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後悔しても元には戻れない

私は寝たきりの母と暮らしている

母が寝たきりになったきっかけは
誤嚥性肺炎での入院だ

そのことを振り返ると後悔だらけ

入院する5日前には元気に食事をして
おしゃべりもして笑顔で写真も撮った

入院の4日前から2泊3日でショートステイに行かせた

休日だったので私が車で送った

自宅にいることを好んだ母を
ショートステイに行かせるのが申し訳ない私は
当日の朝までショートステイに行くことを告げずにいた

当日になって「今日はショートステイに行く日だよ」
というと母の顔が曇った
「行きたくない」という母を宥めて車に乗せた

道すがら「お天気いいから少し遠回りして行こうか」と、
母の気を紛らわせながら車を走らせた

ショートステイ先の施設に送り届けて家路に向かった

母をショートステイに行かせる理由は
私自身がゆっくり休むため

日頃、食事やトイレの世話、
夜中にも2回はトイレに連れて行くために熟睡できない

また、自分でトイレに行こうとして転ぶこともあり、
転んだら自分で起き上がることができないため、寝ていても、外出先でも気が気じゃないのだ

施設で見てくれる人がいれば安心できるので、
毎週2泊3日のショートステイを利用していた

しかし、今回のショートステイから戻った時、
滞在中ほとんど何も食べられなかったとの報告を受けた

それで体力が落ちたのだろう

翌日は水を飲むこともできない

薬と一緒に無理に流し込み、食事をさせようとしたが、
全部吐き出す始末

ほとんど何も食べられないままの母を残して、
私は外出した

夕方ヘルパーさんが来てくれるので、
その間外出したのだ

途中、ヘルパーさんから高熱が出ているとの連絡を受け、
急いで自宅に戻った

38度を超えているため、
救急車を呼んだ方がいいと促され、救急車を呼んだ

持病でかかっていた病院が受け入れ可能だったので、
そこへ搬送してもらった

コロナ禍で、病院の中に入ることはできず、
母だけが連れて行かれた

しばらくして検査結果の説明があった

誤嚥性肺炎

肺に影があるので誤嚥したものかもしれないし、
もしかしたら腫瘍かもしれないとのこと

投薬治療で経過を見るとの説明を受け、
入院手続きをした

その後、母が病棟へ移動するときに
一度顔を見ることができたが、
母のとても不安そうな表情、
諦めのような顔が目に焼きついた

悲しかった

とても心苦しかった

昼間もきっときつかったのだろう

ずっと座っているのも、トイレに立つのも、
ふらふらなのに、気づいてあげられなかった

ママごめんなさい

とにかく病院へ行けば安心できる、
何らかの処置が済んだら連れて帰れる、
そう簡単に考えていた

ママがどんなに辛いか感じ取ることもできなかった

病室までついて行くこともできない

一人にすることがとても心配だった

ここは病院なのだから安心なのに

思えば、ショートステイに行きたくないのを
行かせたことがこんな結果に繋がったのだ

後悔した

私が自分のことしか考えずに、
母を辛い目に合わせていたのだ

施設では限界がある

自宅では具合の良い時間を見計らって
食事させることができるが
施設では決まった時間、その時間に食べられなければ
片付けられる

そんなことわかっていたのに

本当にごめんなさい

あの時行かせなければ、、、

薬を無理に流し込まなければ、、、

後悔でいっぱいだった

離れているととても心配で、
ずっとそばで見守りたくてもコロナ禍で面会禁止

この入院生活で、母は寝たきりになってしまった

後悔しても元には戻れないから、

今は前を向いて、母がまた口から食べられるように、また起き上がれるようになることを願って

母と共に日々を送っている

元気になってまたお出かけしようよー、
ずっと一緒だよ!
と、毎日声をかけている

これからずっとずっと、
出来る限りのことを母にしてあげたい

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