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「物言う株主祭り」の一日を終えて…

 本日(1月21日)の日本経済新聞朝刊、「経済教室」に拙稿が掲載されました。当初は、もう少し早く掲載される予定でしたが、編集の都合で数日遅れました。

 早起きして、紙面を開けてビックリ。旧村上ファンド系による東芝機械への敵対的TOB、前田建設 vs. 前田道路のMaexit(前田グループ離脱)案件、おまけに、敵対的買収者の駆け込み寺的存在である三田証券、と、これでもかという程の経営権争奪関連の記事。「物言う株主祭り」と呼ぶに相応しい、紙面内容になっていました。

 我々の共著論考の要旨は、2010年代以降のアクティビスト(第2世代:2Gアクティビスト)は、2000年代の村上ファンドやスティール(第1世代:1Gアクティビスト)と違って、公開の場での対立を避け、対話を重視する傾向が見られる、というものでした。しかし、他方で厳しい要求を公開で突きつけ、経営陣の譲歩を迫るファンドが、今でも一定数いることも、また事実です。

 今回の東芝機械へのアプローチは、一部メディアによると最初アクティビスト側から非公開の対話を試みたとされていますが、その性急ぶりからは、どちらかというと1Gアクティビストの行動パターンに近いものという印象です。(まあ、主催者が1Gの人ですから、当然と言えば当然ですが。)
今後、東芝機械側が、緊急的な買収防衛策を取締役会だけで決議するという報道も流されていますが、果して裁判所はアクティビスト側の差し止めの仮処分を認めるでしょうか。

 昨年に続き、今年も敵対的となることを厭わない経営権争奪戦が頻発しそうな、年明けとなりました。引き続き、一研究者として、興味深く動向を追いかけていこうと思います。

#COMEMO #NIKKEI

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