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鳥集徹 著「コロナ自粛の大罪」を読む

 本人が望まない延命治療で患者を苦しめる病院のがん医療に疑問を持ち、在宅緩和ケア医に転じた萬田緑平医師。コロナ禍においても、恐怖をことさらに煽るメディアをはじめとする社会の風潮に異を唱え、ブログやツイッターで「コロナは風邪」論を唱えてきた。その思想の背景には、多くの患者を看取ってきたからこそみえた、萬田医師の「死生観」が強く反映されている。

第2章 コロナ死だけを特別視するのはもうやめろ 萬田緑平(緩和ケア萬田診療所院長)

20歳未満の死亡者はゼロ

鳥集 萬田さんはツイッターやブログに、「コロナは風邪」とする考えを投稿されています。その真意からお聞かせください。

萬田 だって、未成年の死者はゼロで、高齢になるほど亡くなる人が増えている。
それを見れば、そんなに恐ろしいウイルスでないことは、誰だってわかりますよね。

鳥集 当初、中国の武漢で謎のウイルスが発生し、死ぬ人がたくさん出たとか、ダヤモンド・プリセンス号で集団感染して、日本にも感染者が出たといった報道で、多くの人が不安を感じたと思うのですが、その頃はさすがに萬田さんも恐ろしいウイルスだと思っていたのではないですか。

萬田 いや。インフルエンザだってそうですが、大勢かかれば亡くなる人がたくさん出るのは当然です。感染力や致死率が高いウイルスなら、高齢者だけでなく子どもたちもたくさん死ぬはずです。しかし、1年が過ぎても、20歳未満の死亡者はゼロです。子どもが死なないことがわかったので、怖いウイルスでないことは早いうちに判断できました。

鳥集 ただ、欧米や南米ではたくさんの人が感染して、人変なことになっています。今お話しされた「怖いウイルスではない」という判断は、日本を含むアジア諸国と欧米とでは、違うと捉えるべきでしょうか。

萬田 いや、基本的にはアジアより欧米では大勢かかっているから大勢亡くなっているというだけです。インフルエンザと同じようなもので、致死率はそんなに高くありません。大勢かかっているという、ただそれだけです。

鳥集 つまり、新型のウイルスだから免疫がなくて、大勢の人がかかっているというのが、今の現象だということですね。

萬田 そうです。ウイルスとはそういうものなのに、知らなかった人たちが騒いでいるだけです。これまでの風邪だってそうなのに、死んだ人の話ばかり聞いてるから、みんな冷静でなくなってるんですよ。
 これは僕の考えですが、たぶん新型コロナも、武漢型のウイルスに変異する前のウイルスが必ずいるんです。そもそもウイルスというのは常に変異しています。ですから、武漢型のウイルスに変異する前に、前のタイプのコロナウイルスがアジアで流行していたのではないでしょうか。そのおかげで、アジアは感染者が少ないのです。

鳥集 よく言いますよね。新型コロナが流行する前に、すでにアジアでは似たタイプのコロナウイルスによる風邪が流行っていた。それに対する免疫があったおかげで、日本を含むアジアやオセアニアでは、新型コロナの感染者や死亡者が少なくて済んだ。いわゆる交差免疫説です。

萬田 そうです。アジアと欧米の感染者数の違いは、武漢型の前のタイプにすでにかかっていたかどうかだけではないかと思います。そこから大きく変異して武漢型になったけれど、その前のタイプにかかっていれば、ある程度免疫が効くので感染者が少なくて済む。しかし、かかっていなければ、感染者が多くなる。
 そもそも免疫学自体がね、医者たちは自然免疫だ、獲得免疫だ、液性免疫だ、抗体だとか何とか言っていますけど、実は学問としてはそんなに進んでないんですよ。免疫という言葉で解決しようとしているけれど、たぶん免疫のほんの一部しかわかっておらず、人間が知らないことがたくさんあるはずなんです。そのわかっていることだけで、「ああだこうだ」と説明しようとしているから、現実と合わないだけで。

鳥集 確かにそうですね。どのように免疫が働いているのかはわかりませんが、統計的事実としては、アジアは欧米に比べ感染者も死亡者も圧倒的に少ない。僕も当初は恐ろしいウイルスだと警戒していましたが、統計の推移を見て、致死率がそんなに高くないことがわかってきました。体の衰弱している高齢者や基礎疾患のある人には、やはり怖いウイルスではありますが、少なくとも子どもたちや若者、働き盛りの人たちにとっては、命を奪うほどの恐ろしいウイルスではない。そういうウイルスの正体も、徐々に明らかになってきました。

「コロナは怖い」と煽って得するのは誰だ

萬田 そうですよね。そんなことは、もう昨年(2020年)の2月頃からわかっていました。

鳥集 でも、いまだにこういう騒ぎをやめられない。まだ、怖いものだと思っている人がたくさんいます。

萬田 それは、テレビが思わせたからですよ。メディアが。
鳥集 どうしてメディアは、コロナは怖いと思わせるような報道ばかりするんだと思いますか。

萬田 最初は、視聴率のためだとずっと思っていたんです。でも視聴率のためだけに、こんなに国に不利になることをやるのかなと。だんだん、こんなバカげたことをテレビ局が一斉にやるのは、おかしいんじゃないかと思うようになって。

鳥集 萬田さんのブログやツイッターの投稿を拝見すると、陰謀論めいたこともお書きですよね。

萬田 そうそう。陰謀論って嫌いだったんですけど、視聴率を取りたいだけで、あそこまで煽るようなことするのかなって。
 それで気づいたんですよね。コロナを「怖いウイルスだ」「侮ってはいけない」つてテレビで言っていたある私立医科大学の感染症学の教授が、ワクチン製造販売元のファイザーから2017年度だけで120万円を超える謝礼(講師料やコンサルティング料)を受け取っているんです。
 コロナを怖い怖いって煽って、それを引き延ばせば、ワクチンをたくさん打ってもらえますからね。それから、安倍晋三前首相も「できるだけいくアビガッを使えるようにする」つて言つてましたよね。実はアビガンの製造販売会社の会長は、安倍さんとゴルフ仲問だっていうじゃないですか。

鳥集 ええ。富士フィルムホールディングスの古森重隆会長ですね。ゴルフ仲間であるのは周知の事実です。

萬田 「あ、こんなもんなんだな」と思ったんです。そうやって見えないところで、利権でつながっている。テレビ局にとって製薬会社は大きなスポンサーです。それに医学部教授も製薬会社から多額の寄附金や謝礼を受け取っている。だからあの調子でテレビを動かすのはとても簡単なんだろうなと思って。ワクチン業界からお金が動いていると思えば、辻棲が合うなと。

鳥集 それがもし本当だとしたら、世界中で怖がって騒いでいるわけですから。すごく巨大な利権ということになりますね。

萬田 そうそう、絶対儲かりますからね。煽れば煽るほど、世界中の人たちがワクチンを打ってくれるわけですから。
 じゃあ政治家はどうなのかというと、年を取っている人が多いから、自分が怖いのだろうというのが一つと、政治家はテレビには逆らえないですよね。テレビに逆らったら、いくらでも好きなように編集されて、。悪い人間作にされてしまう。

鳥集 GOTOキャンペーンが悪者にされて、見事に菅首相も支持率が下がりました。それで慌ててGOTOを中止して、2度目の緊急事態宣言を出した。
萬田 支持率の浮沈もテレビが握っているので、政治家は保身のためにテレビに迎合して、言うことを聞くしかなくなる。だから、簡単に動かされているのかなって、そう思ってしまうんです。それにしても、日本も世界もこんなにダメになっていくのを平気でいられるのはどうしてなのか?

*1 ある私立医科大学の感染症学の教授が、ワクチン製造販売元のファイザーから2017年度だけで120万円を超える謝礼(講師料やコンサルティング料)を受け取っている……製薬会社から大学医局への寄附金や医師への講師料等の支払いは、各製薬会社のホームページにある情報公開ページや、ワセダクロニクルと医療ガバナンス研究所が共同運営しているマネーデータベースで検索すれば、その医師が製薬会社からどれだけ講師謝礼やコンサルティング料を受け取っているかわかる。マネーデータベース「『製薬会社と医師』~あなたの医者をみつけよう」(wasedachronicle.org)

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