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~第169回~「例祭と近代の勅祭社」

明治元年(1868)に明治天皇から「勅祭の社」とされた武蔵一宮氷川神社は、8月1日に例祭を斎行します。

例祭では奉幣使が参向し、当初は楽師により御神楽の儀と走り馬の儀が行われておりましたが、明治7年より御神楽の儀は東游の儀に改められ、走り馬の儀は、その後に廃されました。 その例祭の前日、7月31日の宵宮から楼門内には崇敬者の描いた雪洞が、楼門外には各町奉納の高張提灯が並びます。

また同日から大宮駅周辺の町内会御輿が駅前周辺を練り歩くほか、よさこい踊りやパレードなども行われ、街全体が祭の熱気に染まります。


そして8月1日の例祭当日には、計43基の各町内の山車神輿の巡行渡御(宮入り)があり、10時からいよいよ例祭に。

各町内の山車、神輿が神橋前の参道を挟み勢揃いする中を、正装の衣冠を着用した神職が参進します。

その後、同様に正装の勅使が御幣物(ごへいもつ)を捧持した随員と楽師を従え、勅使斎館より本殿へと参進します。

翌2日の神幸祭は、神橋で橋上祭の斎行があり、神社の神輿が境内を巡幸致します。(※雨天時は舞殿で斎行。)

なお「勅祭社」とは、勅命により勅使が例祭に差遣され、幣帛(へいはく。神様のお召し物の材料となる反物や糸。)が奉奠される神社の事で、明治天皇が氷川神社の祭事を勅祭とした事が近代の勅祭社の始まりです。 現行では伊勢の神宮を別格として、賀茂別雷神社(京都)、賀茂御祖神社(京都)、石清水八幡宮(京都)、春日大社(奈良)、氷川神社(埼玉)、香取神宮(千葉)、鹿島神宮(茨城)、熱田神宮(愛知)、出雲大社(島根)、宇佐神宮(大分)、香椎宮(福岡)、橿原神宮(奈良)、平安神宮(京都)、明治神宮(東京)、近江神宮(滋賀)、靖國神社(東京)の16社が勅祭社となっています。 武蔵一宮氷川神社の例祭は、近代の勅祭社の歴史に同社が大きく関わっていた事を今に伝えています。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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