初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議②
8月8日(木)10:00-12:00に第2回が開催されました。私は午後に札幌国際大学で開かれるイベントの登壇があったので、同大学の安井先生の研究室をお借りして会議に参加しました。
この会議、傍聴もできるし、資料もすぐに共有されるし、オープンでいいですね。こうして公になった情報を元にして書く分には怒られないと思うので、忘れないうちにメモを書いておきます。
AIに関する最低限の教養
今回、株式会社GenesisAI 代表取締役社⻑/CEOの今井翔太さんのお話がありました。これは3倍くらいの時間をかけてじっくり聞きたいような内容で学びが非常に多くありました。とりあえず資料だけでも見た方がいいですよ。
【資料1-1】GenesisAI株式会社 今井翔太氏 発表資料 (PDF:3.3MB)
「生成AI時代に子供たちに対する教育はどうすべきか?」ということを話されていたのですが、なるほど、という内容でした。「ここは我々の宿題かな」と感じたのは以下の部分。
概ね賛成なのですが、では「AIに関して最低限の教養」とは何か。今井さんも質問に答えてくださいましたが、やはりここは我々もしっかり考えるべきでしょう。
当然、中学校3年生が備えるべき「AIに関する最低限の教養」と小学校1年生が備えるべき「AIに関する最低限の教養」は違います。どの段階で、どこまで、どうやって教えるか。ガイドラインに書くかどうかはともかく、考えねばならない問題であることは間違いありません。
安全・安心
今回、事業者から3件の発表がありました。それを聞きながら考えたのが「安全・安心」とは何か、ということ。
事業者が、安全なシステムを提供しようと考えるのは当然のことですし、期待されていることでもあります。しかし、それで安心できるかどうかは、使う側が判断することです。
では、安心はどのようにして得られるのでしょうか?
「このAIは安全です!安心です!」
と言われれば、それで安心を得られるのでしょうか。
いいえ、そんなことはないでしょう。
「安全を実現すべくつくりましたが、トラブルが起こる事もあり得るでしょう。例えば、こうしたトラブルにはこういう対処が可能です。ああいうトラブルにはああいう対処が可能です。」
みたいに「そりゃトラブル起こりますけどリカバリーの方途を探りましょうよ」と言われた方が安心するのではないでしょうか。
また、ガイドラインも「生成AIでトラブルが起きないように慎重に使いましょう」と書かれるよりかは「生成AIでトラブルが起きるかもしれませんが、そのときはこうやって対処することが大切ですよ」と書かれている方が、先生方は安心できるのではないでしょうか。
そもそも学校って、「失敗しないように手順や道筋が明確に示されている場」であるべきでしょうか。いや、違うでしょう。「身体的・精神的に深い傷を負うことなく安全に失敗できる場」であるべきと私は思います。
生成AIもそうです。子どもが使えば、それはもちろん様々なことが起こるでしょうが、その様々なことが起こるのが学校だし、様々なことを乗り越えるのが教育ではないでしょうか。
というようなことをツラツラと考えていると授業したくなってきちゃいますね。夏休み中だというのに。いかんいかん。
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