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写真は人間の矛盾をどうとらえるか(エドワード・バーティンスキーのこと)/一日一微発見384

アートの旅の面白いところは、予期せぬ展覧会に遭遇して、頭の中や眼がリセットされることだ。

マドリッドに行ったのが、もう何年ぶりなのか思い出せないが、以前きた時も、偶然にこの街でやっているフォトフェスティバルである「フォトエスパーニャ」に遭遇したことはよくおぼえている。

街をあげて、さなざまな場所で写真展を開催して街をめぐる形式は、アルルのフォトフェスティバルが最も古く有名で、それを世界中で真似て、似たようなものが開催されている。
「フォトエスパーニャ」の歴史も、もうけっこう古いはずだ(1998)。

スペインはフランコ政権の抑圧的な時代が長く、人民は自由ではなかったから、逆に民族とアヴァンギャルドが強く結びつき、アートも骨太だ。おそらく「写真」に対する哲学も、歴史や社会、人間と強く結びついている。
「フォトエスパーニャ」のいくつかの展示サイトやキュレーションを見て思うのは、そのことだ。
笑いやよろこびには悲しみや運命の人間的な深さと同居していなければ話にならないのである。

日ざしは強いが、空気はかわいていて、日陰に入ると涼しい。美術館でさんざん作品を見たあと、休憩のつもりで隣にある国立植物園に入って、そのティールームで冷えた白ワインで一服した。

そのあと、フォトエスパーニャの本拠地になっている書店ラ・ファブリカが近くにあるので、そこへまず行って地図とガイドブックを買うことにした。
街の練習を、写真による徘徊で、というわけだ。

朝から随分と、美術館の中を歩きまわっているので、ファブリカで手に入れたガイドと地図で、まずは近くでよさそうな展覧会を3つほどピックアップ。

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