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CPAPハイスクール2〜自覚できないまま病へ至る道


証言1

私のイビキを初めて指摘したのは、N氏という大学時代2つ上の先輩だった。夜になると襖の向こうでブタの気配がするということだ。

私が住んでいたアパートはサークルの溜まり場みたいなところだったので、N氏だけでなく、数名の友人からも指摘を受け、私は常人よりもいびきがうるさい事実を学生時代に自覚することができた。

証言2


20代後半から4年ほど同棲していた頃のこと、当時の彼女に何度も聞いて確認したのだが、私はイビキをかいていなかったらしい。後々に分かった事だがシングルベットに2人で寝ていて、私は常に彼女を抱きしめる格好で寝ていた為、常に側臥位(横向き)だったのが良かったらしい。

手狭な愛の巣が私のイビキを小さくしているとはつゆ知らず、同棲以降ブタは鳴りをひそめ、私は静かな寝息の男として自身を再認定した後、同棲を解消するに至る。

証言3


30代後半、久しぶりに近所の友人宅に泊まった際、昔の記憶が蘇りイビキをかくかもしれないけど、煩かったらごめんねという断りを入れた。

早朝ふと目覚めると、隣で寝ていた友人が突然絶叫を上げる。
まるで悪魔から追われているような臨場感でベットから起き上がり「ウワー」と叫んだのである。しかしまたすぐ布団に潜り寝息を立て始めた。

もしやと思い、起きた友人に寝言のことは指摘せずに私のイビキの有無を確認したところ、ブタではなくて、ライオンがいたという事だった。

彼は夜更けまでライオンの大イビキで一睡もできなかったらしい。

「お前のイビキやばいよ…」

(お前の寝言もな)

とは思ったが、夢遊病の友人は私のイビキを聴きながら、ライオンに食い殺される悪夢に魘されしまったのであろう。


証言4

山小屋にて
隣室の小屋の先輩はビールをベロベロなるまで飲んで床につき、寝床へ行った記憶すら毎日失っているのだが、試しに私が隣室で寝てみると、そんな彼にもこびりついて離れないほどのイビキで、案の定眠れなかったらしい。

私が寝るまでは、気にしなくて大丈夫だの言ってたが

朝を迎えると深刻な顔で

「あんな大きなイビキでまともに寝れてるとは思えないから、病院で診てもらった方がいいよ」

アル中に助言されて以降の私は山小屋でも遠く隔離された一室で寝ることになる。

睡眠時のイビキの原因とは

仰向けで寝ると重力で舌が気道に蓋をするように落ち込み、睡眠中の鼻呼吸が阻害されて、ンゴンゴと音が鳴り響く

医者に言わせると大イビキをしている事態が既に無呼吸の兆候らしい。

・太り過ぎ
・骨格的な問題(顎など)

私の場合は気道が狭まるほど太ってない頃から、イビキがうるさかったので、骨格的な問題が大きい。

下顎が小さかったり、奥へ引っ込んでたりするのも呼吸を遮断する要因だったりする。
家族にインタビューすると、どうやら母方の遺伝的資質が大きいという結論に達した。

原因は血筋??

まず母方の祖父は大イビキ魔神であったらしい。
その音量の凄さを語る母も相当なイビキ魔で、そんな母をうるさいと心配する兄も猛獣型である。

兄の奥さんは可哀想に耳栓をつけて寝ている。

しかしどれだけ指摘されても、よっぽど体調に変化が現れない限り、自覚できないのが無呼吸症という病である。

無呼吸による弊害遂に現る

私は睡眠時の呼吸障害で重症の認定をされてしまった訳だが、ここ数年は身体の不調が顕著に出ていたので、検査に至ったわけだ。

一日中怠さが続いたり、突然眠気が来たり、脳がスッキリクリアになる日がなかった。思えばここ数年、気持ちよく朝を迎えらえた試しがなく、絶望と共に目覚めていた。

深夜に突然息苦しさで目覚めたり、3時間ぐらいしか寝れず、夜中にトイレで目覚めることが多くなり、枕はよだれ塗れで口が無性に乾き、やる気も起きず、鬱の兆候が以前よりも頻繁にやってくる。

挙句の糖尿予備軍…

最初はこれが加齢というやつか…ぐらいに思い、それすらも日常的なものとして受け入れていたが。

重症と診断されてから、自分の身体の不調が全て、SAS(睡眠時無呼吸)のガイドブックに弊害として載っていた。

はて?私はいつから無呼吸なのだ??

この人生ちゃんと無呼吸に気づけていたら、こんな私にはなってないのか?

自分の生き辛さ…全て無呼吸が原因ではないか?

私が不眠なのも
私が躁鬱なのも
私が薄毛なのも
私があの娘に振られたのも
私の貯金が増えないのも

全て私が夜に呼吸してない事が理由

だったとしたら


ちゃんと眠れるようになったら私はどうなるのだろうか。

私は私でなくなってしまうのだろうか。

参考記事↓

SaaSで内定もらった新卒さん
【今こそ学びたい良き睡眠】
https://note.com/saas_23_/n/n079e65e4e4ca


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