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酒場放浪記@杏庵

一関市の閑静な街角に佇む居酒屋「杏庵」。木製の扉を開けると、ほのかな灯りとともに心地よい和の風情が広がります。

店内には、温かみのある木のぬくもりと、どこか懐かしい雰囲気が漂い、まるで時間がゆっくりと流れているかのよう。カウンター越しに見える厨房では、料理人たちが手際よく料理を仕上げる様子が見て取れ、期待感が高まります。

店内に流れるサザンオールスターズの懐かしいメロディーが、訪れる人々の心をさらに和ませ、昔懐かしい青春の日々を思い出させます。

目の前のメニューに目を走らせると、目に留まったのは「磐乃井 特別純米酒」。その名前だけで、心がときめく。程よく冷えたその一杯は、今夜の晩酌にふさわしい。

「すみません、磐乃井の特別純米酒を一杯お願いします。」

静かな声で注文すると、店員は微笑みながらお猪口に酒を注いでくれる。白地に青い渦巻き模様が美しいお猪口が目の前に置かれ、ほんのりと立ち上る香りが鼻腔をくすぐる。

この一瞬を楽しみながら、私はその特別な一杯を手に取った。ゆっくりと口に運ぶと、芳醇な香りと共に広がる米の旨味に、心が満たされていく。

「やはり、この一杯は格別だ。」

そうつぶやきながら、磐乃井 特別純米酒の美味しさに酔いしれる夜が、静かに更けていく。


入店して席に着くと、すぐに提供されたのはこの美しいお通しのサラダ。和の趣を感じさせる青い模様が施された器に盛られたこの一品は、まるで絵画のように色鮮やかです。

新鮮なトマト、シャキシャキとした歯ごたえが楽しめるキャベツ、そして程よい味付けが施された豆腐。これらが一皿にまとめられ、見た目にも食欲をそそります。特に、豆腐の滑らかな舌触りとキャベツの歯ごたえのコントラストが絶妙です。

また、トマトの爽やかな酸味が、他の具材の風味を引き立てています。この一皿が、今宵の宴の始まりを華やかに彩ってくれます。

この「ほやの刺身」。美しく盛り付けられた一皿は、まるで海の宝石のように輝いています。深い海の恵みを感じさせるその色合いと、新鮮さが一目で伝わってきます。

まず目に留まるのは、ほやの鮮やかなオレンジ色。艶やかで、口に含むとぷりぷりとした食感が楽しめます。レモンの爽やかな酸味が加わることで、ほやの自然な甘みと旨味がさらに引き立ちます。添えられたワカメの風味が、海の香りを一層際立たせ、わさびのピリッとした辛味がアクセントとなっています。


まず目に入るのは、この美しく焼かれたハツの串焼き。黄金色の焼き目が食欲をそそります。上にのせられた新鮮なネギが、焼き鳥の香ばしさと絶妙にマッチしています。一口いただくと、弾力のある食感とともに、ハツ特有の深い旨味が口いっぱいに広がります。添えられたおろしポン酢がさっぱりとしたアクセントを加え、口の中を爽やかに整えてくれます。

次に、この白レバーの串焼き。艶やかな照りが、美味しさを物語っています。タレの甘辛い香りが食欲を刺激し、一口頬張ると、とろけるようなレバーの舌触りと濃厚な味わいが楽しめます。レバー特有のクリーミーさと、炭火の香ばしさが見事に調和しており、まさに絶品です。

磐乃井の特別純米酒を飲み切り、私はほっと一息ついた。口の中に広がる余韻が、心地よい満足感を与えてくれる。

”この酒、まさに絶品。口当たりがまろやかで、米の旨味がしっかりと感じられる。杏庵での一夜を、より一層豊かにしてくれる”

その瞬間、私の心に詩が浮かんできた。


酒尽きて、夜も深まる、 心に残る、味と香り。 磐乃井の酒に酔いしれ、 杏庵の夜、また訪れん。

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