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IDENTITYのSEO担当、向井地宏明が持つビジョンとは

「SEO(※1)のエキスパート」

SEOの知識が全くなかった自分にとって、彼、向井地宏明(ムカイジ ヒロアキ)は雲の上の存在だった。

インターン生ながらSEOの知識を基に過去の記事をリライトし、サイトのPV数をどんどん上げる。定例ミーティングでは社長から意見を求められ、彼の意見で話が進むこともしばしば。サイトのリニューアル時には取りまとめを任され、大幅なPV向上に貢献した。

本当にインターン生なのか?何度もそう思った。

彼にできないことなどあるのだろうか。きっとキラキラとした、素晴らしいエリート話が聞けるのだろう。

そんな想像をしていた。インタビューが始まるまでは。

※1:検索エンジン最適化。検索結果において特定のウェブサイトの露出を増やすため記事やサイト自体の構成などを調整すること。
PROFILE ー 向井地宏明(ムカイジ ヒロアキ)
南山大学出身。大学3年時に1年間休学し、東京でインターンに参加。復学後の2018年6月よりIDENTITYにSEO担当としてジョイン、卒業までインターンを続けた。現在は東京で社会人生活1年目を過ごす。趣味はサッカー、ランニング、筋トレ、サウナ、焼肉、お酒。(本インタビューは卒業間際に行ったもの)


フランスでの生活で自然に身についた”自己表現”

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——まずは、向井地さんの幼少期の話から教えてください!

向井地宏明(以下、向井地):わんぱくではなかったけれど外遊びが好きで、給食を楽しみにしていたな。小学2年生からサッカーをしていて、放課後のサッカーと、週末にある地元の少年団のサッカーが好きでした。親から勉強やれと言われたことがなく、のびのびと育てられましたね。

——親戚からはどのような子供だったと言われますか?

向井地:比較的おとなしかったと言われます。長男だったからかな。人前に出たりはするけど、自分で何かして怒られることは少なかったと思う。昔から両親に「他人に悪いことをすれば、自分に返ってくる」こと、「人に感謝する」ことは何度も言われてきたので、その2つは未だに自分の軸になっています。

——中学校くらいの頃はどうでしたか?

向井地:その頃からはちょっと特殊な人生を歩んでると思う。親の仕事の都合で、中学校の3年間はフランスに住んでいました。実は僕、帰国子女なんです(笑)。

——えぇ!そうだったんですか!知らなかったです。

向井地:実はね。しかも住んでいた街に日本人学校がなかったので、フランス語が全く分からない状態なのにいきなり現地の中学校に入ることになって……本当に大変だった(笑)。学外ではたまたま受験した地元のプロサッカーチームのジュニアユースチームの入団試験に受かって、そのチームで3年間過ごしました。フランスでのサッカー生活が、僕にとっての原点とも言えるかも。

——言葉が通じない異国の地で生活するのは、正直しんどくなかったですか?

向井地:最初の3日間は確かにきつかったけれど、その後は楽しめるようになったかな。僕にとって一番大きかったのは、サッカーがあったこと。言葉が通じなくても、ジェスチャーで通じた部分もあったからね。放課後のサッカーを通じて友達もできました。

——大変な環境も楽しめるところが凄いですね。その後、帰国して高校に入学されたと。

向井地:高校も特殊で、南山国際高校っていう帰国子女か外国にルーツを持つ生徒ばかりの高校でした。校則が日本ぽくなくて、服装は自由だったし、髪染めもピアスも自由だった。

——高校生でピアスですか!すごく自由な校風だったんですね。

向井地:そうそう。周りが帰国子女ばっかりだったので、フランスから帰国したばかりの僕も直ぐに学校生活に馴染めました。

——のびのびとした高校生活を送ったんですね。その後の大学生活はどうでしたか?

向井地:大学に入って、自分は特殊な人生を送ってきたのだと再認識しました。中学時代に色んな国籍やバックグラウンドを持つ人たちと出会って、高校でも特殊な環境の中にいたんだと。

大学ではオープンな関係になれたから人間関係で苦労したことはなかったけど、周りの人の話を聞くと全員が自分とは同じ考え方、感じ方ではないことが分かった。自分は他人に何言われても気にしないし、自分の意見を言う。けれど日本社会では誰しもが自分の意見を言える訳ではないことを知って、今まで生きてきた環境とのギャップを感じました。

——多くの人が大人になって初めて気づく「自由」や「個性」という感覚を、向井地さんはフランスでの中学時代に得ていたんですね。

向井地:そうかもしれないね。特に海外では自己主張しないと相手にされないし、サッカーだとアピールしないとパスももらえない。自己表現しないと評価されない世界なんだよね。あと、日本では“許容範囲の狭さ”を感じる。フランスではバックグラウンドや宗教など一人一人が違ったので、みんなそれぞれ違っていても認められていた感じがした。

——それを中学生で経験するのは凄いなぁ……。

向井地:当時は幼かったから分かっていなかったけどね(笑)。


学生団体、インターンから得た豊富な経験

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——それでは、IDENTITYについての質問に移ります。IDENTITYでインターンするまでの経緯について教えてください。

向井地:IDENTITYでインターンをする前、大学3年生の時に1年間休学して東京の会社でインターンをしていました。そこでは営業とマーケティングをしていて、SEOについてもそこで学びました。その後名古屋に帰ってきたとき、東京での経験を活かしてSEO記事を編集するような上流的な仕事がしてみたいと思っていたんだよね。そのタイミングで知り合いから紹介されて、碇さん(IDENTITY共同代表)と城後さん(IDENTITYのSEO担当)の下で働くことになりました。

——東京でもSEOされていたんですか。どおりで即戦力としてバリバリ働いてたわけですね。

向井地:東京では千本ノックみたいだったよ(笑)。たくさん失敗もしながら、ひたすら泥臭く数をこなしてた。

——向井地さんが千本ノックとは……!「完璧な人」というイメージだったので意外です。東京ではどんなことを学びましたか?

向井地:2つあって、1つは実際に働いた、という経験。NPOの学生団体を大学1年生から3年生までやっていたけど、いざ就活となった時、今のまま社会に出ても自分がなりたい姿になれるイメージが持てなかった。だから、休学して実際に働いてみて、自分の強みが何か、好きな事が何かを再認識しようとしたんだよね。そうしたら「需要あるものを作るのが好き」と気づく事ができた。働きながら、自分について知ることができたんです。

2つ目は「出来ないことはない」と知ることができたこと。無理だと思うような高い目標設定でも、どこに目標を置くか、どうやってやるかを逆算すればわかる。「出来るか、出来ないか」ではなくて「どうやってやるか」が大事だと学びました。

——どちらも今後ずっと軸となる考えですね。ちなみに、話の途中に出てきた学生団体では何をされていたのですか?

向井地:大学を休学する前まで、「AIESEC」というNPOで活動していました。海外経験を通して若者のリーダーシップを身につける理念を掲げた団体で、海外インターンシップを支援していました。

——なるほど、海外経験も豊富な向井地さんにぴったりですね。そこではどんな経験を得ましたか?

向井地:結果を出すチームを作るにはどうマネジメントするのか、メンバーにどうやる気を出させるのかを学んだかな。AIESEC南山大学委員会の委員長をやっていたんだけど、学生ながら企業のような組織形態だったんだよ。50人くらいの組織の中で、“0から1”、今までにない価値を生みだす、という経験は大きかったです。その経験から、分析して方針を示す方が好きだと自己認識しました。

受け身ではいけない、”自分で考えて動く”を実践

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——東京でも名古屋に戻ってからもSEOに携わっていますが、もともとSEOに興味を持ったのはなぜですか?

向井地:自分の強みを生かしたかったからかな。数字をみて全体を分析するような、大きなことをやってみたいという気持ちがありました。

——IDENTITYで実際にSEOを経験してどう感じていますか?

向井地:IDENTITYのインターンでやってきたことは間違ってなかったと思う。自分が起こした行動によって数字が伸びるのが、単純に楽しかったですね。名古屋のSEOが競合がいない環境だったからかも知れないけど(笑)。特にWebサイトのリニューアルに携わったのは自分にとってはいい経験でした。地道な作業で大変だったけどね。

——約9カ月間インターンをして卒業を間近に控えていますが、IDENTITYで一番印象に残っていることは何ですか?

向井地:やっぱり、リニューアルによって出た記事が伸びたことかな。1~2ヶ月かけて携わったリニューアル作業によって、PV数が1.5倍から2倍くらい伸びたのは達成感がありました。城後さんからはお叱りを受けることもあったけどね。

——お𠮟りですか!どんなことを指摘されたんですか?

向井地:問題点や疑問点があると、すぐ城後さんに「次どうすればいいですか」とアドバイスを求めていた。でもある日、「受け身ではなく、自分で考えて動くスタンスでいこう」とアドバイスをもらった時にハッと気づかされました。受け身ではいけないと思っていたはずなのに、自分がそうなっていたことに言われるまで気づかなかった。城後さんに指摘してもらって、「自分で考えて動く」ことを改めて意識するようになりました。

——それも今思えば良い思い出ですか?

向井地:良い思い出かは分からないけど、忘れられない出来事ですね。城後さんは覚えていないかも知れないけど(笑)。

——向井地さんのような人でも失敗を経験していると知って、親近感が湧きました(笑)。では最後に、向井地さんが描いている未来のビジョンを教えて下さい!

向井地:ちょっと大きな話になるんだけど、人間の幸福度をいかに最大化するかを考えていて、それをコミュニティを通じて現実化させたいと思っているんです。人の繋がりから人の幸せを実現させたいと思っています。

フランスにいた時、3万人の街の1万5千人収容のスタジアムが毎週埋まる光景を目の当たりにしたんだよね。“人生の拠り所” みたいな空間がそこにはあって、いつか自分でもそういう空間を作りたいと考えています。

「オンラインで人を集める機会を作る(Webサービス開発)」「人を集めるきっかけ(マーケティング)」「オフラインで継続的に繋げる」、この3つを作ることで人を幸せにできると思っています。人を集めるきっかけを作ることはIDENTITYのインターンを通して学ぶことができた。次は就職先の企業で、「オンラインで人を集める機会を作る」で人を幸せにすることを学ぶつもりです。

——IDENTITYは一旦辞めてしまいますが、向井地さんは何だかIDENTITYと完全に離れない感じがあって嬉しいです!

向井地:IDENTITYとは考え方もやり方も似ているからね(笑)。だから、どこかで繋がってる感じはあるかも。IDENTITYに出会えて本当に良かったと思っています。もっと出来たかもしれないという後悔も少しあるけれど、人との出会いは本当に良かった。感謝しています。

——僕も向井地さんと出会えて良かったです。ありがとうございました!

“天才の裏には努力あり”

今回のインタビューを通して、彼のように完璧に見える人も、地道な努力や積み重ねてきた経験があるからこそ活躍できているということがわかった。

強烈な個性と豊富な経験を武器に、彼はこれからも周りに流されず、己の進むべき道を切り開いていくことだろう。

東京での社会人生活を経て、パワーアップした彼と再会する日を楽しみにしている。


文:大岩勇斗

取材時点:2019年2月25日

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