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~第54回~「水の話」

氷川神社は水との関わりが深い神社です。
それを今に伝えるのが「蛇の池(じゃのいけ)」です。

蛇の池は手水舎の奥、森の中にあります。
古来、蛇は水神の化身とされ、主祭神の素戔嗚尊はその蛇(八岐大蛇)を退治した神話に因り、水を治める神とされました。
この素戔嗚尊の神威神徳に由来し、蛇の池と呼ばれるようになりました。

さらに蛇の池は、境内の神池やその先に広がる見沼の水源の1つであり、今でも水が湧き出ております。
古くは蓴菜(じゅんさい)も採れたほか、蛍の住む地としても親しまれていたことから、現在では地元の有志の皆様がほたる鑑賞会を開催しています。
そして、この湧き出る神聖な水があったからこそ、この地に氷川神社が鎮座したとも伝わっております。

日本人は古来より水を大切にしてきました。
水は、私たちの暮らしの要です。
そして茅萱(ちがや)や薦(こも)など水が育んだ草が、神社の様々な神事を支えてきました。
水は私たちの暮らしのみならず、祈りの心を支える存在でもあるのです。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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