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こころの迷子

あなたには人生の道標が見えますか?

仕事の重要テーマが先週中頃にひと段落したこともあり、改めて自分の立ち位置を振り返る時間ができた。できたというよりは生じてしまったと言えるのかもしれない。コロナの時期と重なる中で、異動、子供の受験、離婚、昇進など様々なイベントに翻弄された3年弱だった。この間に、運動習慣が身に付きダイエットにも成功し服装を変えてみたり、美術館周りを始めたり芸術の興味関心は増すなど、良い影響はあった。その反面、家飲みする習慣が常態化してきて最近では量や頻度が増えつつあるし、野菜をあまり食べなくなるなど、食生活にも変化があったように感じる。こういう変化を改めて考えてみる時間にもなった。

そういう中で、昨日久しぶりに本屋をブラブラして手に取った一冊が、東畑開人氏の『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』。この題名に惹かれたということ自体も、今の状態に改めて気付くキッカケになった。東畑氏の前著である『居るのはつらいよ』も読みごたえがあったが、どちらかというと説明が多かった気がするが、本著はそれよりもダイレクトに読み手に寄り添ってくる内容だった。本の流れを夜の航海に例えつつ、各章で出てくる補助線という概念を使いながら、心や考え方の仕組みを説明している。実例を交えていることで理解しやすい形にもなっており、かつ心に訴えかけてくるような内容だったように思う。それは、自身が読んだ心の状態がそうさせただけかもしれないのだが。

内容を詳述するつもりはないが、読後の感想を簡潔に表すと、「まぁ、このままもう少し流れに身を任せてみようかな」。ポジティブにもネガティブにも取れるこの内容だが、そんな感じで少しずつ人生の幅、心の幅を広げていけたら良いかなと思った一冊であった。もう少し迷子の状態を楽しみながら、航海を続けていけたらと思う。

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