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光る君へ前半名場面TOP3・大河ドラマで学ぶ脚本テクニック
大河ドラマ「光る君へ」が面白い。ということで、「「光る君へ」で学ぶ脚本テクニック」と題した動画を作っていくことにしました。動画といっても内容はスライドとテキストなので、noteにも載せていきます。今回は前半の名場面TOP3です。
歴史の知識や「源氏物語」については一切触れませんので、予めご了承ください。
第3位
![](https://assets.st-note.com/img/1720790732991-3UthGIzNpJ.jpg?width=1200)
第3位は、第21回「旅立ち」の「枕草子」誕生シーンです。
このシーンでは、春夏秋という季節の移り変わりをそれぞれ、桜の花びら、蛍の光、紅葉というシンボルで表現しているのですが、私が感心したのは、それらがすべて、中宮定子が臥せっている室内で撮影されていることです。
これは、平安時代の寝殿造には「壁がない」ということを活かした映像表現です。もし壁があったら、室内で花びらが散ったり、蛍が飛んだり、紅葉が舞ったりするのは、リアルじゃありませんよね。
寝殿造に壁がないからこそ、室内の定子と、庭のホタルや紅葉をひとつの画面に収めても、実写ドラマのリアリティを逸脱しないわけです。
「光る君へ」は、廊下と庭を演劇の舞台と客席に見立てるような演出も随所に見られ、寝殿造の特徴を上手く表現に活かしているなあと感心させられます。
第2位
![](https://assets.st-note.com/img/1720790768194-bXwdUi0Elw.jpg?width=1200)
第2位は、第5回「告白」での、まひろの告白シーンです。
ほとんど動きのない、セリフだけの一人芝居といった感じのシーンで、内容的にも、まひろが、母の死に対する罪悪感を道長に告白するという難しいものでしたが、とにかく吉高由里子さんの演技が素晴らしかったと思います。
まひろのセリフも、それを演じる吉高さんの演技も非常に現代劇っぽくて感情移入しやすく、そのリアルさが余計に涙を誘います。
これはもちろん狙ってやっているわけですが、吉高さんのスゴイところは、時代劇っぽい演技もとても上手いということです。
現代劇っぽい演技と時代劇っぽい演技がシームレスというか、違和感なく繋がっている。だからこのシーンの、現代劇っぽい告白のセリフが、とてもリアルに聞こえるのだと思います。
第1位
![](https://assets.st-note.com/img/1720790752516-Oh09vbdnfm.jpg?width=1200)
第1位は、第8回「招かれざる者」で、道兼が突然、まひろの家を訪問するシーンです。
道兼はまひろの母・ちやはを殺した男ですが、彼はまひろがちやはの娘であることを知りません。
この、サスペンスの巨匠・ヒッチコックの映画のようなシュチュエーションを、紫式部が主人公である平安時代劇にぶっ込み、それを見事に描ききった脚本と演出に、拍手を送りたいと思います。
まひろ、道兼、為時 3者が視線を交わし合うカットバックは、まるでセルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタンのようでした。
戦国時代劇のような切った張ったがなくても、これほどのエンタメシーンが作れるということを証明するような名場面だったと思います。
第8回は、このサスペンスシーンを、直秀の秘密、兼家の仮病という別のサスペンスでサンドイッチするという構成も見事でした。
第8回の動画でまとめていますので、よろしければ是非ご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
背景画像:
From The New York Public Library https://digitalcollections.nypl.org/items/510d47e3-fe62-a3d9-e040-e00a18064a99
動画
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