~第27回~「氷川参道」
武蔵一宮氷川神社の参道である氷川参道は、ケヤキを中心としたおよそ700本の樹木が南北約2キロメートルにわたり続いており、日本一の長さを誇ります。
そして、大宮のシンボルであると同時に、さいたま市における歴史・文化的資産として、都心部に残された貴重な緑の空間となっています。
明治13年(1880年)頃に描かれた『官幣大社氷川神社境内乙図』には、参道沿いに松や杉が描かれており、大正から昭和初期には鬱蒼とした杉並木で覆われていて「並木十八丁鉾杉つづき」と歌われていたそうです。
杉からケヤキに変わったのは戦中、戦後の資材難から伐採された事や、車の排気ガスや振動、地下水脈の低下や歩行者による根元の踏み固めなど複数の要因が考えられます。
現在の参道はケヤキのほか、スダジイ、クスノキ、モミジ、サクラなどを楽しむことができます。
この参道を爽やかで緑豊かな空間として変わらずに保全するべく、地域の皆様や行政と時間を掛けながら活動に取り組んでおります。
氷川参道は市民の共有財産であるという認識と共に、緑を大切にし次世代に継承していく心を育む環境作りは我々の責務です。
美しい氷川参道を後世に残す為、これからもご協力をお願い申し上げます。
〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕
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