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石鹼玉(しゃぼんだま)について


こんにちは。ictmと申します。

幼い頃に家族の中で誰が一番春の季語である石鹼玉を
大きくできるかということを
競って遊んだという思い出があります。

今回は、角川学芸出版編『俳句歳時記第五版春』
角川学芸出版、2018年
87頁以下88頁に載っている
「石鹼玉」という季語について紹介いたします。

「石鹸水をストローなどの端につけて吹く遊び。
江戸時代には無患子の実を煎じた液を用いた。
子どもの遊びで、のどかな春らしい景物の一つである。」

次に「石鹼玉」という季語が
使われている俳句を紹介いたします。

「流れつつ色を変へけり石鹼玉」

松本たかしが作った句です。

この句について私の推測を書く前に今回は
俳句には大きな二つの型があることを紹介いたします。

それは、取り合わせ(配合)と一物仕立てです。
取り合わせは、一句の中で二つの事物(主に、季語と別のものやこと)を

組み合わせて互いの真価を引き出しあう型の事をいいます。
私が取り上げた句には、一物仕立てという型が使われています。
一物仕立てという型は取り上げた季語のみを深く描写するものです。

続いて句について私の推測を書きます。

句の中に色を変えけりという表現があったことから、調べたところ
注1石鹼玉を見る場所によって見える色に違いが起こるのは、
膜の厚さが見る場所によって違うからだということが分かりました。
石鹼玉の複雑な現象を七音で説明しきって
映像にして描いているところに作者の技術力を感じます。

最後に私が、「石鹼玉」という季語を
使って作った句を紹介いたします。

「公園の木の根に触れし石鹼玉」

この句は、幼い頃石鹼玉で遊んだ際に
大きな木の根に石鹸玉が触れて、割れてしまうかと思ったら
割れなかったという出来事を俳句にしたものです。

ひやひやするような出来事でも俳句にすると
ポジティブにとらえられることもあるので試していきたいです。

注1