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ジョン・バージャーの3冊の本 僕の夏の課題読書①/一日一微発見397

別に「夏休み」らしきものがあるわけではない。

ずっと自分で会社もやっているが、「通勤」らしきものもしたことがないし、僕個人は日曜日とか、曜日の感覚はとぼしいから、ずっと働いていて、ずっと休んでいる感じもする。「自由でいいですね」と言う人もいるかもしれないが、話はそんなに簡単ではない。

「フリー」とは言うまでもなく「あてどなく」「不安定」の最たるものだから、自由であり続けることは、なによりも「修練」がいると思う。

ふと思うのは、本を読むというのは、「労働」であろうか、それとも「娯楽」や「遊び」なのだろうか。

僕はTVや新関は置ざけているが、子どもの頃からの習慣で本を読むのが好きだ。しかし、「ひまつぶし」的に読書はなんでもよいわけではなく、抽象的な言い方だが、人生の扉をひらいてくれるような本を、今も日々求めている。

それに、僕は美術大学で長くコンテンポラリーアートについて教えているが、究極的な問いとして、「あなたの肩書きは何ですか?」ときかれたら、「編集者」ですと即答するだろう。

なぜなら、写真やグラフィックや文章でできあがった本、印刷物をつくるのが、この上なく好きだからである。こうやって文章を書いているノートだって、「今、ここ」で本を自からつくって、一番最初に読んでいるようなものだとさえ思う。

というわけで、誰にたのまれるわけでなく、今年の夏の課題図書は、ジョン・バージャーの本である。

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