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「草取り」をめぐって ダイアン・アッカーマンの『庭仕事の喜び』(春夏)/一日一微発見447

僕は、自分が庭でしていることを「ガーデニング」と言うのにはためらいがある。それは、尊敬するすぐれたガーデナーたちを知っているせいもあるが、最近、自分にぴったりするなと思うのはアマチュア「園芸家」である。

「園芸家」というとカレル・チャペックの本『園芸家の十二ヶ月』を多くの人は思いだすだろうし、それはオシャレな花園にいるガーデナーではなく、もっと泥くさくて、てんてこまいしているニュアンスが園芸家というコトバにある。

また、アマチュアというコトバの語源は「愛する人」というコトバから来ているという話を読んだおぼえがある(ロラン・バルトのエッセイだったと思う)。

ガーデン好きの人たちは、大抵は実用的なことに関心があるから、庭についての「文学」や「エッセイ」はあまり興味がないのかもしれないし、いやだからこそ、求められているのかもしれない。

僕は庭好きの人が何を植え、どんを作業をして生活しているかに興味があるので、庭や植物をめぐる本もよく読む。
今読んでいるのはアメリカのベストセラー・エッセイストであるダイアン・アッカーマンの『庭仕事の喜び』である。

僕が彼女のベストセラー本『感覚の博物誌』を読んで大好きになったのは、もう30年くらい前かもしれない。その時には、彼女が庭をディープにやっているなんて知らなかった(まだやっていなかったのかもしれない)。

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