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なぜ、原発の寿命はだ30~40年に設定されてるのか?

 前回、新聞記事の写真だけ投稿したので、その内容の一部を掲載する。
朝日新聞 2022年12月27日

60年超原発「未知の領域」 世界に例なし 安全性どう審査

 海外では運転期間の上限がない国が多いものの、国際原子力機関(IAEA)によると現在、60年を超えて運転を続けている原発はない。60年超の安全規制は「未知の領域」(規制委の
山中伸介委員長)だ。
経済産業省の資料では、米国の運転期間は40年だが、安全審査をクリアすれば20年以内の延長が何度でも可能。1回目の運転延長が認められて40年超の運転に入った原発が2回目の延長を申請し、80年の運転延長が認められた例もある。
 英国やフランスは、運転期間の制限がない。10年ごとに安全審査があり、運転が認可される仕組みだ。
 長期の運転をするということは、老朽化対策を含めたコストの増大や、自然災害のリスクにさらされ続けるという側面がある。国の政策転換によって運転ができなくなったケースもある。経済的な理由によって運転をやめた原発もある。
 フランスでは原子力への依存を段階的に減らす計画の一環として、1977年に稼働を開始した同国内最古の原発が2020年に停止された。ドイツでは東京電力福島第一原発事故後の脱原発政策で8基が停止を命じられた。米国では17~18年ごろ、電力価格低迷などの影響を理由に運転期間が残っていても廃炉を決める原発が相次いだ。
 日本では地震や津波、火山の噴火、台風などのリスクが比較的大きい。原発事故後、規制委は自然災害への備えの強化や過酷事故対策を義務づけた新規制基準をつくったが、規制委は基準に適合しているかどうかを審査しているに過ぎない。審査をクリアした原発でもリスクは残る。

配管など劣化 40年未満でも事故

 老朽化のリスクはさまざまだ。原子炉の金属が中性子を浴び続けるともあくなる現象「中性子照射脆化」のほか、コンクリートの遮蔽能力や強度は原発が停止していても経年劣化する。東京大の井野博満名誉教授(金属材料工学)は「中性子照射脆化は防ぐ手立てがなく、運転期間が延びれば延びるほど脆化が進むため、その分、リスクも高まる。原発は30年ないし40年運転を前提として設計されており、長期間運転すると原子炉に入れてある監視試験片(原子炉の劣化を予測するための金属片)も足りなくなる。これが運転上の深刻なネックになり、安全性に不安が生じる」と話す。
配管やケーブルといった部品の劣化もある。40年末満でも事故は起こる。
 東京電力柏崎刈羽原発では10月、運転開始25年の7号機タービン関連設備の配管に直径約6彙ンの穴が開いたと発表。足場を組んだ際に傷がつき、周辺へ腐食が進行。11年ぶりにポンプを稼働させたところ、内側に引っ張られる形で穴が開いたとみられるという。
 2004年には関西電力美浜原発3号機でタービン建屋の配管が破裂して放射性物質を含まない蒸気が噴出する事故が起き、作業員5人が死亡、6インが重傷を負った。配管の厚みが減っていたという。

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