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書籍「ICT×インクルーシブ教育」

近日刊行

「ICT×インクルーシブ教育 誰一人取り残さない学びへの挑戦」というタイトルの本がもうすぐ出版されます。私にとっては初めての単著です。

本書の構成はこうなっています。

第1章 ICT×インクルーシブ教育の可能性
第2章 インクルーシブな授業をつくるICT活用術
第3章 ICT×インクルーシブの視点で授業を構想する
第4章 困りごとにSide by Sideで寄り添うために

それぞれどんな内容か書きたいところですが、それを全部書いちゃったら売れないですよね(笑)。ここでは、内容ではなくて、この本の出版にたどり着くまでの想いを書くことにします。

ライターズ ハイ?

実は、この本を書く頃、2冊の書籍の執筆が同時進行していました。

「Face to Faceの教育から、学びのSide by Sideへ」が2021年11月末締め切り、「ICT主任になったら読む本」が2021年12月末締め切りでした。これがけっこう苦労したんですよね。特に「ICT主任になったら読む本」の方は学期末と重なりましたから、なかなか書く時間を取れなくて、冬休みに入ってから年末大掃除もしないで必死に書いたのでした。

この2冊の原稿を仕上げて、やれやれと思いながらお屠蘇を飲んでいるうちに、ムクムクと「書きたい」という思いが募ってきました。そうなると早いんですよね。年賀状の返事を書き終わる前に1章はあらかた書き終わっていました。所謂『ライターズ ハイ』だったのかもしれません。

その後も我ながら凄い勢いで書き上げていって、締切は2022年1月末だったのですが、成人の日くらいには担当編集者に原稿を送っていました。(いつもこうだといいんだけどなぁ)と思わずにはいられません…。

喜び

中川一史先生のお力添えを得て、勤務校ICT部会の佐藤牧子さん、小池翔太さんと一緒に仕上げた「Face to Faceの教育から、学びのSide by Sideへ」を出版できたことも、小池さんが中心になって企画から進めていった「ICT主任になったら読む本」を出版できたことも嬉しかったのですが、「ICT×インクルーシブ教育 誰一人取り残さない学びへの挑戦」を出版できることには格別の喜びがあります。

まず、何が嬉しいって、このタイトルで本を出せるのが嬉しいです。最初の「ICT×インクルーシブ教育セミナー」を開催したのが2018年7月。その時から「『ICT×インクルーシブ教育』といったら小金井小だからね!」と名乗りを上げたつもりではいましたが、やはり書籍を出せると「看板」という感じがします。

また、4年にわたって積み上げてきた『ICT×インクルーシブ教育』についての考え方や実践について書籍としてまとめることができたことは、私にとってはとても大きいことです。よく「鈴木先生はICTの先生なんですよね?」とか「鈴木先生はやはり国語がご専門ですか?」というようなことを言われますが、私としては「まあICTも使いますし、国語で情報発信することが多いですが、根底にあるのは『ICT×インクルーシブ教育』なんですよね」という想いでいます。その想いを形にできたのは嬉しいですね。

そして、4年間で関わってきた子どもたちとの学びを書籍という形で残せることが嬉しいです。学びについて何かしらの困りごとを抱えた子が、ICTを使うことで生き生きと学ぶ姿をたくさん見ることができたのは、教師冥利に尽きることでした。それを一冊の本として残せるなんて! これを至福と言わずして何を至福と言えばいいのでしょうか。

再確認

書きながら思ったことは「なんだかんだでこれまでの歩みって全部、今の自分に繋がっているのだな」ということでした。終わったことはふり返らずにどんどんと先に進んでいく質(これ美点じゃなくて欠点だと思っています)なので、まとまって今までの実践をふり返ることって極めて珍しいことだったのですが、書いていると「あ、この実践って実は10年前のこれと繋がっていたんだ」というような発見がいくつもありました。

関係ないと思っていたことが、実は今の自分を作っている。終わったこととして引き出しの奥に突っ込んでいたことが、実は今の自分を支えている。本を書くことで、そんな発見をいくつもすることになりました。

それをもっとも端的に表したのが第4章で、私の古い卒業生との対談を載せました。彼は…おっと、中身については語らないのでした(笑)。

6月10日?

唯一、引っかかっているのは「僕の単著でいいのかなぁ」ということ。いや、文章は本当に全て私が書いたのですが、小金井小のICT×インクルーシブ教育の試みは、私が一人で進めてきたものではないからです。特に養護教諭の佐藤牧子さんの力は大きくて、彼女の実践について書いた節もあります。共著にした方が良かったのではないかと今もちょっと引っかかっています。(そう言ったら佐藤さんには「私、一文字も書いていませんよ」と笑われましたが。)

佐藤さん以外にも、一緒に進めてくれている仲間、お世話になった方、貴重なアドバイスをいただいた方、大勢の方の協力があって出来上がった書籍です。お礼は書き切れないので、直接、伝えていくことにしますが、そうした方々の顔を思い浮かべるだけで、自分は幸せだなぁと思わずにはいられません。

担当編集者からは「6月10日発売で進行しています」と聞いていますが、まだ確定していないみたいですね。発売日が明らかになったら、またお知らせしたいと思います。世に出た暁には、本書を手にとっていただけたら嬉しい限りです。

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