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トイレの表示を考える1:困りごと

まるクルは、だれもが安心して過ごせる医療機関を実装する取り組みをしています。現在は、LGBTQsフレンドリーな取り組みを医療機関で具体的に行うことを主軸にした活動を展開しています。


今日は、トイレの話です。
まるクルのメンバー内でも、よく話題になります。

トイレは、毎日の生理的な現象。
「トイレが気になるから」と外出を控える声も聞きます。
その理由は、ひとつではありません。

セクシュアリティだけでなく、下痢をしていたり、トイレの間隔が短かったり、尿もれパットやおむつを使っていたり、いろいろ気になりますよね。

みなさんは、いかがですか。

自宅以外でトイレを使うときは、ウォシュレットがないと、とか、清潔かな、とかも気になることがありますよね。

LGBTQsフレンドリーなトイレを考えるをテーマにします。

まずは何に困っているのか。
LGBT法連合会さんが2019年に発表している「性的指向および性自認を理由とする私たちが社会で直面する困難リスト(第3版)」では、場面別に困難に感じたことがリストアップされています。

【学校生活】
・他の人に身体を見られる心配や、他の人の身体が目に入る罪悪感から、学校の更衣室やトイレが使いづらかった。

【服務】
・トランスジェンダーで、自分の場合は男女に分かれた職場のトイレが使えない。職場でトイレを使いたくないため、もう何年も1日中飲まず食わずで働いている。それでもどうしてもトイレに行きたくなった場合には、職場から離れた駅のトイレを利用している。

・職場で女子トイレに入らざるを得ないが、知らない人がトイレに入ってくると、何度も見られ、警備員を呼ばれたことがあった。

・派遣元(派遣会社)に、現在生活している性別が戸籍等の性別と異なるので派遣先(実際に勤務する会社)に事情を話してトイレや更衣室の使用等について配慮を求めて欲しいと言ったが、派遣先に行ってみるとまったく伝わっていなかった。

【被災支援】
・避難所のトイレが男女分けのものしかなく、見た目の性と性自認が不一致であったため利用しにくかった。

個人的には、トイレに行かなくてよいように水分を極力摂らない、外出先でトイレに行くのを我慢をしたためか膀胱炎になった経験を聞くこともあります。

特に性自認のある方にとっては、自身の認識している性別と、周りの人から見た目(一見、どちらの性別にみえやすいのか)の狭間で困難をいだきやすすいことがわかります。

生理的な反応である排泄のたびに、周囲からの目線を気にして、トラブルが起こらないかを気にかけてトイレに行けない、という状況があることをどう考えるとよいでしょうか。

この事実を知ることで、全く無意識に行っている行動であることが、ある人にとっては、とてもハードルが高い行動であることを気づくきっかけになりました。

こうした話題になると、女装した男性がトイレに入ってきたら…どうするの?という反論が持ち出されることがあるのですが、それは別の問題として対策を考える必要があると課題だと考えています。
知識を持つとともに、そのように感じている人たちの思考過程を伺うと、盗撮や性犯罪とまぜこぜにしないで対策を検討していくことが、肝要です。

まずは、今、保障されていない、だれもが安心していけない仕組みを変えていく必要があると考えます。

さて、次回にどうすれば、今あるトイレ表示をより安心なものにできるかと検討した健診クリニックでの事例を紹介したいと思います。

その参考にもした、2018年にTOTOさんが行った「性的マイノリティのトイレ使用に関するアンケート調査」があり、性的指向や性自認ごとに、トイレ利用に関する困りごとや希望がまとめられていますので、共有しておきます。

トイレ表示の「レインボーマーク」について詳細に問う質問項目もあり、興味深いです。

こんな困難もあるよ、とか
こんなところ良かったよ、とかありましたら、
ぜひこちらでおしえてくださいね。

今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

khj

前回のLGBTQsフレンドリーな医療機関❶ひとりでやれること編


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