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12月18日 プロダクト開発コース 成果発表会Vol.3 審査員 ご紹介&講評

12月18日にプロダクト開発コースの集大成である成果発表会を開催しました!本発表会では、アカデミー生が4〜5名でチームを組み、『新潟のヘルスケア課題解決のためのプロダクト』を5チームで発表しました。

見事受賞された3チームは、以下の結果となりました。

【 最優秀賞 】
テーマ:ケアマネジャーと薬局のマッチングプラットフォーム「Phaind」     
チーム名:SAiTA
【 優秀賞 】
テーマ:高血圧症患者が行きたくなるオンラインWORLDを作る 
チーム名:のみんちゅV2
【 オーディエンス賞 】
テーマ:女子中高生にFemtechを
チーム名:4smile

Vol.1、Vol.2に続く本記事では、審査員としてお越しいただいた先生方6名のご紹介と講評をお届けします。



■審査員長:浦野 正美 氏

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浦野 正美 氏 (新潟市医師会長)
長野県松本市出身。1982年新潟大学医学部卒業後、新潟大学耳鼻咽喉科学教室に入室。近隣県で臨床医として勤務後、1991年新潟大学医学部耳鼻咽喉科学教室の文部教官(助手、非常勤講師)として勤務。1994年医学博士号取得後、1995年より新潟県立中央病院耳鼻咽喉科医長、1999年済生会新潟第二病院の耳鼻咽喉科部長を経て、2002年浦野耳鼻咽喉科医院を開設。2009年より新潟市医師会の役員として従事し、2020年 会長に就任。

――プロダクト発表会の全体講評とアカデミー生に向けてのメッセージをお願いします。

新潟県は、医療資源が全国で一番乏しいと言われています。その課題解決のために、我々が提唱しているのは、多職種連携とICT化です。医療のICTは非常に遅れています。国全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)においても、特に医療が遅れているということは、このコロナ禍においても明らかになりました。医療資源の一番乏しい新潟県から医療を解決するということが、この日本の未来を開いていけるのではないかと思っています。特に ICT に弱い方々に、このような皆さまの作成したプロダクトが助けになればと思います。様々なニーズを持っている多職種の人々と、ITや起業のノウハウを持った皆さまを結びつけて、1個1個の課題を解決していくということが、地域にとって非常に大事だと思います。

新潟市においては、にいがた2km(ニキロ)、 スマートシティ協議会などを発足しましたが、単に建物を作り、インフラを整備するのではなく、そこに集う人々の暮らしを豊かにするようなソフト面、また、インフラなどのハード面を開発することが大事だと思います。市民の皆さまに説明して、納得してもらい、できれば参加してもらうことが大事で、ヘルスケアを基本とした街づくりを、我々医師会も皆さまとご一緒に、今後検討していきたいと思います。


■審査員:南雲 俊介氏

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南雲 俊介 氏(株式会社BSNアイネット 代表取締役社長)
1982年4月(株)電子計算センター(現BSNアイネット)入社。2020年6月代表取締役社長就任。新潟県ITネットワーク21代表幹事。にいがた地域情報化推進協議会理事。FCA(富士通系情報処理サービス業グループ)理事。
新潟商工会議所まちづくり委員会委員。にいがた産業創造機構 評議員。 新潟市異業種交流研究会協同組合 理事。

――プロダクト発表会の全体講評とアカデミー生に向けてのメッセージをお願いします。

全チームの発表が大変素晴らしい内容でした。ここまで本当に知恵を絞っていただいたことに敬意を表したいと思います。「やりたいこと」って課題から出てきましたよね。「やりたいこと」と「できること」がある中で、「できること」ってもうすでに形になってきていると思います。今回皆さまに発表していただいたことは、おそらく「できそうなこと」であると思います。それを皆さまで一生懸命考え、知恵を出していただいたのではないかと思います。また、「できそうなこと」がどのようにしたら実際にできるのかを、様々な方々や企業と関わり、そのような組み合わせから、現実にできるかどうかを検討し、形にしていくステップが重要であると思います。

また、このプロジェクトでは、考え方やアイデアは、ずっと継続していくことになると思います。その中から、新潟がヘルスケアの課題解決で一歩前に出て、そして新潟から発信して全国に広めていければと思います。ぜひ実現に向けて、夢をカタチにしていくことに、弊社もできるだけ皆さまと寄り添いながら、そのアイデアを実現するために様々な連携をさせていただければと思っています。これからの未来に向け、さらに皆さまへ期待をしたいと思います。


■審査員:木野瀬 友人氏

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木野瀬 友人 氏(ハイズ株式会社)
2007年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了、2019年デジタルハリウッド大学院デジタルコンテンツ研究科修了。2005年に開発会社である株式会社エクストーンの前身となる企業を創業し、ニコニコ動画の運営母体である株式会社ニワンゴの創業を経て現職。ハイズの病院経営コンサルティングにおいては「ITに弱い病院の助けになりたい」という考えのもと病院インフラの更改を担当。現代の技術の恩恵が得られない医療現場に対して、コンピューティングの視点から業務のスマート化を推進。慶應義塾大学総合政策学部卒業後に当時2ちゃんねるの管理人の西村博之と、ドワンゴの会長の川上量生とともに株式会社ニワンゴを創業。事業アイデアの実現担当として企画からコーディングまでを行う。

――プロダクト発表会の全体講評とアカデミー生に向けてのメッセージをお願いします。

課題を探求する事とは何なのか、価値を見つけるということは何なのかを、実際に学んでみていかがでしたでしょうか。僕もスタートアップをやっていますが、すごく難しいです。前が見えなくなるくらいですが、それが普通です。そのため、これをやるのか、それともやらないかという単純な話になります。皆さまが嫌だと思うことや大変だと思うことは当然ではありますが、ぜひそこを突破して、自分の幸せのために、目標に向かっていってもらいたいなと思います。

様々な方々に叩かれたり厳しいことを言われても、言われれば言われるほど、だんだん大きな綻びが埋まっていき、世の中に役に立つプロダクトが、出来ていきます。スタートアップってそういうやり方なんですね。それをまず一通り経験していただけたっていうことが、僕にとっての満足できるポイントだと思います。そして個人的には、にいがたヘルスケアアカデミーやヘルスケアICT立県実現プロジェクトを、これからも続けていってもらいたいと思っております。そして、5年後、10年後に、このプロジェクトをやってて良かったと思えるように、皆さまに関わっていただきたいですし、起業する方はぜひ起業していただければと思います。ご参加してくださった皆さまの仕事にも活かせると思いますので、人生の肥やしにしてもらいたいと思います。


■審査員:逸見 覚 氏

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逸見 覚 氏(株式会社スナップ新潟 代表取締役社長)
1974年佐渡市生まれ。東京理科大学卒業後、(株)けんと放送にラジオパーソナリティーとして入社、現在代表取締役社長。2019年(株)スナップ新潟を起業し、代表取締役社長。100名以上の学生が登録する起業家向けオンラインサロン「SN@Pサロン」を通し、新潟県の開業率向上と同時に新潟から世界へ羽ばたくような成長性の高い起業家育成を目指す。

――プロダクト発表会の全体講評とアカデミー生に向けてのメッセージをお願いします。

受賞してゴールみたいになる人が多く、これがゴールみたいになってしまう方がいるんですけれども、ここはあくまで通過点です。本日感じたことやフィードバックをいただいた内容、また本来成し遂げたいことをどのように活かしていくのか、ここが重要だと思っています。継続しないとビジネスになりません。ビジネスにならないと継続もできなくて、結局何の解決にもなりません。持っていきたいレベルまで、繰り返し継続するということがすごく大切だと思います。皆さまが発表してくださった課題と解決策について、本日の発表に対して順位をつけましたが、改善によってどのチームのプロダクトがビジネス化していくか、と言うのは分かりません。

他の審査員の方もおっしゃっていましたが、やはり数字が大事であると思います。この数字が合ってこないと事業が継続できません。継続できないと課題なんて解決できない、というところがあると思います。ぜひ、審査員の方々からいただいた本日のフィードバックを参考に、スピード感を持って改善していただき、進めていっていただければと思います。


■審査員:奥田 修二郎氏

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奥田 修二郎 氏(新潟大学医学部AIセンター・教授)
1976年生まれ、大阪府出身。立命館大学を卒業後、京都大学大学院にてバイオインフォマティクスの研究に従事。2007年博士号取得。2008年立命館大学に新設された生命科学部生命情報学科にて助教として教育研究に携わり、2013年に新潟大学大学院医歯学総合研究科に准教授として異動。腸内細菌叢やがんゲノムの研究で多くの成果を発表してきた。2021年4月より新潟大学医学部メディカルAIセンターの教授として医療用人工知能の開発にも研究の幅を広げる。

――プロダクト発表会の全体講評とアカデミー生に向けてのメッセージをお願いします。

前々回と同様に今回も非常に楽しく、皆さまの発表を聞きました。それぞれのチームですごく良い点、また改善すべき点もあるとは思いますが、医療の問題を解決する時に、関連している様々なデータをひとつに集約出来ていないことが、大きな問題になっているということを、皆さまの発表を聞いて感じました。医療データは、様々な法律などの問題があり、簡単にシェアできず、やり取りがしにくいため、そのようなところにアプローチをして、それぞれの課題を解決したい、という発表が多い印象を受けました。実はこのような大きな医療データを、どのようにシェアするのかというのは、個々の問題解決のためにも大事なのですが、国や行政というレベルで、アプローチすべき課題でもあるというのを強く感じました。

新潟県としても、そのようなデジタルデータとして医療情報を活用していく部分を、データプラットフォームのような形で作れると、それを活用して一歩先のアプリ、サービスを作るという新しいビジネスを考えることもできるのではないかと思いました。産官学連携みたいなのも含め、個々の問題を解決するために、様々なアプローチをすべきであるということを、今回で学ばせてもらったと思います。今後、出てくるかもしれない様々なプロダクトを楽しみにしていますので、頑張っていただければと思います。


■審査員:久保 健一郎氏


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久保 健一郎 氏(Envista Holdings, Country Manager for Singapore, Malaysia, Philippines and Brunei)
新卒にてボストンコンサルティンググループへ入社。グラクソ・スミスクラインにてマーケティング、ボストン・サイエンティフィックのMBA向け経営幹部育成幹部プログラムの初日本人として入社後、Danaher corporation(現Envista Holdings)にてシンガポール等複数ヶ国のGeneral Managerとして勤務。仕事の傍ら日本のヘルスケア関連の技術の海外展開に貢献する事がパッション。東北大学歯学部、IMD MBA、歯科医師免許(日本)、NUS Computer science graduate certificate趣味は料理、テニス、ランニング、水泳、スキューバダイビング


――プロダクト発表会の全体講評とアカデミー生に向けてのメッセージをお願いします。

一つ目は、数字にこだわっていただけたら嬉しいと思いました。この数字と言うのはビジネスをやっていないと、あまり実感がないかもしれません。例えば、様々な方々からいただいた喜びの声や、その価値が売り上げとして現れたりします。厳密に精査して、これは本当に正しいのだろうか、この数字が自分のコミットメントにあたり、自分のビジネスに関する姿勢を示しているような感覚で、数字に対するこだわりを持ってほしいなと思いました。数字の背景には人が存在していて、その人の幸せなどがあるというところを、もう少し理解していただけたらいいのかなと思しました。

二つ目は、問題って世の中に沢山あるため、今回も様々なステークホルダーが存在し、全員が満足して儲かって上手くいく仕組みって、すごく難しいと思います。しかし、皆さまの新潟県の医療課題に熱い想いを持った方々が、継続してコミットし続けることで、世の中というのが少しずつ良くなっていくのではないかなと思います。今回のにいがたヘルスケアアカデミーで得た学びを様々な場所で活かし、今回見つけた課題をもっと現実的に考えて、進めていっていただければ良いなと思いました。未来は皆さんが変えられると思っています。



――審査員の皆様、ありがとうございました!

審査員の先生方から貴重なフィードバックをもらい、アカデミー生の方々はこの9ヵ月を通して今後の新潟県の医療課題解決について、様々な視点で考える事が出来たのではないでしょうか。にいがたヘルスケアアカデミーに関わってくださった全ての皆さま、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。これからも新潟のヘルスケア課題解決に向けて取り組んでいきましょう!

にいがたヘルスケアアカデミー
受講生:新潟のヘルスケアをより良くしたい!と考えている県内外の方々
主催:ヘルスケアICT立県実現プロジェクト
運営:株式会社BSNアイネット・ハイズ株式会社
後援:新潟県
Twitter:アカデミーの活動や関連情報、新潟のヘルスケア情報や潜在的な課題などを発信しています。






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