これぞICT教育
子どもたちは確かに変わってきている。
chromeを使った学習がどんどん広がり、学びもドリルソフトを中心とした個別学習の実現やスライドやパワポを使った調べ学習のまとめや発表、友だちの学習に対して気軽にコメントを寄せて学び合いを行う。そんな学習が日常になってきた。
従来の学習なら、模造紙にまとめたことを書いていくのだが、苦手な子はちょこっと隅っこに自分の学習をのせたり、発表も自分の考えなのかそうなのかよくわからないこともあったけど、今は、すべて自分が学んだことをまとめ、それを自分の声で発表している。本当はやればできたはずなのに、模造紙というツールでは表現できなかった子どもたちが、スライドやパワポというツールを得たことで、学びが変わった。まさにこれこそが、ICT教育を取り入れた教育の目的ではなかっただろうか。
いつまでも友だちでいられる
そしてICTにかできない学び、それはzoomやmeetを利用した学習であろう。
先日南の風小中学校で、事情があって特別支援学校に転校していった友だちとの交流学習がmeetで行われた。
meetはコロナ対策で多くの学校が実践しただろうから、子どもたちも慣れている。本校でも、全然違和感なく会話が行われ、聞こえなかったら大きな声で言ってとか、もっと近づいて顔見せてよとか、本当に日常のツールとして利用が始められているなと感じた。
ひと昔前だったら、転校していった友だちと会話するなんてことはまずなかった。ちょっと思い出話をすると・・・。
自分が小学生のころ、他県に転校していった友だちがいた。仲良し5人グループでいつも遊んでいて、その友だちが転校すると言ったときには教室で大泣きした。そして、友だちの家に呼ばれてお別れ会をしたときに、一番大事にしていたものをその友だちに渡した。絶対また会おうねって言って、映画のように車の窓から手を振って友だちは県外に行ってしまった。
しばらくして、友だちから自分たちに手紙が来た。どうしても会いたくなった僕たちは、お金をためて会いに行こうとたくらんで一軒一軒回ってリヤカーに一升瓶とビール瓶を乗せて酒屋に売りに行った(昭和か!)
あの当時、一升瓶5円、ビール瓶が1円で引き取ってもらった記憶がある。4人のバス代をねん出するには、全然足りなく、放課後集まってはそのアルバイトを毎日やっていた。ところが田舎町だからあっと今にその動きは学校に入って、当然のごとくお叱りを受けた。今思えば、すごくいい話だと思うが、小学生だけでバスに乗って県外に行くというのはやはり認めてもらえる行動ではなかった。結局、計画失敗の手紙を出して、それがなぜか最後のやり取りになってしまった。もうあれから会うこともなかった。
でも、今はmeetでつなげばいつでも顔を見ることができる。お互いの成長を確認し合うこともできるし、学び合うことだって可能だ。
本当にすごい時代になったと思う。
前にも書いたと思うが、このzoomやmeetをもっと有効利用すれば、様々な学校と社会、世界と学び合いができる。お互いの顔を知っている友人なら殺し合いはできないだろう。まさに平和教育もこれから新たな段階に入っていくんじゃないかと思う。そのためには、やっぱり先生方がその世界を知ること、そしてICT支援員はその環境を作っていくこと。それが大事だと思う。
ツールがあれば子どもたちの学びはどんどん変わっていく。教師のスキルのなさで子どもがその世界を体験できないとすればそれはやっぱり不幸だ。まだまだ扉は開かれたばかりだと思う。これからどんどん学びの道を広げるようにしていかないといけないと改めて思った。
今回はちょっと前向きな話題。全然話違うけど、台風14号やばいですね。どうか被害がないように(続く)