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失敗が気にならない理由
夫はよく失敗している。失敗すると彼は、これでもかと落ち込む。
私はそんな夫の失敗が、愛しかったりする。
◆恋人の全部が好き! を疑っていた過去
パートナーのどこが好きか聞かれて「全部が好き!」と答えた人を何度か見かけたことがある。芸能人だったか、知人だったか、漫画だったか、全然思い出せないが。しかしなぜこれが思い出せないかというと、私はこの「全部が好き!」に関して、全員が絶対に盛っていると、思っていた。心が荒んでいる。
人は、自分の理解に及ばないものはうがった目で見てしまうものだ。自分以外の他人の全部が好きなんてあるわけない、欠点まで好きになるなんて、到底無理だ!と、信じて疑わなかったのだ。
けれど最近、「全部が好き!」という状態がじわじわと理解できるようになってきた。
◆失敗について
夫はとても優しいので、いつも家族のためを思って行動してくれる。けれど、なぜかそれがうまくいかないことが多い。良かれと思って行動して、失敗してしまうのだ。
・キッチンシンクを掃除して、排水溝を詰まらせる。
・アメリカンドッグを食べ歩きしている娘に、ケチャップを渡してTシャツを汚す。
・ケチャップを渡すと汚れると気づきケチャップを回収。(娘は唖然としていた笑)
・私と息子の親子喧嘩に入って悪化させる。
などなど、とにかく何かとうまくいかない。これらの出来事を全て突き詰めていくと、点と点が繋がっていないことが原因であることが多い。これは、ほぼ完璧な夫の唯一の欠損なのではないかと思う。
けれど冒頭の通り、私はこれらの失敗を愛しいと感じている。
◆失敗が気にならない理由
夫は、点と点が繋がらなかったとしても、必ず対策を立ててくれる。
例えば、私と息子の親子喧嘩のとき。いきなり仲裁に入って「息子くんはよくないよ!ママに謝るべきだよ。それから、君もなぜそんな強い言い方をするんだ、謝るんだ」と言った。けれど私の中では点と点が線になっているので、今起きた事だけに対していきなり強い言い方をしているわけではない。二ヶ月間の悪事が積もりに積もって「こちらも限界です」という結論に達している。夫から見ると「いきなり妻が怒り狂っている!!」というように感じたようだ。
私は、「今起きた事だけに対して言っているのではない。この二ヶ月間の出来事を見てきたか?なぜ我慢の限界に立っている私への配慮はないのか?」と言った。
可哀相すぎて当時の私に「そんなに詰めないでよ!」と言ってやりたいが、夫はそれを聞いて、「じゃあどうすればよかったのか?」と、たくさん考えてくれた。夫婦間で必ず子供たちの状況を共有した方がいいとか、自分にできることは何があるかとか。
このように夫は、また同じことが起きないように必ずどうしたらいいか考えてくれる。私はこれが実に重要だと考えている。失敗があったとしても、その度に対策を考えてくれれば、失敗は気にならなくなるのだ。
気にならない、までいってしまうと嘘になってしまうかもしれない。けれど、微笑ましく見守っていられる。そこには信頼と愛情が存在している。「全部が好き!」という状況にかなり近いのではないかと思う。
おそらくだが、「向き合っている」という形なのかなとも思う。
◆『人は欠損に恋をする』
「Yes!高須クリニック!」で有名な美容外科医の高須先生が、整形をしたがる恋人に『人は欠損に恋をする。完璧なものには惹かれない』と言ったのだそう。私はこの言葉がとても好きだ。
本当に、本当に、そう思う。
私は、夫の欠損に恋をしている。
完全無欠の夫より、今の夫のことが好きだと思う。欠損が、愛しいのだ。
*
全然話は変わるが、このnoteを書いていて、「自分はめちゃくちゃ理屈っぽいな」と改めて思った。夫を見習って、改善できるよう対策していきたい。
『夫が私に隠れてホワイトデニムを所持していた話』
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