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会は中止になったけど

成果報告会は中止

直前の投稿でお知らせした通り、2月29日(土)の東京学芸大学附属小金井小学校 ICT×インクルーシブ教育成果報告会は中止になってしまいました。残念です。

手前味噌ですが、「年度末に成果報告会を開く」という計画は、「年度末に成果報告会を開けるだけの実績をあげた」という自信なしには立てられません。今年度、100%満足というわけではありませんが、それでも我々はICT×インクルーシブ教育の研究や実践を十分に行ったという自負がありますし、少なくともそれを世に問うて議論の材料とするだけのものはある、と考えていました。

公開授業も計画していましたし、講演や実践報告、パネルディスカッション等、一日参加していただければ「ICTを活用してインクルーシブ教育を実現するとはどういうことか」について会場の皆さんと考える得難い一日になるようプログラムを組んでいました。それらの目論見、ここまでの準備、全て吹っ飛んでしまいました。仕方のないこととは言え、返す返すも残念です。

憂鬱な時間

中止を決めた我々がまず行ったことは、各方面への告知です。公式の案内サイトからイベント情報を落としてお詫びの文を掲載する、申込みフォームを止める、参加申込をいただいていた方々にメールを送る、予告記事を掲載していただいた各媒体に連絡して記事を修正していただく、講師の先生方にお詫びのメールを送る、アルバイトを予定していた学生にキャンセルのメールを送る、公開授業を予定していたクラスの保護者向けにお手紙を作成して児童に配る、Facebookやnoteに中止のお知らせを投稿する等々。

昨日の夕方に中止が決定してから、我々はそんなことばかり行っていました。

正直、それらは気の滅入る仕事でした。どれだけ頑張って仕事を進めたところで、イベントができるわけではありません。何か成果があがるわけでもなければ、実績ができるわけでもない。それでもやらなければならないことだから、あまり深く考え込まないようにして機械的にこなす。そんな風にしていました。

それでも心の中は残念な気持ちと、期待してくださっていた方々に申し訳ない気持ちでいっぱいなわけです。あまりマイナス思考になる人間ではないのですが、今回はさすがに落ち込みました。出るのはため息ばかり。「やれやれ」と口にする元気もありませんでした。

反応

ところが。我々が中止の連絡を各方面にしたら、色々な方からメッセージが返ってきました。

楽しみにしていたので非常に残念ですが、正しい判断であると思います。
英断です。辛かったと思いますが、よく決心されましたね。
次回はぜひ参加させていただきたいと思います!
御校の取り組みには今後も注視していきたいと考えています。

そうしたメッセージの一つ一つが、心の向きを少しずつ変えていってくれるのを感じました。会場となる日本マイクロソフトの方からは、

別の形の開催で何かお力になれそうなことがあれば、できる限りにはなりますが何なりと検討させていただきます。

というメッセージも。そう、確かにイベントはできなくなったけれど、これまでの取り組みがすべて無駄になったわけではないし、何もイベントでなくても成果報告はできるし、期待に応えることもできるはず。心の中でいっぱいに広がっていた残念な気持ちは、いつの間にか前向きなものに変わっていました。

大切なことを再確認

今回の成果報告会中止は、大切なことを我々に教えてくれました。そう、我々は、とても多くの方々に支えられているのです。考えてみれば、今年度の取り組みのほとんど全てが我々だけでは成し得ないことでした。指導してくださる先生方、技術サポートをしてくださる企業の方々、我々の企画を採択してくださった文科省や財団、活動に理解を示してくださる保護者の方々、取り組みを記事にしてくださるメディアの方々...。

わかってはいたつもりでしたが、そもそも「成果報告会」は、単に「我々があげた成果を報告する会」ではなく、「我々は多くの方々の支援を得てこれだけの成果をあげられました」と報告する会でした。昨日、中止が決まってから今までは、どん底に沈んだと思ったら、這い上がって暖かい光に照らされるような、そんな時間でした。

我々は、なぜかくも多くの方々の協力を得られているのか。それは「ICTを活用してインクルーシブ教育を実現する」というコンセプトに多くの方が賛同してくださっているからでしょう。そこへの期待。それを忘れてはならない。イベントが中止になったくらいで立ち止まっているわけにはいかない。ふと気づいたら、そんな気持ちになっていました。

29日(土)はオンラインで!

さて、29日(土)です。まだ詳細、詰めておりませんが、オンラインでのイベント開催を考えています。内容、視聴方法等はもう少し待ってください。でも、皆さんとICT×インクルーシブ教育を考える得難い時間にする自信はあります。次の告知をお楽しみに!

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