見出し画像

【インタビュー】新潟の起業家支援を通して描く未来。 スナップ新潟代表取締役・逸見覚氏に聞く

新潟のヘルスケアの第一線でご活躍されている方々に、過去の歩みや原点、そして、現在の取り組みや未来への想いを伺うインタビュー企画。

今回は、新潟県に拠点のある起業家を支援する株式会社「スナップ新潟」の代表取締役・逸見覚氏にお話を伺いました。起業に至った経緯や現在取り組まれていること、また、今後に思い描くことから “新潟の医療課題解決” のヒントを探ります。

画像1


***


ラジオパーソナリティとして第一歩を踏み出す

ーー逸見社長が現在の仕事に就かれるまでの歩みをお聞かせください。

私は、東京の大学を卒業し、新卒で新潟の「けんと放送」にラジオパーソナリティーとして入社しました。都内や横浜での就職も考えましたが、当時けんと放送で面接をしてくれた方とお話する中で、新潟で働くことに魅力を感じ入社を決意します。

大学時代は電子応用工学について学んでいましたが、メディアに憧れをもち、2年生の頃からアナウンサーアカデミーに通うようになりました。そこでは報道コースを選択し、正しいアクセントやイントネーションで「読む」ということについて本格的に学びました。

そこでの経験も活かされ、就職したけんと放送ではパーソナリティとして番組を担当。その後、取締役に就任した時は、パーソナリティとしての自分とビジネスをする自分の切り替えにすごく苦労したのを覚えています。


起業という選択肢

ーー 逸見社長が "起業する" という選択に至ったきっかけや原体験があれば教えてください。

けんと放送では、7年前からワーキング・レンタルオフィスの「Hub Station KENTO」を運営しています。新潟県がスタートアップ支援に力を入れる際、その拠点としてけんと放送が事業拡大として進めると話が早いと思いました。しかし、起業の相談にのる際、私自身に起業経験がないと、親身になって相談にのることが出来ないと思い、「株式会社スナップ新潟」を起業しました。

スナップでは、施設運営やオンラインコミュニティ「スナップサロン」の運営を通して起業家の支援をおこなっています。学生120名、社会人40名が在籍し、施設では起業に関するイベントや新潟大学伊藤准教授のサテライト講座、オンラインコミュニティでは仲間同士のコミュニケーションや気軽なメンタリングなどをおこなっています。

今後は、起業に関する不安を解消する仕組みづくりをすることで、チャレンジする人をもっと増やしていきたいと考えています。


ーー 学生が起業するメリットはどんなところにあるのでしょうか?

他の企業と同じ土俵に立てることや、覚悟をもって進めることが出来るところではないでしょうか。他の会社と交渉をする時に、イチ大学生だとなかなか対等に話を聞いてもらうことができません。そのため、学生の場合はある程度プランができたら法人化する必要がある、と私は感じています。株式会社にして「社長」という立場で話をすると、同じ土俵に立つことができるのです。

起業すると、やはり本気度は変わります。会社を設立するとなると、大きな支出がなくても税金を払わないといけません。お金を稼がないと会社を継続することができないので、学生も覚悟をもってやりくりしていくようになります。会計士と契約をしたり、他の会社にアイデアの良いところだけ抜かれていかないように弁護士と契約をしたりするなど、少しずつ学びながら成長していくのです。

身の回りに不安を語れる人がいることが重要なので、私がそのメンターとなり、日々学生起業家の支援をしています。


ーー 実際に一歩を踏み出すときに、大切になることは何でしょうか。

色々とありますが、ひとつは「手や足を動かす」ことではないかと思います。先日、学生が分からないことがあるといって、一生懸命に本を読んでいました。私は、ビジネス書とか自己啓発本を読むよりも、実際に人に聞く、現場を見ることの方がよっぽど早いし、重要だと思っています。にいがたヘルスケアアカデミーに参加し学ぶのもとてもよいと思います。まずは動くことが大切です。

また、違う領域にも興味を持ち、飛び込んでみるのも良いと思います。ヘルスケア課題解決の糸口は、必ずしもヘルスケア領域にあるとは限りません。違う視点から俯瞰してみることで、気づきが得られることがあると思います。


皆さんへのメッセージ

ーー 新潟のヘルスケアを盛り上げたいと熱い思いを持って活動している方々に向けて、メッセージをお願いします。

6月に開催された「にいがたヘルスケアアカデミー課題追求コース 成果発表会」では、審査員を務めさせていただきました。その時感じたのは、現場の課題感は非常に強いということです。しかしながら、もっと深掘りすることはできると感じました。課題はあるけど、ビジネスとして回すとなると「誰がどんなサービスを買ってくれるのか」といったところをしっかりと突き詰めて考える必要があります。

アカデミーの皆さんには、ご自身の課題に今後も向き合い、本当に実現するためにはどうしたら良いか考え続けてほしいです。これまでの学びやネットワークを活用し、本気で走り抜くことできっと良い方向へと進むと思います。これからも応援しています!

本記事では、株式会社スナップ新潟の代表取締役・逸見覚氏のこれまでの歩みや現在取り組まれている事、そして、新潟のヘルスケア課題に取り組む方へ向けた熱いメッセージをご紹介しました。次回のインタビュー記事で、またお会いしましょう!


■ プロフィール
逸見 覚氏 (株式会社スナップ新潟 代表取締役社長)
1974年佐渡市生まれ。東京理科大学卒業後、(株)けんと放送にラジオパーソナリティーとして入社、現在代表取締役社長。2019年(株)スナップ新潟を起業し、代表取締役社長。100名以上の学生が登録する起業家向けオンラインサロン「SN@Pサロン」を通し、新潟県の開業率向上と同時に新潟から世界へ羽ばたくような成長性の高い起業家育成を目指す。
にいがたヘルスケアアカデミー
受講生:新潟のヘルスケアをより良くしたい!と考えている県内外の方々
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?