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1学期をふり返る作文をAIで

1学期最後の授業、こんなことをしてみました。

テーマは「1学期をふり返る作文を書こう」。児童からは漏れなく「エー」という声があがります。あがりますが、それを無視して手順を説明します。

「一学期一番の思い出をふり返る600字くらいの作文をWordで書こう」
「600字⁉ そんなに書くの?」
「完成したらPDFにエクスポートしてTeamsの1学期チャネルに投稿しよう」
「はいはい」
「この時間中に提出しないと…」
「しないと⁉」
「明日、配る通知表、まだ印刷していないんだよね」

教室が阿鼻叫喚に包まれたところで「でも、さすがに厳しいかな、と思うので、AI使って書いてみようか」と言うと、途端に児童から「イェーイ!」と歓声が上がります。ちなみにここで使うAIは下の授業でも使ったコニカミノルタのtomoLinksです。

歓声がおさまったところで児童に話します。
「ただ、AIってトンチンカンな作文を書いてくるかもしれないよね? ちょっとやってみようか。」

この二つだけ書いたところでリターンキーを押したら、児童から
「そりゃ無理だろう」
「これはひどいことになるぞ」
という妙な期待に満ち溢れた声が上がりました。結果、

もうここまでで「『桜がちらほら』ってなんだよ!」と笑い声が起こります。

「まあ、そんなわけでAIの作文には直したくなるところがあるわけだよね。そのときの修正方法は二つあります。」
ここで初めて児童は「二つ?」「ん?」という顔をしていましたね。

「まずは『自分で直す』、これはわかるよね。もう一つの方法は、プロンプトを変えて書き直させるというもの。ちょっとやってみ…いや、これは自分で色々試してみようか?」

児童のプロンプト修正方法は色々でした。

多かったのは文字数の調整をお願いするもの。「600字くらい」を真剣にとらえてしまったのでしょうね。そして、そのリクエストはだいたいかなえられませんでした。

箇条書きの項目を追加していって、AIにわたす情報を増やしていく児童もいました。これによって文章は徐々に改善されていきましたが、ボソッと「こんなに書くんだったらはじめから自分でWordで書いても良かったかなぁ」とつぶやく子も。

対話を何度も重ねる子もいました。
「いやいや、◯◯な人もいたんだよね」
「具体的なエピソードで◯◯というのを入れてくれる?」
「離せない、じゃなくて、話せない、だよ」
というように対話を重ねることで文章をブラッシュアップさせていくわけですね。

聞いてみたところ、ほとんどの児童は「プロンプトを変えて書き直させる」と「自分で直す」を組み合わせて文章を作ったとのこと。まあ、そうでしょうね。

この後、「どういう修正方法がより効果的だったか」を共有することができれば、より学びになったと思いますが、残念ながら時間切れ。まあ、1学期最後の授業としては十分かな、という感じでしょうか。

昨年7月に出たガイドラインでは、「レポート等に生成AIを使って作成したものをそのまま提出するのは不適切」とされていました。この使い方はどうでしょうか? 

そうそう、この日、某テレビ局の取材が入りました。もしかすると近々、この授業の一部が電波に乗るかもしれません。

さらにおまけ。「生成AI、奥が深いなぁ。考えることがたくさんあるなぁ。」と思った方、こちらの書籍を是非!


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