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~第125回~「力石の話」

氷川神社の本殿脇に7個の大きな石が置かれているのをご存じでしょうか。 これは「力石」と呼ばれる石で、昔、力自慢の若者たちがこれを担いで本殿の回りを一周し、見事に担ぎとほした者が姓名を刻んで御神前に奉納したものと云はれます。 この石の中に「八雲石」と彫られた石があります。

これは天保13年(1842年)に奉納されたもので、当時の出来事としては、例えば8月29日(天保13年7月24日)に江戸幕府が異国船打払令を廃止し、薪水給与令復活した頃です。

これは外国船が遭難した船に限り薪・水の給与を認めるものですので、徐々に開国に向けて歴史が動いていた頃ですね。 さて、話を力石に戻します。

力石の由来は神霊の依坐である石を持ち上げることで豊凶・天候・武運等の神意を伺う石占の信仰に遡ると言われています。

又、米一俵分の重さを担ぎ上げる力が成人の資格と考えられ、それを証すために用いられた力石もありました。

やがて時代が過ぎると、信仰的な意味よりも、若者の力自慢の道具と見られるようになり、江戸時代から明治時代まで各地で力石を用いた力試しが盛んに行われました。

個人が体を鍛えるために行ったり、集団で互いの力を競いあったり、神社の祭りの出し物の一つとして力試しが催されたのです。

現代に入る頃には力石の習俗は廃れてしまい、地域の住民が文化財として力石を神社に奉納したり、自治体の民俗文化資料館に置かれたり、看板を立てて所在と由来を示したり…などして現在も各地に石として残っています。 力石は、現代の競技で例えるなら「重量挙げ」。

日本の風習を今に伝える存在です。


〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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