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脚本家とAIの物語から子どもは何を感じるか(前編)

ちょっと前に書いた「画家とAIの絵から子どもは何を感じるか」の第二弾。今度はプロの脚本家を教室に呼んで、同じプロンプトで物語を書いてもらおうということを試みました。

来てくれたのは和田清人さん。公開されたばかりの映画『夜明けのすべて』の脚本を三宅唱監督と共同で担当している人です。

これ、すごくいい映画だったんですよ。という私の感想を読みたい奇特な方はこちらを。

子どもたちに『夜明けのすべて』を見せられればよかったのですが、それはさすがに無理なので、和田さんがこれまでに担当したドラマから子どもにウケそうなものを見せておいて、その次の日に和田さんが教室を訪れるという建付けにしました。

ドラマを見た子どもたちから、あらかじめ集めてあった質問は以下のようなもの。

この質問に答えてもらう前半は、さながら和田さんと私のトークショーの趣。「ロケ先に行って、地元のおじさんと話したりしているといい話が思い浮かんできたりするんですよね」というような話に子どもたちは興味津々で聞き入っていました。

「原作がある場合、どれくらい原作通りにするのですか?」という何やら時事ネタに近い問いには「例えば、主人公のキャラクターを際立たせるために原作にない登場人物を作ったりすることもあるのですが、でも『ここだけは絶対、変えちゃいけない』という部分はあるんですよ。そこは原作を尊重します。」と答えてくれて、私も勉強になりました。

「なんで脚本家になったのですか?」という質問に対して「昔から自分が書いたものを読んだ人が反応してくれるのが楽しかったんですよね」と答えたところで私から補足。

「僕も今までに何百人と小学生を教えてきていて、その中で『文章が上手い』というだけなら和田さんと同じくらい書ける子もいたけれど、読んだ人の反応まで計算して書けていたのは和田さんだけだね。」

そう、実は画家の長田さんに続き、和田さんも私が大昔に担任した卒業生なのでした。ついでに書くと結婚式のスピーチもしたのでした。こうやって卒業生を使いまくるあたり、我ながらアコギだな、と思いますが、それでいい授業ができるならやっちゃいますね。

さて、いよいよプロンプト作りですが、今回は和田さんと相談しながら「プロンプトにどんな項目があると物語を書きやすいか」をあげていきました。結果、これくらいは書こうということに。

子どもたちが「ん?」という顔をしていたので、「だからね、こんな感じだよ」とプロンプトの例を書きます。

「えー!それでAIは物語、作れるの?」と言うので、実際に放り込んでみました。結果…

まだまだ続くわけですが、とにかく子どもたちは「そうなのか、このくらいのプロンプトでAIは物語を書けるのか」ということは了解してくれました。

この後、個人で、或いはグループで、和田さんとAIに渡すプロンプトを練り上げていきます。いくつも出た候補の中から選ばれたのはこのプロンプト。

「なんじゃ、こりゃ」と思いましたが、和田さんは「あー、何だかいいプロンプトにしてくれましたね。」とほくそ笑んでいます。一体どうなるのでしょうか。次の授業は1週間後です。

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