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<論文>卵の食べ過ぎと心筋梗塞

Association Between Egg Consumption and Risk of Cardiovascular Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis.
Am J Med. 2020 Jul 10;S0002-9343(20)30549-0.
doi: 10.1016/j.amjmed.2020.05.046


イントロダクション
卵の消費と心血管疾患リスクとの関係については、かなりの議論が残っている。このシステマティックレビューおよびメタアナリシスの目的は、卵の消費と心血管疾患イベント全般との関連を探ることであった。

方法
卵の消費と心血管疾患イベントとの関連を報告した観察研究について、1966年のデータベース開設から2020年1月までの間、Ovid MEDLINE、Ovid Embase、Ovid Cochrane Database of Systematic Reviews、Scopus、Web of Scienceを系統的に検索した。2人の研究者が独立してデータをレビューした。矛盾はコンセンサスによって解決した。ランダム効果メタアナリシスを使用した。異質性の原因を分析した。

結果
追跡期間中央値12.28年のプロスペクティブ研究23件を同定した。総症例数123,660例、心血管疾患イベント157,324件の合計1,415,839人を対象とした。卵の摂取なしまたは1日1個と比較して、卵の摂取量が多い(1日2個以上)場合は、心血管疾患イベント全体のリスクの有意な増加とは関連していなかった(プールされたハザード比0.99;95%信頼区間 0.93-1.06;P<0.001;I² = 72.1%)。卵の摂取量が多い(1日2個以上)場合は、卵の摂取なしまたは1日1個の場合と比較して、冠動脈疾患のリスクが有意に減少していた(プールされたハザード比0.89;95%信頼区間、0.86-0.93;P<0.001;I² = 0%)。

結論
我々の分析では、卵の摂取量の増加(1日2個以上)は心血管疾患リスクの増加とは関連していないが、冠動脈疾患リスクの有意な減少と関連していることが示唆された。


<感想>
直観的に,この結果を受けて「よし,たくさん卵を食べよう」とはならないと思います。例えば,仮に心疾患は減るとしても,ほかの病気のリスクがどうかはわかりません。この手の話題はなかなか決着がつかない印象ですが,結局は何事もほどほどの中庸が大事,ということになる気がしています。



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