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〜第3回〜「桜の話」

4月の鎮花祭は桜の花びらが散るととも拡がった、疫病の神を鎮めるお祭りですが、そもそも「桜」は「サ」と「クラ」という二つの単語から構成されるとも言われております。
「クラ」は「坐(座)」と書き、神様が座る場所を意味します。
ちなみに神社で行われる芸能「神楽(カグラ)」は、「神」と「坐(座)」が合体した「神座(カムクラ)」が語源という説もあります。
では「サ」とは。一説には古来、田の神のことを「サ」と発音したとされていたことに由来すると言われております。
つまり、桜―サクラ―とは、田の神様がやって来られる木でもあるのでしょう。

確かに日本では神をお迎えする春、桜が咲き始めた時期から農作業が本格的に始まります。
そしてこの時期は疫病が流行りやすい時期でもありましたから鎮花祭を行うのです。

また、平安時代の宮中では疫病封じの臨時祭が行われた際、近衛府の衛士が駆り出され、地を踏み固め相撲をして弓をひき、馬を走らせ疫神たちを威嚇しておりました。
8月の例祭で奉納される神楽「東遊」は、平安時代には近衛府に所属する東国出身の官人が行っておりました。
夏の氷川神社は平安時代からの祓いの心にも包まれます。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕


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