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【考察】日本版wikiの内容の薄さは○○○○が原因だった。ねじまき鳥クロニクルを英語版wikiで読む #12

今回はトオルの妻、久美子のキャラクター紹介からはじめましょう。

Kumiko Okada: Kumiko is Toru's wife and, as the breadwinner of the couple, is the more autonomous of the two.

breadwinner
パンを手に入れるもの が転じて 稼ぎ手 という意味で使われています。
「誰のおかげで米が食えているんだ!」と怒っている昭和の親父がいたら、彼は間違いなくricewinnerと言えるでしょう。

autonomous
自律的

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岡田久美子 久美子はトオルの妻で、二人の稼ぎ手として、二人の中では自律的です。

ここでも受動か能動かをめっちゃ気にしてますね。
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She works in the publishing business.

***
彼女は出版業界で働いています。
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Following the disappearance of their cat, she disappears as well.

as well
同様に tooよりややフォーマルな印象。

Following
前置詞として「のあとで」の意味で使えます

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彼らの猫の失踪のあとで、彼女も同様に失踪します。
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Kumiko's childhood was stifling because her parents wanted her to take the place of an older sister who had committed suicide at a very young age, an event that became an obsession of their older brother, Noboru Wataya.

stifle
息苦しくさせる なんてドSな動詞

take the place of 〜
〜の代わりをする

commit suicide
ジサツする ググったら 心の相談ダイヤルがでてきました

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久美子の幼少期は息苦しかった。なぜなら、彼女の両親は彼女の姉の代わりを求めていた。姉は若くして自殺し、綿谷昇に強迫観念植えた。
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久美子の説明は以上となります。

日本版wikiも見ておきましょう。

クミコ(岡田久美子、おかだ くみこ)
「僕」の妻。旧姓は綿谷。編集者として働き、副業でイラストを描いている。元運輸省キャリアを父に、高級官僚の娘を母に持つ。
9歳年上の兄(ノボル)、5歳年上の姉(食中毒で死亡)との3人兄妹の末っ子。東京生まれだが、3歳から6歳まで、新潟の祖母に預けられて育った。
死んだ姉以外の家族には心を閉ざし続けていたが、「僕」に対しては心を開くようになり、やがて結婚に至る。

あれ?姉はジサツしたんじゃないの?と思いますが、たしか話の流れ的に、最初は食中毒で死んだことになってたんでしたっけ?

記憶が曖昧。。。

でも日本版と決定的に食い違ってますね。

失踪の件にもまったく触れていませんし、、、

なるほど、少しずつ日本版wikiと英語版wikiの特徴というかそもそもの方向性の違いも見えてきましたね。

ここで勝手に考察のコーナーにいってみようと思う。

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ねじまき鳥クロニクルの日本版wikiはなぜこんなに薄い内容なのか?

日本版wikiの内容が薄いのは、ネタバレ情報を載せないように配慮しているからなのかもしれない。
なぜなら日本人はネタバレを極端に嫌うからである。
その理由は物語の面白さはオチにこそあり、オチがないものは物語としての価値をもたないと思っているからなのかもしれない。
その源泉をたどれば落語等の文化に根付いているのかもしれない。

ネタバレを嫌うあまり、日本版wikiには物語の表面上の部分までしか記載できず、身長や体重など物語の本筋と関係のないものを載せざるを得なくなり、結果として内容の薄いwikiになっているのかもしれない。

よく村上春樹の小説には爽快なオチみたいなものがないと言われる。
本人も明快なオチをつけることに消極的であったはず(出典不明)
人生にオチがないように、物語にだって必ずしもオチがある必要がないというスタンスなのかもしれない。


以上考察終わり。

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ということで、前回のトオル編に続いて、日本と英語圏の考え方の違いを見ていく文化学的内容になってしまいましたが、これはこれでおもしろいですよね?

ということで今日の復習になります!

Kumiko Okada: Kumiko is Toru's wife and, as the breadwinner of the couple, is the more autonomous of the two. She works in the publishing business. Following the disappearance of their cat, she disappears as well. Kumiko's childhood was stifling because her parents wanted her to take the place of an older sister who had committed suicide at a very young age, an event that became an obsession of their older brother, Noboru Wataya.

それではまた!

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