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#066気候変動テックもGAMAM+Tが主役に。

旧統一教会と政治の関係、2020オリパラの贈収賄など,日本の失われた30年の陰の部分が噴出しているようにも思える。今マサに岸田首相のリーダーシップが問われている。
先日、lineの友である、情報通のU氏が「2022年度の先進テクノロジーのハイプ・サイクル」を転送してくれた。

ハイプ・サイクルとは、特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を示す図である。ガートナー社がこの用語を造り出した。

知らない用語だらけであったが、ハイプ・サイクルの図を見ている間に、年金シニアの私の好奇心は、「気候テックと気候変動のリテラシー」に焦点を絞ってみた。気候テックの記事を拾い読みしているうちに、知らないことばかりと落ち込んだ。時間をかけながら理解して行こうと・・・・。
今回は、特にマイクロソフトのビル・ゲイツの構想力と実行力に改めて感心した。
丁度、8/18に、ビル・ゲイツが旭日大綬章(いまから2年前)のために来日した。コロナ感染で延期していたとか、来年の広島でのG7への提案が目的であろうか。
直接インタビューした解説者によれば
「きっと人類は、イノベーションによって環境危機を克服できる。ビル・ゲイツはいつでも、前向きな姿勢を忘れない。ゲイツは、2000年に設立したビル&メリンダ・ゲイツ財団の活動をきっかけに、気候変動問題に注目するようになった。06年には安価で、安全、環境に優しい電力を提供するために、次世代原子力発電を開発するテラパワー社を創設。2年後の08年にはマイクロソフトの第一線から退き、リソースを地球規模の課題に全ベットしている。そして16年には、温室効果ガスの削減を目的とした気候変動の解決に特化したベンチャーキャピタルを設立した。しかし、世界はパンデミックに襲われ、ウクライナでは戦争が起き、気候変動対策は一時的に後退しているように見える。ゲイツは現在の気候変動対策の進捗を、どう考えているか。

①マイクロソフトの気候テックのビジネスモデル
②気候テックのハイプ・サイクルとビル・ゲイツの投資戦略
③ビル・ゲイツからの日本へのメッセージ
④ビル・ゲイツのロビー活動の実態
⑤今、シリコンバレーで何が起きているのか。

を拾い読みしてみた。
(1)【解説】万能マイクロソフトは「テックの次」も強い
「世界のデジタル化を手堅く押さえてきたこの会社だが、この2年間で、次の10年で勃興する「気候テック」のイノベーションに最も先鞭をつけている大企業であることはあまり知られていない。「2030年までにカーボンネガティブを実現し、2050年までには、1975年の創業から排出してきたCO2をすべて取り除く」これは2020年1月にマイクロソフトがぶち上げた気候目標だ。多くの企業が2050年までのカーボンニュートラルを宣言するなか、マイクロソフトの場合は2050年までに創業75年分の排出を相殺させる、という聞いたことのないレベルの約束になっている。毎年発表されるマイクロソフトの目標の進捗を細かく精査していくと、彼らが、とてつもなく厳しい目標を自らに課し、実践することで、実はこの10〜20年で台頭してくる次のテクノロジーでも見事に覇権のポジションを確立していることが分かるのだ。
①他社の「2年先」を行く
まず、マイクロソフトの目標は「2つ」の点で図抜けている。
その1つ目が「①2030年のカーボンネガティブ」という聞き慣れない目標を掲げていることだ(もう一つが「②スコープ3」というキーワードだが、こちらについては後述していくとする)。近年よく聞くようになった「カーボンニュートラル」が「排出量のネット(差し引き)ゼロ」を意味するのに対し、「カーボンネガティブ」は「排出量をネットでマイナス」にすることを言う。ではこれの一体、何がすごいのか。まず、下の図版を見てほしい。

そこで注目してほしいのが「」の部分だ。
2020年ごろから、グラフの下側へと伸びている。これは再エネによる排出量削減とは異なり、純粋に世界からCO2を「取り除く」ことで初めてできる芸当だ。この「カーボン・リムーバル(炭素除去)」を増やしていくことで、2030年までに排出量より除去量を増やし、マイナスを達成するのが、マイクロソフトの描く道筋だ。
実は、ここがマイクロソフトの目標のぶっ飛んでいるところだ。
というのも、2020年の時点では、この「除去(マイナス分)」を商業的に提供できるテクノロジーはほぼ無かったのだ。

CO2吸収という意味では、森林という存在がある。しかし、炭素排出量の「マイナス幅」を劇的に増やすためには、圧倒的な増林が必要で、これはテック企業の範疇を超える。つまり、マイクロソフトは、当時まだなかった炭素除去という次世代テクノロジーを育てる前提で、この目標を打ち出したことが分かる。そして、2年後の今になって、アルファベット(グーグル親会社)やメタ(旧フェイスブック)、マッキンゼーなどがこの「炭素除去テクノロジー」に巨額を張り始めている。逆に言えば、マイクロソフトはそうした企業の2年先を行っていたということでもある。
②市場を「ゼロ」から作ればいい

なぜなら世界中の企業がカーボンニュートラルを宣言する中で、10年後には、「炭素除去」に需要が殺到することはかなり確実視される未来だからだ。製造業や航空、ビル、農業など「脱炭素」が難しい領域のイノベーションはまだ突破口が見えておらず、その分野の企業はほぼ間違いなく、目標達成のために市場からの「炭素除去の購入」という形で排出量を相殺しにいくはずだ。そして、確実にいえるのは、マイクロソフトが、その次に生まれてくる市場を握り得るトップにつけているということだ。
③SaaSにして提供してしまえ

こちらはスコープ2に含まれないすべての間接排出を含むものだ。具体的には、購入した製品・サービスに、燃料、事業から出る廃棄物、さらに従業員の通勤や出張などの上流に、販売した製品の加工・使用にフランチャイズ、投資などの下流まで、バリューチェーン全体の脱炭素を指している。そして、多くの企業のカーボンニュートラル宣言は、スコープ1、2にとどまっているのに対し、マイクロソフトのカーボンネガティブ目標は、このスコープ3までをも含んでいるのだ。

そこでまずマイクロソフトは、自社の取引について炭素料金を導入することで、スコープ3の正確な追跡と削減を図っている。さらにこの2月には、新たなイニシアチブを創設することで、この排出量の「測定」と「会計」の標準化を図り、この分野でも仕組み作りに乗り出している
さらに、極めつきはソフトウェアの外部提供だ。昨年11月、マイクロソフトは、新たなSaaSの提供を始めた。この「Microsoft Cloud for Sustainability」は企業が自社の排出量を測定し、会計報告するためのソフトウェア(現在は試用版)であり、スコープ3までもがターゲットに入っているのだ。

(2)【ゆる図解】今、お金が集まる「気候テック」の話




(3)【本人直撃】ビル・ゲイツが「日本の若者」に訴えたいこと
「・日本のコロナ対策」は研究対象
──コロナについて、日本は他国と比較して死亡者数が少ないという特徴がありますが、理由はよくわかっていません。ゲイツさんは、どう考えますか。
国によって状況は違うものの、先進国であるイタリア、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカなどの死亡者の比率はほとんど同じ。犠牲者の少なかったオーストラリア、ニュージーランド、台湾などは、かなり早い段階での隔離が主な理由とされています。そんな中、他国と比較してロックダウンを多く実施したわけではない日本の死亡率が低いのは、特筆すべきポイントです。理由として考えられるのは、やはりマスクの着用率の高さでしょう。Institute for Health Metrics and Evaluationの研究では、マスクの着用率によってかなり違いが出ているということが明らかになっています。しかし、それですべて説明できるわけでもありません。個人的な感覚では、糖尿病や肥満の比率なども影響しているのではないかと思っています。いずれにしても、今後のためにもこの部分の調査はまだ必要です。
──これからコロナは、どう収束していくと考えますか。
現在のワクチンでは、感染を防ぐことはできません。あくまでも、重症化したり死亡したりするリスクを大幅に軽減するというものです。ワクチンを接種していれば、健康な免疫系があれば、重症化したり死亡したりすることはほとんどありません。では、今後はどうか。将来的には、感染そのものを阻止するワクチンが開発されるでしょう。感染を防ぐため、他の人にうつして拡大することを阻止できます。つまり、ワクチンの接種率が高ければ感染を劇的に減らすことができるのです。いずれ現在のコロナ対策は、そうしたフェーズに移行していくでしょう。
・パンデミックは「再来」する
──次のパンデミックについて、警鐘を鳴らしています。コロナが収束したとしても、パンデミックはまたやってくると。パンデミックは、ウイルスが種を超えてやってきたときに起こります。主に豚や鳥から感染します。あるいは、コウモリもある。今回のパンデミックは、コウモリが直接の原因ではなく、ペンギンを介しているのではないかとも言われています。パンデミックのリスクを減らすために、食肉面での規制、衛生面の強化は必須です。ただし、どれだけリスク対策をしたとしても、人口が増加し、人の居住エリアが広がっていく中では、当然、動物と触れ合う機会も増していきます。あるいは、バイオテロの可能性も否定できません。誰かが意図的にパンデミックを起こすシナリオもあり得ない話ではないのです。
そうした変数が多いことから、再びパンデミックが起こる確率を正確にはじき出すのは非常に難しい。私は、ざっと20年以内にコロナのようなパンデミックが起こる確率が50%程度と予想していますが、それを証明することはできません。
──パンデミックを防ぐために、世界的な感染症の対策チームが必要だと提言されていますね。
私は、国を横断したパンデミック対策の専属チームを作るべきだと提案しています。パンデミックの専門家を、世界で3000人を配置する。この専門的なチームが平常時から危機に備えることで、感染爆発が起きる前に防ぐことができるのです。今回のコロナのように、ひとたびパンデミックが起きてしまえば、経済損失は数十兆ドルにのぼると言われています。それに比べれば、専門家チームを常設しておくコストは小さい。年間10億ドル程度ではないでしょうか。問題は、協議のペースが非常にゆっくりで、ほとんど進んでいないことです。
来年、広島で日本主催のG7の会合が開催されます。そこで、私の提案を出発点として各国政府によってより議論が進んでいくでしょう。
気候変動は「何千倍も」難しい
グローバルヘルスに対してゲイツは、比較的、楽観的な意見を表明している。コロナによってHIVやマラリア対策が後退し、新たなパンデミックへの危惧は拭えないが、解決策が明確に見えているからだ。アメリカでの講演でも、「環境危機を止めるより、パンデミックを防ぐ方が何千倍も簡単だ」と断言している。逆に言えば、気候変動対策を正しく実行し環境危機を止めることは、途方もなく難しいということでもある。人類はコロナ対策の何千倍も難しい気候変動という問題に、どう立ち向かっていくべきなのか。
──環境危機を止めることは、パンデミックを防ぐ何倍も難しいとされています。事実、ウクライナ危機で化石燃料への依存が再び高まっています。
ウクライナ情勢は短期的には、気候変動対策に悪影響を及ぼしてしまいます。冬を乗り越えるためには当然、暖房が必要ですし、産業活動として製品の生産を続けるためには、電力が欠かせません。ヨーロッパの国々が一時的に、石炭などの炭素燃料に戻ってしまう。それによって排出量が一時的に増えることは仕方ありません。一方で長期的に見ると、ウクライナ情勢は気候変動対策を早めるかもしれません。ロシアへのエネルギー依存を減らすために各国がコントロール可能なエネルギーの確保に急ぎ、再エネなどへの投資が加速する可能性があるからです。
──ゲイツさんが率いるブレイクスルー・エナジーは、未来の技術としてSMR(小型モジュール原子炉)にも投資をしています。ブレイクスルー・エナジーは、さまざまなイノベーションに取り組んでいる会社や各国の政府に働きかけを行いながら、革新的な企業に投資をしています。有力な原子力ベンチャーのテラパワーもそのひとつですし、クリーンでコントロール可能なエネルギーの中には、核融合など新たな原子力テクノロジーも含まれます。安定的に供給できるエネルギーとして、各地域の再生エネルギーに加えて原子力も必要になると思われます。日本では、多くの地熱や風力、そして核分裂や核融合も必要かもしれません。
「NP読者」にメッセージ
NewsPicksはゲイツに対して、主に気候変動に対する質問を投げかけた。世界が目指す2050年までのCO2排出ゼロを実現するためには、排出する炭素を削減するだけではなく、大気中からの除去が必要だ。これまで炭素除去は森林が担ってきたが、それだけでは補いきれず、人工的に除去を実現する方法に期待が集まっている。その筆頭格が、直接大気から回収するDAC(Direct Air Capture)と呼ばれる技術だ。もしこの技術が広がれば、気候変動対策において画期的な一打になる。ただし、課題は高いコスト。洋上風力などの再エネや蓄電池と同じように、この分野でも価格イノベーションは起こるのか。
また、これから気候変動などに挑む若い読者へのメッセージをもらった。
──2050年までの排出量ゼロを実現するには、炭素の削減だけではなく除去も必要です。DACの可能性をどう考えますか。
おっしゃる通り、DACはコストを安くさえできれば、気候変動問題のすべてを解決できると思っています。実際に、ClimeworksやCarbon engineeringなどの会社が取り組んでいますよね。では、どれくらいのコストで炭素を除去できるのか。残念ながら、楽観視できる水準にはありません。Climeworksは炭素1トンあたり500ドルほどかかっています。Carbon engineeringは200ドルくらい、もしかしたら技術革新で100ドルくらいまでは下げられるかもしれません。他の新しい会社では100ドル、うまくいけば50ドルまで下げられるというところまではきています。しかし、仮に50ドルまで下がったとしても、年間510億トンの二酸化炭素を回収するためには、2兆5000億ドルもかかってしまう計算になります。さて、世界にそれを払うだけの準備があるのか。なかなか難しい問題ですよね。ちなみに、コストは1トンあたり50ドルが限界でしょう。それ以上、低くなる可能性は低い。そう考えると、気候変動の解決策としてはDACに依存するべきではありません。あくまで、数ある解決策のひとつという位置づけです。
──NewsPicksは若い読者の多いメディアです。気候変動の観点で、若い人たちはどんな姿勢でいるべきでしょうか。
私は若い人たちに、積極的にイノベーションに関わってほしいと思います。例えば、グリーンプロダクトの開発。よくグリーンプレミアムと言われるように、気候変動対策をした商品などはコストがかさむため、上乗せされた価格がついてしまっています。グリーン・セメント、グリーン航空燃料、グリーン・スチール、グリーン・トラック輸送など…。気候変動の問題を解決するには、あらゆるグリーンな商品の価格を下げなければいけない。この解決に、ぜひ挑戦してほしいですね。私から若い人たちに伝えたいのは、環境危機を乗り越えるために、気候変動に関する政策などに興味を持って関わるということ。また、科学や工学の分野で解決に取り組んでいくのも良い。あるいは、その両方でももちろん構いません。若い人にとって、気候変動はとりわけ重要な課題です。今、少しの犠牲を払うことによって、未来の「大きな打撃」を防ぐことにつながるからです。目の前だけ、自分の国だけではなく、いま世界で何が起きているかにも目を向けてみてください。ぜひ広い視野を持って、気候変動という地球課題に積極的に関わってください。」


(4)【ビル・ゲイツ】気候変動を生き抜くために、必要なこと
「──しかし、スタートアップは政策の議論の場での影響力が限られていますよね。
政策はほとんどの場合、業界団体や何らかの組織を通じて行われることが多いものです。そのためBEVは、政策活動用の予算を膨大に確保していて、ワシントンDCと(EUの政治の中心地である)ブリュッセルにオフィスを構え、優秀な人材を雇っています。私たちは気候変動に関わる全ての資金提供者と共に、ワシントンDCで毎月のように昼食をとりながら、何ができるのか話し合っています。そうしたランチでは、誰を納得させる必要があるのか、どのように政策を立案するかなどを議論しています。アメリカは、主要政党のひとつ(共和党)が気候変動の取り組みに参加していないという点で特殊です。(2050年までの)30年の歳月を、考えてみましょう。(もし政権交代が起きれば)気候変動に好意的な政策が実施されるのは、(民主党政権時の)半分だけになるでしょう。新たなセメント工場や発電所を建設しても、(共和党が政権を握る)残りの半分の期間は、うまく活用されない可能性があります。つまり、アメリカではこうした気候変動対策の継続性を確保するのが難しいという課題があるのです。その意味でも、2021年11月に署名された超党派のインフラ法案は非常に大きな意味を持ちます。
また、新産業を立ち上げるプロジェクトをアメリカでも実施しやすくするために、税額控除についても政府に働きかけています。
民主党が単独で過半数を持つ今、11月に実施される中間選挙前がラストチャンスだと思っています。


世界から「アイデア」求む
──この講演を聞いている皆さんに、何をするべきか教えてください。
今、ウクライナでは悲惨な戦争が起きています。しかし、その影響はウクライナよりもアフリカで多くの死者を生むかもしれません。アフリカは、食料の多くをウクライナやロシアに依存している純輸入国だからです。そんな中、私はアフリカで新しいグリーン革命を起こし、食料輸出国にしたいと思っています。求められるのが、イノベーションです。現在もたくさんありますが、まだ十分ではありません。さらにこれは、アフリカに限った話ではありません。現在の工業、農業、食肉などの土地利用を見ると、それを解決できるかもしれない生まれたばかりの新しいイノベーションの種があります。」

(5)【完全解説】これがシリコンバレーの「新しい地図」だ



まとめ
米国のダイナミックなスタートアップの動きにビックリするが、日本も「新しい資本主義」の具体化により、何とかキャッチアップして欲しいものだ。
DX(デジタルトランスフォーメーション)は周回遅れだし、GX(グリントランスフォーメーション)も構想倒れにならないように!。

参考1
新しい資本主義の グランドデザイン及び実行計画 ~人・技術・スタートアップへの投資の実現~

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2022.pdf

参考2


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