ダンジョン学校の転校生
少子化の影響により全国の学校が統合され、超巨大な小中高一貫学校が誕生した。広さは東京ドーム1万個分。現在も増改築を繰り返すこのマンモス校を、人は「ダンジョン学校」と呼んだ。
実際、生物部や科学部の実験失敗により校内には脱走ミュータントやモンスターが徘徊しオカルト部が物理法則を書き換えたので魔法も使える。
クラスという言葉は学級を指すのではなく、ダンジョン攻略のための職種と同義になった。
生徒が目指すのはこのダンジョンからの「卒業」。各地にいる教師から単位を勝ち取らねばならない。他人から単位認定証を奪い取る者も出てきており、未だ卒業生は、いない。
「よっしゃ数学の単位ゲット!」
鈴木が数学教師にとどめを刺し、懐から認定証を取り上げた。
魔術師クラスの虎杖、聖職者クラスの高木、そして戦士クラスの鈴木と俺によるこのパーティーは今校内で最も卒業に近いと言われていた。
あの勇者クラスの転校生がやって来るまでは。
PS5積み立て資金になります