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~第89回 ~「大祓の話」
大祓は自らの心身の穢れ(ケガレ)や、災厄の原因となる諸々の罪・過ちなどを祓い清めることを目的としています。
この行事は、古事記や日本書紀等の神話に伝わる伊弉諾尊(イザナギノミコト)の禊祓が起源です。
行事としての大祓は『古事記』仲哀天皇の段にある「更に国の大奴佐を取りて、生剝、逆剝、阿離、溝埋、屎戸、上通下通婚、馬婚、牛婚、鶏婚、犬婚の罪の類を種種求ぎて、国の大祓して」とあるのが初見です。
そして宮中で行われてきた大祓は中世以降、地域に伝播し、それぞれの神社で年中行事として定着しました。
大祓は年に二度、六月(夏越の祓)と十二月(年越の祓)に行われます。
年越しの祓は新たな年を迎えるために心身を清める祓いです。
一年の節目におこなわれる大祓は、自身の穢れなどを祓うと同時に、自らの一年の言動や気持ちを振り返ることでもあります。
そして心を新たにして、生活をリスタートさせるのです。
大祓を始め、古来より日本人が守り続けてきた年中行事は、今を生きる自身のための行事でもあります。
大切に受け継いでいきたいですね。
皆様、良いお年をお迎え下さい。
〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕
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