16本目：いてもたってもいられなくなった

去年の今頃は、来る日も来る日もイライラしていた。
原因は仕事である。
熱中し、自分なりに熱い思いを持って取り組んでいたが、
同じくらい、もうやりたくない、しんどい、みんなイヤだ！という思いも抱えていて、love & hate のバランスが取れずに苦労していた。
私は仕事が嫌いなんだと思った。

結婚して、退職し、
これまでの自分のキャリアが全く意味をなさない国に帰った。
夫の理解に甘えて、主婦生活をイキイキと愉しむつもりだったのだが、
どうしてもうまくいかなかった。
誰にも会わなくて良い生活で、私はいくらでもだらけられることがわかり、
子なしの私は、子育てと社交を多忙にこなす主婦のみなさんと話しても引け目を感じてしまう。
だんだんと増える体重と減っていく口座残高に焦り、
好きなことをしようと思ってもいまいち積極的になれない。

やっぱりこれは、仕事をしたほうがいいのかもしれない…
と就職活動を始めてみると、この国で自分のできることを証明できるものがないことに苦戦した。
また、メキシコでやってきたことを前面に出すと、なんだかバリバリ頑張るプランになってしまいそうで、なかなか自分のなかで折り合いがつかなかった。

今自分を苦しめているのは、
何がしたいのか、どうありたいのかが自分でわかっていないことと、
なぜか「不自由だ」と感じていることだ。

というわけで、成り行きに任せ、仕事を紹介してもらえる派遣社員として、日本での仕事をスタートすることにした。
数年で完了する予定の仕事、結構いいかもしれない。
まず歩き出してみて、働いて出会う気づきで、これから先を選択していくつもり。