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“しごと”か“じぶんごと”か

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このnoteでは、アイコミのコンサルタントが日々のお客様との関係性の中で気づいたこと・学んだことを通して組織が変わるヒントを発信していきます。
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観測史上最も早く、靖国神社で標本木ソメイヨシノの開花が観測されましたね。
桜と言えば、4月の「入学」とともにイメージされる季節感の花でしたが、もはや「卒業」を彩るものになったのかもしれません。
咲き誇る桜の様子は、それが3月でも4月でも、私たちの心を喜ばせてくれるものであることに違いはありません。でも人間の行動は「見えている行い」と「その行いをする心持ち」には、違いがあるものだなあと改めて感じたことがありました。
 
この4月から新たな体制でスタートする、経営チームの方々のキックオフミーティングにご一緒しました。永く理念経営を実践されてきたグループ会社の一社であることから、スタートにあたり、それぞれが共感するグループの理念とはどのようなものか、を聴き合うセッションから始まりました。

社長が挙げたのは「気の利く人、人に好かれる人」というもの。
「気働き」という言葉とあわせて新入社員の時から折に触れて耳にし、日常の振る舞いの中で意識され、いつか当たり前の習慣となっている。社員各自の一生の財産として身につくよう、語り継がれてきた言葉でした。
 
「最近はどうだろう。この実践度合いってどう感じる?」と社長が尋ねると、経営チームメンバーの一人が、こうこたえました。
 
「私もそれをとても大切にしています。ただ、場合によっては『気働き』が『仕事』になってしまうこともあるんです」
「例えばリーダーに、チームメンバーの最近の様子で気にかかったことを伝えて、フォローしておいた方がいいかもしれない、と言ったとしますよね。これはあくまで『指示』ではなく、ちょっと気になったという『共有』であって、それによってリーダーが自分で少し『配慮』できるように、という思いなんです」
「でも、相手にとっては私から言われた時点で『そうしなくてはいけない仕事』になっていて、指摘されたからメンバーに様子を確認する、というレベル感の行動になってしまうように感じています」
 
「価値観の共有」「理念の継承」などは、ビジョンやミッションの浸透と同様に、経営課題として挙がることの多いテーマです。 組織は生き物であり、構成する人の変化に応じて変わっていくもの。中でも、仕事やシステムとは異なり、目に見えにくい「考え方」は維持・継承が難しく、明文化したとしてもその「言わんとすること」までを含めて浸透を図るのは、なかなかハードルが高いです。
 
 悩ましい空気が一瞬流れましたが、もう一人の経営メンバーがこうおっしゃいました。
「私はウチの経営理念の意味、良さが本当にわかったのは、この数年なんです。組織をまとめる立場になってようやく、その価値が理解できました。誰にでも、わかる時が必ずくると思っています」
 
組織の価値観・理念に基づく行動が、やるべき「仕事」ではなく、したいからする「自分事」になる瞬間。そんな状況づくりをしていきたい、と経営チームの皆さんは、うなずき合っていました。
 
春。新たに仲間となる人たちが、どんな新しい「じぶんごと」を見つけていけるか、見守っていきたいですね。

このnoteの投稿者:チーフコンサルタント/立石 裕美
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