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補足A:電子通信の利用に関するアドバイス 養育計画の作成~別離後の子育ての取決めガイド~

カナダ司法省のウエブサイトに掲載されている
Making Plans
A guide to parenting arrangements after separation or divorce
How to put your children first
という冊子の「補足A」を翻訳・紹介します。

 電子メールやテキストメッセージなどの電子通信は、情報を交換したり、子どもに影響を与える問題について話し合ったりするのに、便利で実用的な方法です。しかし、主張を明確にしておかないと、誤解を招く可能性もあります。
私たちは対面でコミュニケーションをとるとき、非言語的な合図(笑顔、しかめっ面、涙、声のトーン)を使って自分の気持ちを伝えることがよくあります。電子メールやテキストメッセージでは、そのような非言語的・身体的合図が失われてしまいます。その点は、私たちの感情が強すぎる場合に役立つかもしれませんが、相手が別の意味でメッセージを理解してしまう恐れもあります。

 覚えておいてください
 テキストメッセージは、送信後にキャンセルしたり、相手の携帯電話から消去したりすることはできません。衝動的なメールは避け、送信する前に時間をかけてメッセージを読むようにしましょう。

 子どもに関する問題を話し合う際に、電子通信をどのように使用するかを事前に決めておくとよいでしょう。例えば、メールは、子どもを迎えに行ったときの確認や、緊急時にのみ使用するなどの制限を設けることができます。
 また、1日に送信できるメールの頻度やメッセージの数に制限を設けることもできます。
 ここでは、幾つかのヒントを紹介します。
   ・メッセージは短く、要点だけを伝える。議論したいことが複数ある場合は、相手が要点を把握しやすいように、それぞれの問題に番号を振ってみましょう。
   ・電子メールには明確な件名を使用する。このようにすると、様々な問題に関するメッセージをトレースするのに役立ちます。
   ・大文字は使わないでください。大文字はあなたが大声で叫んでいることを意味します!
   ・メッセージには礼儀正しくしましょう。「お願いします」、「ありがとうございます」、そして親しみのある口調で伝えると、とても効果的です。
   ・子育ての問題に関するメッセージは、金銭的な問題に関するメッセージとは別にしてください。 両者は別の問題であり、別々に対処すべきです。
   ・メッセージを書かなければならないとき、または動揺させるようなメッセージに返信しなければならないときに、感情的になっている場合は、一旦その場を離れて、考える時間を持ちましょう。受け取ったメッセージを読み直し、情報を見誤っていないかを確認してください。心が澄んでいるときに、メッセージを書きましょう。
   ・事実だけを伝えるようにしてください。相手を批判することは避けましょう。
   ・相手からのメールやテキストを無視しないこと。返事が必要な場合は、迅速かつ簡潔に返答しましょう。相手が単に情報を提供してくれただけで、厳密には返答が必要でない場合でも、相手のメッセージに感謝を示すことは何はともあれ良いエチケットです。
   ・メッセージの宛先は相手の親だけにしてください。新しい配偶者、他の家族、友人などは、メッセージのやり取りに含めるべきではありません。例えば、相手が子どもとの行動計画を知らせるメッセージを送ってきた場合は、「知らせてくれてありがとう」のように、相手の親だけに直接返信するようにしましょう。

 覚えておいてください
 電子メールやテキストメッセージは、コミュニケーションの記録となります。将来、裁判官が読む可能性もあるので、第三者が読むことを想定してメッセージを書きましょう。

お問い合わせ
 カナダ司法省の家族法のウェブサイトでは、子育ての取決め、養育費、その他の家族法の問題についての詳細な情報を見つけることができます。また、カナダ司法省の連絡先は以下の通りです。
   家族法・青少年司法課
   カナダ司法省Department of Justice Canada
   284ウェリントンストリート
   オタワ、ON K1A 0H8
   フリーダイヤル:1-888-373-2222または1-800-267-7676(聴覚障害者用)
   首都圏:613-946-2222
   ファックス:(613) 990-8197
   電子メール: infofam@justice.gc.ca

 免責事項
 カナダ司法省の職員は、一般の方に法的なアドバイスをすることはできません。これは、職員が、法律があなたの特定の事案にどのように適用されるか、裁判所の判決を解釈する、またはあなたの事案の特定の事実に基づいてどのような手順を踏むべきかを伝えることができないことを意味します。職員は、一般的な法律上の情報を一般の人々に提供することだけできます。あなたの権利と義務についての法的アドバイスや、あなたの特定の状況に関する法的意見が必要な場合は、法的助言者に相談してください。

謝辞
 本ガイドと養育計画ツールの作成にあたり、州・準州、連邦政府パートナー、外部審査員の方々から多大なご協力をいただきましたことを感謝いたします。本ガイドと養育計画ツールの作成にあたっては、州、準州、連邦政府のパートナーが作成したプログラムの資料は勿論のこと、公的な教育文書や情報提供文書を復習しました。連邦政府は勿論のこと、州・準州政府のパートナーは、カナダ司法省が本ガイドおよび養育計画ツールを作成するために彼らの資料を使用し、翻案することを許可してくれました。

(了)

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