坂東玉三郎さんと子どもと私。
2022年7月渋谷
『お話と素踊り』にて、人間国宝、坂東玉三郎さんが、
「潤いを持つためにすることは何ですか?」と、客席から質問され、
「朝日と夕日を見ること。潤いを持つためには、それしかない」と、言い切られたそうです。
子どもが観に行って、とっても感動し、教えてくれた、玉三郎さんの言葉です。
私は、会場のLINECUBEに、子どもをイレコミに行ったその足で、ロフトやハンズで台所雑貨を物色してました。
キッチンリフォームしたので、合った物を探して。
終演後、「すごくお腹が空いた」という子どもからのLINE。
パスタを食べながら、前述の話し、
子「朝日と夕日って聞いたとき、お母さんも同じこと言ってたって思った」
母「やっぱり太陽ってなんかあるんだよ」
子「アタシ、タマサブロウと同じなんですぅ~って、自慢したら?」
母「他にはなんて言ってた?」
子「芸術や音楽に触れると、豊かになる」
母「うん、うん。そうだよね~」
子「人との繋がりで、今の私が出来たって。繋がりを大事にしたから。それは一番に言ってた」
母「それ、パパにも教えてあげて」
子どもは、ある方のご縁により、幼児のころから歌舞伎を観ていた。
歌舞伎役者の化粧した顔も大好きで、日本古来のものが好き。
これも、人との繋がりによって出来たものの、ひとつかも。
子「うん。やっぱり、たまに(外に)出てくるといいね。今日、パンフいっぱいもらってきたから、今度オーケストラ聴きたい。でも、みんな平日なの……」俯く子どもは、少し落ち込んでみせた。かわいい。
母「9月の休校日に、オーケストラのチケット取ってあるから」
子「あー、あれ、そうなんだ」
母「大谷康子……」♡
やっぱり、やっぱり、芸術も音楽も人生を味わい深くしてくれる。
お金が幾ばくがかかるけど、貧すれば鈍する。
心を動かすことをやめてまで節約しても、余計に苦しくなるばかり。
私は、心を動かすとき、自由になっているんだから。
玉三郎さんに少しでもあやかって、
出会いや芸術からの刺激を受けて、
豊かさを感じることに、手を緩めない。
子どもが可愛いことを言った。
「(名前)ね、〇〇だから、終わって出るとき、パンフレット全部落としちゃって、全部拾ったけど、後ろの人達が出れなかったの」
自嘲気味に口元をゆるめた。
慰めて欲しかったのか、わざわざ自分を低くした言い方をする。
〇〇が何だったか、忘れちゃったけど、失敗しちゃったと思ったのかな?
じつは、終演後の子どもからのLINEに、
「東急ハンズまでおいで、入口にいるから」って、待ち合わせしたけど、夜の景色に変わったせいか、近くまで来ていながら上手く会えなくて……。
子どもの機嫌が悪くなり……。
やっぱり、まだ子どもなんだって思って、
私は、荷物をいっぱい持ってたけど、
こちらから迎えに行ってあげたら良かった。
可哀想なことをしたって思った。
スマホも持ってるのに、子どもの名残りを垣間見たようで。
まだ子どもでいてほしい気持ちが、私の中にあるのか。
まさか、心の奥底で、未熟な子どもであることを確認したくての、無謀な待ち合わせ提案?
なんて思うと、プチネグレクトされて育った私の、心拍数が上がる。
私には、子を可愛がるということが、しっくりとは分からなかったりする。
だから、変な気を遣ったりする。
いや、いや、子どもをしっかりものだと過信しただけなのだよ。
もっともっと子どもを可愛がるにはどうしたらいいのだろう。
と、キーボードで入力したくて、
「かわいがる」を変換したら、
可愛がるには叩いてみる って候補が出たぞ!
恐ろしや。ぞっとした。
親になるのに、試験があるわけじゃないから、
子どもによって親にさせてもらってる。
私は、子どものファン、サポーターであり、日々のマネージャー。
とっさの時には身を挺するSP。
そう、私が欲しかった親像を演じてます。
子どもには、なぜか「母親というより、同業者」と言われてますが、
どういう意味でしょう?(笑)
家庭的ではない私が、後ろ姿を見せられるとしたら、
朝日を夕日が大好きな、
ポジティブで、
いくつになっても進化し続ける母親の姿しかないです。
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