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フィクションがリアルを超えてしまった。誉田哲也『背中の蜘蛛』を読む

 エドワード・スノーデン氏が命がけで暴露したアメリカの自国民を監視するNSAのシステム 「プリズム」「エックスキー・スコア」などが日本の警察に提供されているということがベースになっている小説だが、これを読んで、ゾッとした。警視庁は決して認めないだろうが、そういうシステム(スパイダー)がすでに運用されていてもおかしくない。まさに、個人のプライバシーなど完全に国家に握られてしまっているのだ。

    • 「映画を早送りで観る人たち」(稲田豊史 著)を読む 2

       先日、紹介した「映画を早送りで観る人たち」の著者のあ「あとがき」を掲載する。これで、筆者の意図が理解できると思う。 「おわりに」 本書は、2021年3月29日にビジネスサイト「現代ビジネス」に筆者が執筆した「『映画を早送りで観る人たち』の出現が示す、恐ろしい未来」、および同年6月、12月に続編として執筆した計9本の記事を元にしている。  ただし書籍化にあたつては論旨の補強と事例の採集のため、多くの追加取材を敢行。全面的な加筆・改稿を施し、その上で第1章と第5章をまるまる書

      • 「映画を早送りで観る人たち」稲田豊史 著(光文社新書)を読む

         先日、今年のオスカー作品賞受賞作「コーダ」を見に行った際、前の席に座っていた若い女性が、スマホを見ながら映画を観ている場面に出くわした。たまたま、スマホの画面がわたしの目に入らなかったので、とやかく言わなかったが、そういう人物を見たのが初めてだったので、そのことを娘に話すと、「自分の部屋の中で、スマホを見ながら映画を観ているからそうなるんだよ。」と言われて、「そういうことか!!」と思っていた時にこの本を知ったので読んでみた。今の若い世代の人たちが置かれている情況がわかり、と

        • 母の待つ里 浅田次郎〈著〉を読む

           何と言っていいのかわからない不思議な、しかし、とてもおもしろい小説だった。この小説について、論評するなどという不遜なことは、わたしの力にはあまりあることなので、江上剛さんの朝日新聞(2022年3月19日)掲載の書評をもって代えたい。 「嘘の故郷」で救済される魂「見るなの座敷」という昔話がある。ある男が桃源郷に迷い込み、楽しい一夜を過ごすのだが、見るなと言われた座敷の襖(ふすま)を開けた途端に現実に引き戻される。  この音話は私たちは現実の辛(つら)さを忘れるために桃源郷を

          • 中村哲 「わたしは『セロ弾きのゴーシュ』」(NHK出版 2021年)を読む 1

             この本には、現在のわたしたちがなくしてしまったことが書いてあると思う。ぜひ、ご一読をお勧めします。 1996年2月22日 中村哲 49際ペシャワールを知ることは、世界を知ることだということを先生はお書きになっていらっしゃいますけれど(『ペシャワールにて』石風社)、そういうことでしょうか。 中村 そうですね、そういうことなんですね。たいてい、いろんなことに口を出して議論をするのでは、総論は言えるけれども、本当にそのことを知るということにはならないんじゃないかという気がする

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            • 2024年にタンス預金が没収される?堤未果『デジタルファシズム』の警告1

              2024年に来るXデーをご存知だろうか? 堤未果著『デジタルファシズム』には、恐るべき未来が書かれている。あまりにもおぞましいが、岸田政権が、湯水のように赤字国債を使って次から次へ大盤振る舞いをしているのは、次のようなシナリオを考えているからだろう。  2019年4月9日。  閣議後の記者会見の席で、麻生太郎財務大臣はこんな発表をした。2024年度に、千円、五千円、一万円の3種のお札が新デザインに切り替わるという。  このニュースを聞いた時、あることを思い出してゾッとしたとい

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              • こんなニッポンに誰がした?お前だろーシンゾー 本当のことを言われるとマジギレするやつ。自民党財政健全化推進本部提言案は、本当のことを言っただけ。

                 かつて、毎日新聞論説委員だった岸井成格氏がシンゾーの父「安倍晋太郎」氏に息子シンゾーの評価を問うたとき、「あれは頭は悪いが、言い訳は天才だ」と応えたそうだ。森かけ、桜の前夜祭の件も含め、さんざん虚偽答弁を繰り返してなお、「アベノミクスにケチをつけるとは何事か!」とかみつく。国土交通省の基幹統計データを改ざんして、GDPの改ざんまでやってのけ、「日銀は政府の子会社」とも言ってはばからないやつにいつまで黙っているんだ!?  次の加谷氏の『貧乏国ニッポン   ますます転落する国で

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                • 加谷珪一 『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』を読む 現在の「値上げ大国」はどこへ行くのかが、ある程度わかる本だと思う  2

                  さらに、加谷氏の著作から引用したい。 成長しなくてもよい」は成立しない 経済がマインドにもたらすマイナスの影響というものを考えると、一部で台頭している「無理に経済成長しなくてもよい」という議論についてもよい傾向とは言えなくなります。  このところ、低成長が長引いていることから、無理に成長する必要はないという主張も時折耳にします。確かに常に成長を強いられる社会はプレッシャーが大きく、のんびりしたいという気持ちになるのはよく分かります。しかしながら、世界を見渡すと、まだまだ貧し

                  • 加谷珪一 『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』を読む 現在の「値上げ大国」はどこへ行くのかが、ある程度わかる本だと思う 1

                     毎日、すべてのモノが値上げされるというニュースが続いている。これは決してロシアのウクライナ侵攻が理由ではない。そもそも、「コロナ」によって世界の物流が大停滞しているのと、サウジを始めとする産油国が非米化しているからだ。つまり、覇権国としてのアメリカの原油増産要請をサウジおよび他の産油国が、拒否しているからだ。経済のことは素人の私にもわかるように現在のニッポンが置かれている状況を教えてくれる高著だとおもう。それにはまず、ニッポン人が抱いている「日本は世界第三位の経済大国」とい

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                    • 公務員の非正規化40%の結果がこれだ!!

                        統計不正、懲戒処分の幹部が検証に関与 事務局で中心的な役割果たす 朝日新聞 22年5月28日 日本政府は、本来の国家の姿がむき出しになってきたらしい。誰の目にも国家とは「うそつき」で「自分の利益を最優先する連中の集まり」だということが、はっきりしてきたのだから。  国土交通省の統計をめぐる不正に関与したとして懲戒処分を受けた同省幹部が、不正の影響を検証し是正する検討会議の事務局で中心的な役割を果たしていたことがわかった。自身が特別監察の対象だった期間も事務局を担ってい

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                      • 一体全体、国交省の基幹統計の改ざん(受注実績の二重計上)が大きな問題にならないのはなぜなのか?つまり、安倍政権はGDP水増しという国家の基本を粉飾していたということだ!!

                        5月14日の朝日新聞のトップ記事を見てがく然とした。  視点 書き換え正しい数字いまも見えず 統計は私たちが暮らす社会の状態を映す鏡であり、健康診断のデータのようなものだ。 誤っていれば政策の失敗につながりかねない。事業者から提出された調査表の生データが、公務員の手で長年無断に書き換えられ、国の基幹統計が兆円単位で過大になっていた事実は重い。 ゆがめられた過去の統計は今もそのまま公表され、訂正後の数字を私たちが知るすべはまだない。今回、是正の手法が示されたが、是正後の統計も

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                        • なぜ、日本の学校はこんなにも悲惨なことになってしまったのか?

                           昨日、教員の側から現在の学校がとても息苦しい場所になってしまっていることを「覚醒剤に依存することによってしか、校長という責務を果たせない」という状況について書いた。この例は全く氷山の一角に過ぎず、本当にたくさんの教職員が「抗うつ剤」や「睡眠導入剤」を医者から処方されているのだと思う。闇ルートから「覚醒剤」を入手してなんとか職務をこなしている教員も相当数いるのではないかと推測する。当然、「覚醒剤」や「麻薬」は麻薬等取締法に違反することは、使っている本人がよくわかっているので、

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                          • もはや、教員には「死ぬか、辞めるか、クスリに走るか、うつになるか、独立組合をつくるか」しか、道は残されていない!! クローズアップ現代「あなたの先生は大丈夫?教師の過重労働」に物申す!!

                            上記の4月27日放送の「クローズアップ現代」に意見したい。いったい何年前から「教員のブラック労働」が問題にされ、自死したり、鬱になって休職したり、果ては辞めるしかない状況がメディアで騒がれてきたのか、わかっているのだろうか?  2002年に教員の「週休二日制」完全実施から、学校現場がとても生き苦しくなったことは、現場にいた者にしか、なかなか分かりづらい。他の企業も同様だが、「日本の労働者の労働時間が長すぎること」がILO等によって指摘され(もっとも、このアピールは双子の赤字に

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                            • 直木賞受賞作 『テスカトリポカ』選評

                              前回、直木賞受賞作 『テスカトリポカ』について書いたとき、あまりにも自分の感想だけを書いたので、選者の選評を引用して作品に対する評価を補足したい。 選評 三浦しおん『テスカトリポカ』は圧倒的な傑作だ。本作を残虐すぎる」「倫理観に欠ける」と評するご意見もあったが、それに対する私の反論は、『ジョジョの奇妙な冒険』の名言「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか?」に尽きる。つまり現実に、理不尽な死と暴力は満ちあふれている。そもそも他者(動物や植物も含め)の命をまったく奪

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                              • まったく呆れてしまう。テレビ朝日もTBSも大越健介も、ロシアやコロナのことになると、完全に終わっている

                                 「プーチンは苦戦している」とか「ロシア軍は、あせっている」とか、お前ら、本当にジャーナリストかよ!プーチンを攻撃していれば、おまんま食えると思っている、そのさもしい姿勢がもう終わっているということが分からないところにまで来てしまったんだよね。トランプに対する攻撃と同じじゃないか。つまり、お前らはアメリカ軍産の傀儡だということを、TVの画面で明らかにしていることなんだよね。

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                                • なぜ、日本の人々はマスメディアの「プーチンが悪い」という「プロパガンダ」を簡単に信じ、ロシアの流すニュースを「うそ(プロパガンダ)」だと軽信してしまうのか? 学校教育編

                                  以下に引用する内田樹さんの『複雑な教育論』の内容を読んでもらうとよく理解できると思う。とりあえずは、今の学校教育が果たしている効果を見てみよう。 内田樹 『複雑化の教育論』 p59~p67格付け機関化する学校の弊害いま日本に不登校が20万人いると報道されています。この子たちの何割かは、進化しよう変化しようとしているのだけれど、学校に行くとそれができないということで立ち止まっているんじやないかと思うんです。複雑化するという生物の自然過程が学校という人為的な制度によって阻まれて

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