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04. 訪問-2 Hデザインがやってくる

こんにちは。私はP、妻です。

この数週間というのはとても大変でした。ずっと部屋中を整理し、不要なものをできるだけ処分し、収納の中、引き出しの中、クローゼットの中を整えて回りました。それも今日という日のためです。まだまだですけど、何もしなかったよりはだいぶマシになったと思います。

今日は朝から緊張しています。Hデザインの二人がさっき到着し、今は1階にある管理室で竣工図というものを確認しているらしいです。

このマンションに住み始めてもうすぐ22年になります。二人目の子供ができたときに探して移り住んだ家です。本当にあっという間でした。ここ数年はだいぶ時間もできて自分のことを色々考えるようになりました。子供たちが独り立ちして夫婦だけの生活が始まったことで、暮らしは変わりましたし、今後はもっと変わると思います。そんな話題を夫婦で度々話し合いました。

二人ともこの住まいのある街やこの家から見える風景が気に入っています。ただ、20年暮らした家は、気づけば明らかにくたびれた印象は拭えませんし、浴室やキッチンなどの設備はいつ壊れてもおかしく無いでしょう。

長い間4人暮らしだったから、子供たちがいなくなった今は、抜け殻のような場所がたくさんあるように感じますが、それまでは3部屋あって収納もたくさんあって十分良い家だと思って生活してきました。

私たち夫婦の暮らしはまだまだ続きます。住み慣れたこの街、この住まいで新しい局面に入った人生のこれからを快適に健やかに楽しく過ごしていきたいと思っています。

私は子供から手が離れた後のライフスタイルの変化について、毎日のようにインターネットで色々と調べました。様々な体験談などを見るとリフォームやリノベーションをしている人がたくさんいます。私も以前から漠然と興味だけはありましたが、今が検討する時なのだとわかりました。

その後はリフォームの事例などをとにかくたくさん見ました。その中で何度か目にとまる事例があり、検索してたどり着いたその会社のホームページで私の好きな雰囲気の住まいの事例を複数見つけました。それがHデザインでした。

Hデザインのホームページに掲載されている住まいの事例写真は、そこに住んでいる方々の暮らしの様子が伝わってきます。なんて素敵なんだろうと思いました。シンプルなデザインの室内の中で使用されている家具、照明器具、床の敷物や飾ってあるものまで、どれもこれも素敵なものばかりです。自分が今暮らしている住まいの状況を考えるととてもあの様にになれるとは思えません。この20年の間に、いつの間にかたくさんの物に囲まれてしまっていました。

私たち夫婦はリノベーションというものについて何も知りませんでした。夫は私がいくら説明しても最初はあまり興味がなさそうでした。色々な会社の事例を見せると好きとか嫌いとかは言うけれど、あまりピンときていなさそうな感じでしたが、Hデザインの事例を見た時は少し反応が良かったと思います。

Hデザインが無料の相談会というのを行っているらしいのですが、いきなり申し込む勇気はありませんでした。ときどき完成見学会というイベントを開催していることがわかり、まずはそこに参加してみることにしました。

完成見学会はとても新鮮な体験でした。ある特定の家族のために作られた住まいを見ることが初めてで、何というかそれはとてもユニークな家だと感じました。一度も体験したことのない感覚です。そこで初めてHデザインの二人に会いました。

Hです。自由に見ていただいて大丈夫です。なんでも聞いてください。」

Hさんはそう言うと、すっと私たちから離れて他の見学者の様子を見守るような感じで、室内を移動していきました。その後も私たちは放置されたので、本当に自由に色々と見て回りました。

その後も何度か完成見学会に参加し、少しずつだけど色々と質問をし説明を受けました。Hさんは見学会ではいつも忙しそうで、話が途中になったりするたびに申し訳なさそうにしていました。参加するたびにどれもユニークで良い住まいだなぁと感じていました。夫もだんだんと様々なことに納得し今後の自分の暮らしの可能性に期待と興味を持てるようになってきたようです。必要になる資金についても具体的に検討して目処がつくことを確認してくれました。

そして先日、Hさんの住まいでの相談会に行って、暮らし方を見せてもらいながらじっくり話をしました。ホームページやYoutubeで何度も見て知っているHさんの家の実際の様子は、10年以上前にリノベーションして実際に生活しているなんて信じられないと思いました。開放的ですっきり整っていて暮らしやすそうです。改めて様々なお話をして正式に依頼することを決め、本日に至ります。

家族以外の人に、それも専門家に、改めて自分の家を見られる、調査されるなんてなんとも言えない気持ちです。Hさんは、「暮らしの様子を見たいからあまり頑張って片付けたり掃除してはダメですよ」なんて言っていましたが、そんなことできるわけないですよね。

正直なところ私は掃除はそれなりにするけど片付けや整理はあまり得意ではなくて、こんな付け焼き刃のような整理整頓でどうにかなったとは思っていません。それに夫も私も洋服、本、旅の中で買ったものなど、他のご家族に比べてもしかするとちょっとたくさん持っている方なのかもしれません。

この家の不満なんて本当はたくさんあります。洗面は空気がこもるし、狭いしとにかくあまり長居したくないです。玄関は広いけど暗いし飾り気がないです。全体的に風通しが悪いです。クローゼットがあちこちにあるのも大変です。なんと言ってもキッチンが狭い、暑い。配膳が面倒です。和室はどう使ったら正解なのか20年経ってもわかりませんでした。細かいことを言い出せばキリがないくらいですけど、それでも人間て慣れてしまうものなんですよね。

ピンポーン

インターホンが再び鳴りました。いよいよHデザインの二人がやってきます。玄関ドアを開け、改めて挨拶をしてHデザインの二人を迎えます。何度も会って話しているので顔を見ると少し緊張がほぐれました。二人はすぐになにやら準備を始めます。

さあ、ここから始まります。もう腹を括ってありのまま全て見てもらいましょうか。

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こんにちは。

Pさんはちょっとソワソワして整理整頓を頑張ってくれたみたいです。少し物が多いことを心配していました。スタート時点ではみんなそんな感じかもしれませんね。長い時間に積み上がった物との付き合いは一朝一夕にはいきません。一歩一歩進むしか無いのです。

次回は室内の調査をしていきます。

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