで変えていかないと、本質的なブランディングにはならないのではないか、と思っているんです。

事例で言うと、トレーラーハウスとサウナが一体型になった宿「Earthboat」のブランディングを担当させて頂いたのですが、このEarthboatもご依頼の時点ではサウナつきのキャビンというところまでは決まっていましたが、どういう形のものにするかは決まっていない状態でした。

そこから僕たちが入って、プロダクトのクオリティを高めるために、Earthboatはどういう建築思想を持っていて、どういう文化があるものを作るかっていうところからクライアントと一緒に考えていったんです。

ブランディングしたいと思っている会社に対してアドバイスはありますか、という質問に「プロダクトやサービスにどれだけ強い想いを持っているかが大事。だからこそ応援してもらえる。強い気持ちがないと成功は難しいと思う」と鎌田さん。

対して「自分磨きも大事。美意識をどう高めるか。デザインの専門家だと思って、美意識も、人間性も含めて『いい人』になっていかないと、いい仕事はできないと思う」とは、今村さん。

お二人のブランディングや仕事に対する意識が伺える、とても印象的なトークセッションでした。

⚫️SHIFTBRAIN - 「Morght」リブランディング
寝具やマットレスなど、生活に根付いたアイテムを開発している会社で、今回のリブランディングでは、会社ロゴにはじまり名刺、社員が身につけるストラップ、社員証、そしてウェブサイト、その他ツールなど、多岐にわたっての制作を行った。「Morning To Night」というコンセプトに基づき、ウェブサイトでは見る時間帯によってサイトの色合いやロゴのシンボルが変化していくといった、まさに「常に一日を考えている会社であること」を体現したサイトに。

⚫️BEES&HONEY - 「Earthboat」ブランディング
株式会社アースボートのブランドパートナーとして、同社が展開するサウナ付きトレーラーハウス「Earthboat」のCI・VI、建築、ブランドサイト、ブランドグッズ等のクリエイティブディレクションや制作を担当いたしました。長野県信濃町をルーツに持つ代表の価値観と、実際に現地で宿泊施設を運用してきた多くの経験・実績をもとに、土地の気候風土に根ざした機能性、地球に対して負荷が少ない建築仕様、そして自然を最大限楽しめる宿としてブランドはスタートしました。同ブランドは今後、全国各地に拠点を増やし、独自の予約システムも現在開発中です。

② グローバル × デザイン(Whatever Co. × FOURDIGIT)

スケールが違ったお話しをお聞きしました。

二本目のテーマは「グローバル×デザイン」。海外への事業展開を積極的に行っているのが、Whatever Co.とフォーデジットの二社。このテーマでは、海外市場において、案件をどう獲得しているかをWhatever Co.富永勇亮さん、フォーデジット田口亮さんのお二人にお聞きしました。

Whatever Co.は東京、NY、台北、ベルリンに拠点があり、ユニクロなどの日本を起点にしたグローバルの仕事やShopifyやUdemyといったグローバル企業の日本進出プロジェクト、UberEatsなどの台湾でのキャンペーンをやっています。フォーデジットは東京以外にタイのバンコク、ベトナムのホーチミン、マレーシアのクアラルンプールなど、東南アジアをメインに事業展開をしています。

二社が海外進出したきっかけは、フォーデジットが「2014年ぐらいから海外からお仕事の相談をもらっていて、チャレンジしてみよう、と思ってスタートした」、Whatever Co.は「PARTY NY、PARTY Taipeiと合流した流れがあったのと、そもそも『海外の仕事をやらないと生き残れない』という気持ちがあった」とか。

富永(Whatever Co.):いわゆるデジタルプロダクションにはもう未来がないのではないか…と思っていて。このままでは海外の仕事をやっていかないと生き残れないと思っていたんですよ。ただ、ひとつ言えるのは、日本人のクリエイティビティとか、真面目さとか、「ちゃんとやれる力」というのは、世界中どこででも戦えるレベルだと思うので、実際のところ、海外に出たらやれると思うんです。でも出ないと絶対にそのまま終わってしまう。チャレンジすることがとても大事だと思います。

田口(FOURDIGIT):僕も同じで、やっぱり日本だけでやってると「日本の制作会社」という感じになってしまって、やっぱり視野がどうしても狭くなる。海外ではクリエイティブも、サービスもどんどん進化しています。その中で、何も知らずに国内だけでやっているのはリスクがあると思います。また、言語的な面においても、いろんな人たちと働くっていうのはやっぱり大事ではないかな。そういう意味でも、こういう海外に向けて挑戦をしていくことは大事だと思います。

他にも「日本の価値が下がっていて、海外で口座をつくるのが難しくなっている」「実は、海外だと請求の期日通りに入金されることがあまりない」「金利が高いので、できるだけ銀行にお金を置いておきたいんですよね」「USにはレップという存在がいて、僕たちアーティストとクライアントを結びつけてくれる人がいる」という日本にいると知らない海外ビジネスの話も興味深くお聞きできました。

⚫️Whatever Co.- Uber Eats Taiwan
2019年からやっているUber Eats Taiwanの年間キャンペーン。2022年は台湾の有名な司会者 Dee Hsuとラッパー E.SOをデュオとして招き、タトゥー、ボクシング、落書きなどをテーマにしたシリーズを制作。タピオカミルクティーの蓋をストローで激しく突き破るシーンでは笑いを誘い、食べ物のダジャレが話題を呼ぶなど、ウィットに富んだユーモアを表現しています。2人のテンポ感のあるやり取りを通じてUber Eatsの利便性を強く伝えています。

⚫️FOURDIGIT - Honda VietNam「My Honda+」
Hondaプロダクトとオーナーがつながるためのアプリ「My Honda+」。車やオートバイのメンテナンスサポートなど、パーソナライズされた情報を提供。フレンドリーなインタラクションで「Like your partner」を目指した。

③ ローカル × デザイン(ハイライツ × 引地耕太)

二社ともに行政のお仕事をされていることが印象的でした。

三本目のテーマはイベントが福岡会場ということで「ローカル×デザイン」。東京に会社がありながら、九州のお仕事をいくつも担当されているハイライツ・下川大助さんと、福岡在住でありながら大阪・関西万博のお仕事を担当され、東京含めた三拠点を行き来しているというクリエイティブディレクター・引地耕太さんのお二人にお話をお伺いしました。

ハイライツ下川さんは「北九州市」のクリエイティブディレクターとして、市の顧問と市長のクリエイティブアドバイザーを、そして「KBC九州朝日放送」のブランディングも担当しており、月に2回ほど東京と北九州市・福岡市を行き来しているとか。以下は「北九州市」のお仕事について。

下川さん(ハイライツ):北九州市では、2020年からクリエイティブディレクターとして、主に市が打ち出すクリエイティブの表現や方法などのアドバイスなどをしています。あとは、市の職員の方にクリエイティブ面においての研修をやったりもします。それを3年ほどやってきています。福岡の方はご存じかと思うんですが、去年、北九州市の市長が変わりまして。市長が変わると新しいビジョンを打ち出すんですね。そこで、基本構想と言うんですけども、2040年に向けて北九州市がどんな風になっていたいかということを言語化するためのお手伝いだったり、それをクリエイティブの力でどう浸透させていくかということをやらせていただきました。

行政の仕事って、あまり身近じゃないですよね。市が発信するものに対して、内容が難しかったりとか、ルールが難しかったり。一部だけ切り取られて、税金の無駄遣いをしないでくれって言われたりもするわけです。ただ、前提としてあるのは、「北九州市を良い町にしていきたいと思っている」っていう当たり前のことで。ただやっぱり、そこがうまく伝わってなかったりとか、その作り方がまずかったり。そうならないために「市としてはどうなりたいか」「市民のためにどういう恩恵を与えたいのか」ということをみんなで議論して、それをどううまく伝えるかっていうことをクリエイティングの面でアドバイスさせていただいているんです。

(行政の)クリエイティブに携わる人がもっと表に出ることによって、やってみたいとか、共感してくれる人が増えたらいいと思います。そうすると、そういう社会になっていけば、社会はもっとよくなっていくはずなんです。

引地さんからは「大阪・関西万博」「鹿児島のリトリート施設」「オムロン ソーシアルソリューションズのフューチャーステーションイノベーションプロジェクト」についてお話いただきました。以下は「大阪・関西万博」についての話です。

引地耕太さん:「大阪・関西万博」に関しては「デザインシステム」というものを作ったわけなんですが、ロゴを作ったわけでもなくて、キャラクターを作ったわけでもないんです。すでにできていたロゴをどのように全体に展開して、ロゴの持っていた良さとかその本質を、全体のブランディングにどう浸透させていくかというところの「コンセプト」とその「展開性」を全体設計しました。

(会場のある)夢洲という場所で「デザインシステム」を使いながら、視覚的なドレッシングだけじゃなくていかに「体験的にワクワクさせていく」か。そして、それをどう社会に広げていくか。それが大事だと思っているんです。

万博は国家規模のプロジェクトなので、そこに関わってるクリエイターたちもいっぱいいるんですね。今、建築家の藤本壮介さんたちと一緒に、どういう「ワクワク」を作っていくかっていうことを考えるプロジェクトをやっていて。その先に、僕らがクリエイティブを作っていって、そのプロセスが、ここ(会場)にいる若いデザイナーの方々にもちゃんと残っていくのか。そのプロセスのナレッジをしっかり残していくことが大事だと思ってやっています。国の仕事とか市の仕事をみんながやりたくないって空気になっちゃうと、パブリックがすごい残念なものになっていく。それをちょっとでも変えるために何かできないかなって思っているんです。

双方ともローカルプロジェクトとして行政のお仕事があったのが印象的でした。行政の仕事はどうしても批判されやすいもの。そこに対して、ネガティブな面だけを見るのではなく、クリエイティブを通して「国や地域をどう良くしていくべきか」に対して正面から考えるお二人。これからのクリエイターはどうあるべきなのかが問われているようなトークセッションでした。

⚫️ハイライツ - 「北九州市」地方創生ブランディング
ハイライツ下川さんが2020年からクリエイティブディレクターとして参画。主に市が打ち出すクリエイティブの方法などのアドバイスから、職員の方へのクリエイティブ研修をやっている。また、2040年に向けて北九州市がどうなっていきたいかを言語化するサポートと、それをクリエイティブの力でどう浸透させていくかということにも関わる。

⚫️引地耕太 - EXPO 2025 Design System
すでにあったロゴをどういうふうに全体に展開して、その本質を、全体のブランディングにどう浸透させていくかというところの「コンセプト」とその「展開性」を引地さんが全体設計。「デザインシステム」を使いながら視覚だけではなく「体験的にどうワクワクさせるか」に重きを置いて、2025年に向けて今まさに動いている。

④ 企業広報 × デザイン(ベイジ × gaz)

 広報について熱く語るトーク!

このあたりになってくると、会場のみなさんもなかなかなほろ酔い気分になってきましたが、素晴らしいセッションは続きます。四本目のテーマは「企業広報×デザイン」。ここではSNSのフォロワー9.3万超のベイジの代表枌谷力さん、福岡のデザインファームgazの吉岡ヤスさんにお話いただきました。

トークセッションは枌谷さんの「中小企業に広報は必要なのか?」という話から始まりました。

枌谷さん(ベイジ):広報を抱えてる会社さんが結構いらっしゃる中で、 いろんなやり方があると思うんですが、私自身は中小企業に広報はいらないっていう考え方なんですよね。なんでかというと、いいプロダクトといいサービスがあれば、勝手に話題になって勝手にひろがっていくというのが基本だからで、ブーストする手段としてはいらないんじゃないかなと思うんです。ただ当然難しいところもあるなと思ってて。業界内で、狭い顧客に知られることはあっても、業界を超えて知られるためには、広報的な何かをやらないと難しい、というのは現実的にあると思います。

吉岡さん(gaz):広報が必要かと言うことで言うと、うちは創業2年目から広報担当のメンバーを採用しています。最初は僕自身が自分で広報をやっていて、プレスリリースも月1件、自分で書いていました。僕らは福岡拠点で実績もプロダクトもあまり知られていなかったんです。理想はいいものを作って、知ってもらって、受注が来ることが美しいと思うんですが、福岡とか地方だとなかなか大きい仕事だったり、国の仕事だったりとか東京の仕事とかって、来るのにかなり時間がかかると僕は思っていて。

普通にやっていたら5年10年はかかるところを、いかに数年で早抜きするか。そのためにはロードマップを制定して、そこから逆算して、広報を必要なKPIにおいて活動してきたところがあります。そこはある種、ベイジさんと対象的なところですよね。

また、枌谷さんからはSNSで広報をするためのコツも。

枌谷さん:僕は企業のSNS支援を複数社にしていたりするのですが、ひとつ言えるのは、SNSって好きじゃないとやれない。うまくやっている人って、やらなきゃいけないと思ってやるのではなくて、SNSが好きで息を吸うようにやっているんですよね。理想は社内に発信が好きな人がいて、その人が広報的な場で会社をアピールしていくことですね。

広報は「自社(自分)のこと」を言うだけではなくて「いかに相手の役に立つか、いかに楽しませるか」だと思います。それができてはじめて自社を認識してくれると思うんです。役に立つ情報発信は顧客と採用、両方に効くはずです。そしてそのためにはやっぱりギブが大事で、テイカーになってはいけない。僕は広報の情報発信ってそういうことじゃないかと思います。

立ち位置で広報の重要性も変わってくるということがよく分かるお話でした。今年の4月には枌谷さんがgazの顧問に就任したことも話題になりました。今後の枌谷さんとgazの動きにも要注目なセッションでした。

⑤ 自社ブランド × デザイン(Wab Design × stans)

自社事業をやることの可能性を感じるセッションでした。

五本目のトークセッションは「自社ブランド×デザイン」。ワヴデザインの松本さん、スタンスの智原さんにお話いただきました。

スタンスさんは、クライアントワークをやりながら、それと別にカフェ「alu」と海辺のダイナー「DILLY DALLY」の2店舗を自社で経営。ワヴデザインさんも受託業務をやりながら、自社でスニーカーショップ「PLAYGROUND」を代々木公園と名古屋に2店舗展開しています。セッションは「自社事業をやることでわかったこと」についてのトークからはじまりました。

智原さん(stans):もともと、クライアントにはコンサルティングをしているのに、自分たちは実際に世の中の人に対して商品やサービスを提供したりしたことがない、というところに矛盾を感じたのが自社事業をはじめた動機でした。

やってみてわかったことが明確にあって、ひとつは「社内で原価率や人件費率など、数字の話が自然に出るようになった」ことです。数字はクライアントが日々向き合っているものなので、デザイナーであれエンジニアであれ、この話についていけることはとても大切です。

もうひとつは、クライアントからの相談が、これまのビジュアルやウェブサイト制作の相談だけではなく、もっと前段階の『店舗をつくりたいんだけど…』『商品をどう作ったらいいか』という内容になってきたことです。例えば、デザイン会社なのに、スイーツ開発の依頼がくるようになったこととか。クライアントワークの性質上、なかなかタッチできなかった部分に踏み込めている実感があります。

松本さん(Wab Design):面白いなと思ったのが、スニーカーショップをやってみて、当初20代の若者に売れると思っていたのが、6年やってみたら、20代から50代のいろんな年齢層の方がくるようになったことで。最初にターゲットにこういうものを売っていきたいと思っても、流れに合わせてターゲットをゆるやかに変えていく。自分たちの想定と異なった現実を知れたり、ときに柔軟に変化していく大事さを知れたりするのも店舗をやっていて面白いところなんです。思った通りにはいかないんですよね。

今後僕たちは、1つの仕事だけではなく、2つ3つと複数の職業を持つことがスタンダードになっていくと思うんです。小さい規模でもアクセサリーをオンラインストアで売るとか、週末だけコーヒーショップを友人とやるとか、なんでもいいと思います。そういうことをやることで、複数の仕事から思いがけないシナジーや気づきが生まれていく。

何かを始めようと思った時にオススメするのは、時間をかけすぎず、「世の中がどう思うか」なんて気にせずに気軽にやってみる。鈍感力を持って、自分の中のハードルを高くしすぎずにやるのがオススメです。よくなければやめちゃって、次のことをさらっとやるぐらいでいいんだと思います。

職業を複数持つことがスタンダードになる。そのためには気軽にはじめてみて、ダメだったらすぐ次にいく。クリエイターの働き方が刷新されていくような、興味深いお話をお聞きできました。

⚫️Wab Design
PLAYGROUND
PLAYGROUNDにはREUSE / UPCYCLING / DEVELOPMENTの3つのラインナップがあります。REUSEではNIKE、ADIDASを中心にセレクトしたスニーカーを提案しています。UPCYCLINGではここにしかないカスタムスニーカーを創っています。DEVELOPMENTでは伝統的な意匠や機能に敬意を表しつつ、オリジナルスニーカーpg(ピージー)を開発しています。

⚫️stans
alu
福岡県福岡市博多区大博町の真っ白なビルにあるカフェ。フレッシュなコーヒーとシンプルでおいしいお菓子があって、日常だけどちょっとうれしいひととき。「今日なんかいいな」と思える時間をお届けしています。(2024年夏の店舗リニューアルに向けて現在休業中です。)

DILLY DALLY
福岡県福津市宮地浜海水浴場にあるシーサイドダイナー。オトナもコドモも今日だけは「ムズカシイこと」「ガンバルこと」を忘れて。お腹いっぱいにオイシイものを食べる、コーヒーを片手にダラダラと話す、砂浜で意味なくジャンプしてしまう。そんな「最高の休日」を過ごしてほしくて、今日も元気に営業しています!

⑥ iDIDが選ぶ 九州の制作会社4選(5ive × モンブラン × y2)

乾杯からはじまる、スタイルです。

さて、イベントも佳境です。最後のセッションは「iDIDが選ぶ九州の制作会社4選」。残念ながらコンデンスの梶原勇吾さんがコロナのため欠席となってしまいましたが、5iveの下村晋一さん、モンブランの佐々木悠さん、y2の横山洋平さんのお三方にお話をお聞きしました(梶原さん、次回はぜひご参加ください!)。

セッションでは福岡や熊本という場所で仕事をしている中で、東京のほうが案件が多いことへのジレンマとどう向き合うか?という話になりました。

下村さん(5ive):地方のメリットは立地にあると思っていて、その地域に住むことで初めて恩恵を受けることができる。東京の価値は在住してなくても工夫次第で手に入れることができるので、実はローカルに拠点を置く方が東京と地方のいいとこどりができるのかもしれません。 福岡くらいのサイズ感だと、仲間もすぐ近くに住んでることが多くプライベートでも自然と集まりやすい環境です。そういう意味では、意外と福岡にいるほうが欲張りにできるんじゃないかと思うんですよ。

地方に余白があるからこそ、環境を使いこなして東京にはない面白さを出していけるのではないかと思います。やり方次第では東京より目立てるんじゃないか、とも。

佐々木さん(モンブラン):東京だと把握できないぐらい人が多いと思うのですが、九州だと結構把握できるぐらいの数で、距離感も近いです。そういうこともあってか、代表がいつも言っているのは「お客さんもたくさんいるから、クリエイターを一番大事にしよう」ということなんですね。広告代理店から転職してきたときはそれが衝撃だったんです。限られた人たちだからこそ、その分信頼関係をしっかり気づくことで、手触りというか手応えがある。

お客さんも、東京と九州だと、お客さんの困ってる度合いが違うんです。東京ならリテラシーが高くても、こっちだと地元のおじちゃん社長とかで、何もわからなくて困ってたりするんですね。だからこの人のためにという気持ちが強くなる。なんというか、ロジカルじゃない良さがあると思うんですよね。

横山さん(y2):人の紹介から仕事が生まれて、それをひとつずつ繋いでいった結果、少しずつ仕事ができるようになっていて。人からもらったものをしっかり返したい気持ちはあります。そこはやっぱり誠実にやっていきたいと思っていますね。サイトの依頼を受けたときも、「そもそもサイトをつくる必要があるのか」ってところから、誠実に、お客さんにとって必要なものを考えたいと思っています。

加藤(SHIFTBRAIN):海外からみた時に、東京よりも地方のほうが世界に近いと思うんです。広島とか、福岡もそうではないかな。東京はビジネス中心で回っているけど、地方は面白いものがたくさんあって、世界からたくさんの人が観光に来る。それって要は世界に近いってことじゃないですか。それをもっと出していけたらいいのではないか、とも思ったりします。

東京とローカル、それぞれにおいての働き方や生き方、そして「どういう人たちに何を提供できるのか」が浮き彫りになった、すばらしいセッションでした。このセッションでは、簡単ではありますが各社のご紹介もさせていただきます。

⚫️5ive inc.(福岡)
5iveは福岡が拠点で、エンジニアである下村さんが代表なので、テクニカルよりの仕事が強いイメージがあるように見えるが、ディレクションからデザイン、実装までまかなえる体制が最近作れるように。「お客さんと長く仕事をすること」をテーマに、スタッフ同士も長く一緒に働けたらいいと話し合っているそうです。

BBB!
JR九州高速船株式会社さんと2018年から6年と長い付き合いがあり、LPにはじまって、日本と韓国を繋ぐ高速船BEETLEの公式サイトや、韓国・プサン(釜山)の魅力的なスポットを紹介するWebメディア「BBB!」を立ち上げ。BBB!では冊子などの制作も行っており、クライアントとの強い結びつきを感じます。

⚫️モンブラン(熊本)
モンブランは熊本が拠点で、ウェブ制作からブランディングまで幅は広い。社内外でデザイナーなどを決めずに、外部のパートナーさんとも幅広くお仕事をしており、いい意味で「決まったトンマナ」がないのが特徴。また、「言葉の開発」を一番大事にしているところも特徴的。ビジュアルを簡単に見せるのではなく、言葉から徐々に擦り合わせていき、最後にデザインを見せるような流れを意識しているそうです。

うおみこども園
問い合わせの時点で「保育園らしくないものを作ってほしい。」という依頼があったそう。企画の段階でことばやサイトの見せ方を提案。イラストの制作や写真の撮影など、制作過程でチューニングしていって今のサイトのデザインに。イラストが上がってきたことで軌道修正するなど、予定調和で終わらせない制作プロセスが結果的に「保育園らしくない」サイトに繋がったそうです。

⚫️y2(福岡)
y2は福岡が拠点で、webデザインやディレクションが中心のデザイン事務所です。横山さんを中心に4人でチームを組んでおり、フリーランスからスタートして今年で14年目になります。福岡を中心に、病院(医療関係)・幼稚園(保育園・こども園)を始め、企業、オンラインショップなどのデザイン業務を行っています。

くりもと眼科
SNSでもかなり話題になっていたサイトです。まばたきのアイディアは横山さんがサイトが95%ぐらい出きている段階で思いついたんだとか。「まばたきのアイディアだけではなく、フォトディレクション、ページの構成など、全体的にクオリティが高いですよね」と下村さん。

まとめ

しっかりトークを聞いていただくゾーンがありました

今回は登壇のみなさんの会話を座ってお聞きいただく場所と、交流スペースを分けました。関東から来られた方、九州の方、はたまた他エリアからお越しいただいた方がごちゃ混ぜになりながらも楽しんでいただけたのではないかと思っております。

笑顔のみなさん!楽しかったですね!


運営:SHIFTBRAIN / Wab Design INC. / FOURDIGIT / gaz
協賛:iDID
撮影:株式会社yollgo

次回のイベントの案内

すぐ、そこ、7/5(金)です。

【イベント概要】
日時:2024年7月5日(金) 18:00〜21:30(途中入退場可能)
会場:LIFORK HARAJUKU (原宿駅 徒歩1分)
参加費:1,500円(Peatixにて支払い)
飲食:ドリンク2杯・軽食1つまで無料 / 持込可

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