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【インタビュー】 組織強化で築く新潟県の未来 -堂前洋一郎・新潟県医師会長に聞く

新潟のヘルスケアの第一線でご活躍されている方々に、過去の歩みや原点、そして、現在の取り組みや未来への想いを伺うインタビュー企画。

今回は、新潟県医師会長・堂前洋一郎氏にお話を伺いました。医師を目指したきっかけやこれまでの歩み、また、現在、新潟県医師会が力を入れている取り組み等から “新潟の医療課題解決” のヒントを探ります。

■ 堂前洋一郎(どうまえ・よういちろう)氏 /  新潟県医師会長
静岡県出身。1977年新潟大学医学部卒業後、新潟大学整形外科へ入局。新潟県内の病院で勤務後、医師8年目の時にアメリカへ留学し研究と臨床に従事。3年間の滞在を経て、帰国後は新潟大学で研究活動に従事。2013年より県立新発田病院院長、2016年より万代病院院長に就任。臨床現場で活躍する傍ら、新潟県医師会長としても数多くの職務に従事。

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まずは、現在の活動内容に先立って、これまでの医師としての歩みついて伺います。

白衣の医師に憧れて

ーー堂前先生が医師を目指されたきっかけや、学生時代に力を入れられていた事について教えてください。

私はもともと中学の頃には「船を作りたい」と思っていました。造船とか建築に興味を持っていたんです。しかし、高校生の時に母親が入院したことをきっかけに、医師に憧れをいただくようになります。医師の白衣姿がすごく輝いていて、かっこよかったんですよね。

新潟大学医学部に通うため、私は静岡から新潟に移住しました。学生時代は学業とともにクラブ活動であるラグビーに力を注ぎます。ラグビーの競技中には度重なる怪我を経験しました。大きな怪我としては、鎖骨2箇所と上腕骨を骨折します。患者として、新潟大の整形外科の先生にお世話になりました。当時の主治医の先生は、後に私の指導医となります。

ーー整形外科を選ばれたのは、大学時代の自身の怪我が一つのきっかけになったのでしょうか。

臨床研修で病室を回った時に、患者さんの表情が明るいのが印象的だったことから、実は、整形外科の他にも小児科、産婦人科といった科も選択肢として考えていました。しかし、ある出来事がきっかけで整形外科に進むことを決意することになります。

医学部6年生のちょうど卒業試験が終わった年末。当時はコンビニなどもなく年末年始は買い物に行けないことから、学生だった私は食事に困っていました。その時、当時の整形外科の准教授から電話がかかってきます。医局で新年会をやるからこないか、という誘いの内容でした。

その新年会で先生方から掛けていただいた言葉が決め手となり、整形外科医として歩んでいくことを決意しました。

 整形外科医としての歩み

ーー整形外科医として歩み出され、先生が特に力を入れられたことを教えてください。

私は股関節の骨切り術という分野に興味を持ちました。というのも、当時の私の上司がその分野の第一線で活躍されていたからです。私の上司はドイツに留学し学んでこられており、日本での開発にも従事していました。人工関節専門の病院などではあまり行われる手術ではありませんが、私はその手術に魅了され、専門的に勉強することになります。

今も、年間30件くらいはその手術を行なっています。

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現在、新潟県医師会の会長を務める堂前先生に、新潟県医師会における現在そしてこれからの活動内容について伺います。

新潟県医師会の活動

ーー現在、先生が新潟県医師会として力を入れられていることについて教えてください。

新潟県医師会として力を入れていることは大きく2つあります。

1つは、組織強化です。組織の大きさはそのまま力になるので、県医師会の会員数を増やそうと頑張っています。新潟県医師会の現在の会員数は、約3000人です。新潟県は他県と比べて勤務医が多いのが特徴で、会員の6割弱が勤務医といった状況です。また、県医師会の理事にも勤務医が多く、15名のうち大学教授2名、開業医3名をのぞいた全員が勤務医です。そのため、大学・県・医師会3者の意思疎通は非常に取りやすい状況にあります。

しかし、全体的に見るとやはり勤務医や若手の先生の数は伸び悩んでいる状況です。医師の声を反映するのは医師会なので、興味を持ってもらいたいなと思っています。

過去の施策としては、例えば、研修医の先生に医師会との関わりについての論文を募集し、コンテスト形式の大会を開催しました。また、若手研究者に対して学術助成金や研究奨励賞といったものを設けサポートをしたり、コロナ禍で困窮している新潟大学の医学部生さんに支援金1000万を送ったりしました。新潟県医師会は、新潟県で働く医師・医学生のために全力でサポートをしています。

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2つ目は、医師の偏在対策です。新潟県は医師が少ないので、いかに他の地域の医師を新潟に連れてくるかというのが課題となります。新潟大学医学部の卒表生は大体毎年100人くらいるのですが、そこからさらに100人集めてこなければならないのが現状です。他県からの流入が必要となります。

この課題に対し、これまで様々な施策を講じてきました。その中でも比較的ユニークなものとしては、「お見合い」のプロデュースがあります。実は、私も県外から新潟にきて住み続けていますが、それは妻と結婚したことが理由の一つにあります。こういった自分の原体験も踏まえ、県外出身の医学生を対象とした、新潟出身者とのマッチングを図りました。

第1回目の開催では残念ながらカップル誕生とはなりませんでしたが、今後も状況をみながらセッティングできたらいいなと考えています。


堂前会長が描く未来

ーー堂前会長が描く、今後の新潟県の医療体制について教えてください。

やはり、まずは新潟県で働く医師全員に県医師会に入ってもらうことが目標です。医師会の意見が、新潟の医師全員の意思を反映しているということが大事になるからです。

今後も新潟県民に良い医療を提供するため、医師会、県、大学がお互いに意思疎通を図りながら協力して、県医師会を運営していきたいと思っています。

メッセージ

現在みなさんが力を入れられているICT化というのは、新潟県の健康立県を推進するための一つの手段として非常に有望だと思っています。そのため、皆さんにはぜひ頑張っていただきたいです。応援しています!

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ーー 今回は、普段なかなか聞くことのできない新潟県医師会の取り組みや堂前先生の医師としての歩みについて等、たくさんお聞かせていただきました。堂前先生、励みとなるメッセージをありがとうございました!

本記事では、新潟県医師会長・堂前洋一郎氏のこれまでの歩みや現在取り組まれている事、そして、アカデミー生へ向けた熱いメッセージをお伝えしました。次回のインタビュー記事で、またお会いしましょう!

■ 堂前洋一郎(どうまえ・よういちろう)氏 /  新潟県医師会長
静岡県出身。1977年 新潟大学医学部卒業後、新潟大学整形外科へ入局。新潟県内の病院で勤務後、医師8年目の時にアメリカへ留学し研究と臨床に従事。3年間の滞在を経て、帰国後は新潟大学で研究活動に従事。2013年より県立新発田病院院長、2016年4月より万代病院院長に就任。臨床現場で活躍する傍ら、新潟県医師会長としても数多くの職務に従事。


にいがたヘルスケアアカデミー
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
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