~第211回~「大宮宿の富士」
江戸時代後期に活躍した浮世絵師の渓斎英泉は、美人画や風景画を得意とし、歌川広重と合作した「木曽街道六十九次」が有名です。
その英泉が木曽街道六十九次で担当した風景画の中に大宮宿が登場します。
まず「日本橋雪之曙」で日の出とともに賑わう橋上の雑踏、第2図は牧歌的な「板橋之駅」、そして戸田川を渡る渡し舟を描いた「蕨之駅」、続く「浦和宿」で浅間山を遠望し、いよいよ「大宮宿」。
大宮宿では遠景の富士山に別れを告げる構図を取っています。
日本橋から始まり、川を越え、浅間・富士の二つの