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アルベルトーキョー、全員で旅をしろ。 ~外切りプレス編~

アルベルはキャンプの実践形式の練習中に、相手のビルドアップに対して、インサイドハーフに入っていた三田がボールホルダーにプレスをかけようとした瞬間、こんな声を飛ばした。
「WGが行け!WGが外を切りながら行け!」
インサイドハーフに入った三田では無く、ウイングの選手が自分の背中を消しながらプレスに出ろ。という指示だ。

前体制では中央を締めることを最優先にして、中央からスライドして1人ずつ押し出していくような守備をしていたのに対し、
中央に選手を残し、サイドの選手がプレスに出るようにして守るという正反対のやり方だ。

川崎戦で見られた"内締め"と"外切り"

アルベルトーキョーの初陣、川崎戦の前半に見られた2つのシーンがあった。
その2つのシーンは上手くいっていたとは言えない時間帯に立て続けに見られた。

一つ目、10:07〜

レアンドロ・ディエゴを中央気味に配置し、松木玖生・永井をサイドに配置した4-4-2気味の形で守っていた東京。
なるべく高い位置でボールを奪いたい
というアルベルのやり方を考えれば、この場合は松木・永井で外を切り、安部・青木が中央でマンツーマンの形を作りたい。

10:07〜のシーンでは永井が外を切ることが出来ず、山根にパスを通されてしまいオープンになった山根からスルーパスを蹴られてしまった。

DAZNで映っていた場所のみを切り取りました

高い位置で奪いたいのなら、相手に簡単に前進を許すことはしたくない。
CB→SB、SB→縦パス
これをさせてしまうと簡単に前進を許してしまう。
それをさせないためにはWGが外を切って外回りをさせないディフェンスをチーム全体でしなければいけない。
WGが外を切れているのなら、中盤の選手はマンツーマンで人を捕まえる。WGが外を切ってプレスに行っても、中盤が捕まえきれていないとボールを奪うことは出来ない。

2つ目のシーン 11:26〜

続いて2つ目のシーン。これは外切りがある程度上手くいったと言えるシーンだった。

画質が悪いのと脇坂がボーッとしてるのは見なかったことにしてください()

このシーンでは、まず最初に松木が登里に対して縦に前進させない守備をしたところからスタートする。松木に縦の選択肢を消された登里からチャナティップにパスが出る。この瞬間、前体制では松木にはすぐに中央に戻ってスペースを埋めることが要求されただろう。この場面、松木はサイドに留まり登里へのパスコースを作らせない判断をした。その他の選択肢でも、ある程度マンツーマンになっていたため、チャナティップはやり直しを選択した。
そして、車屋に入った瞬間、先ほど取り上げた1つ目のシーンとよく似た状況が生まれる。
ここで永井が外を切れずに幅を取っていた山根にボールを通されると大きなピンチになってしまう。
しかし、永井はここで外を切りながら(山根へのパスコースを消しながら)プレッシャーをかける。
谷口に車屋へのリターンを選択させた。車屋にボールが入った時点で中盤から後ろでマンツーマンを作ることが出来ていたため、最終的に車屋に対してロングボールを蹴らせるという選択を取らせることに成功した。
ロングボールを蹴られるとなると、今季の東京は強い。空中戦に自信を持つ木本恭生・エンリケ トレヴィザンのコンビが待っている。
ロングボールを蹴らせてしまえば五分以上の戦いが期待出来て、繋ぎに来るのならマンツーマンでの球際勝負に持ち込める。青木・安部・松木あたりは球際には自信を持っているだろうから、ここでも五分かそれ以上の戦いが期待出来るだろう。

全員で旅をしろ

口酸っぱく「内側を締めろ!スペースを埋めろ!」と言われていたため、前体制の癖が残ってしまっている選手が多いのは仕方が無いが、アルベルの思い描く絵を体現するのに不可欠な要素の一つが外切りプレスだと思う。
WGが外を切らなければ成立しない守り方であると同時に、中盤から後ろがついて来なければ成立しない守り方でもある。全員でやることが大切だ。
Visca Tokyo!!!

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