見出し画像

スシ解像度の高まり

自分の金で回らない寿司を食べたので、今日は自分と寿司の関わりを振り返る。

自分にとって寿司を食べることが一種のエンターテイメントになったのは、ニンジャスレイヤーという小説作品に触れてからだ。

作品の世界観において、スシは半神的存在であるニンジャを支える回復アイテムであると同時に、現実世界と同様に一般市民の生活に根づいた食文化でもある。

この作品との接触により、自分にとって「ハレの日の食事」のひとつに過ぎなかったものから、「スシを食べること自体」がエンターテイメントになったのであった。

ニンジャスレイヤーでは多様なスシが活躍する一方で、物語の主体はあくまでニンジャである。寿司が物語の中心にある作品はないか…そんなときに出会ったのが「将太の寿司」である。

Kindle Unlimitedとかその他マンガサイトで結構な巻を無料で読めるが、自分は結局課金してWorld Stageまで全部読んだ。

料理バトルマンガというものをちゃんと読むのもこれが初めてになるが、いわゆる王道・テンプレを楽しみつつ寿司というものについてのベーシックな知識(どれほどの正確さかは不明)を身につけた。

次に出会った寿司マンガは「寿エンパイア」である。

こちらも将太の寿司に負けず劣らずヤバい人間が出てくる上に、必殺技的なものもあるのでより寿司バトル感がある。
しかし、それらのインパクトになお勝るのは作者の綿密な取材とダイナミックな人物・寿司描写によるスシ解像度の高さだと思う。
このマンガに背中を押され、ひとりで回らない寿司屋に行ってきた。

大将に次々にぎられていくお寿司たち

高級でも何でもない、地元のモデストな寿司屋だ。
オーダーはその店の定番のセットとした。

カウンターで日本酒とお通しをちまちまやりながら寿司が握られるのを待つ。
ポンっという小気味のよい音(おそらくは握りの音だがこれまで読んだマンガにそんな描写はなかった)と共に大将が次々と寿司を並べていく。
セットが揃う前に食っていいものか分からなかったが、写真を撮りたいので全部揃ってからにした。
少なくとも寿司が乾く前にいただいた方がよいだろう。

手掴みでいただく。
旨い。そしてワサビがめちゃくちゃ効いている。
俺は静かに涙を流し、存分に寿司を楽しんだ。

また寿司屋のカウンターで会いましょう。

インスピレーションを刺激する酒代になります