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「才能」について日々考えるのは楽しい/一日一微発見392

自分としては、「ちょっと不思議な」夏をすごしている。

もとの発案者は妻の後藤渚なのだが、彼女がオンラインコミュニティ・メンバーの野村とし子さんと相談して、8月の月曜日の夜に4週にわたって「才能とは何か?」についての、後藤繁雄による「夜話」をTwitter (X)spaceで実況するのだという(なおかつ、毎年夏に3年やるという計画なのだ!)。

僕は長く編集者をしてインタビューは人一倍やってきたほうだし、アーティストと協働でキュレーションもたくさんやってきた。

そのお相手は、巨匠アーティストもいれば新人もいるのだから、はたからみても「才能好き」「才能フェチ」「才能観察者」と言ってもよいだろうと思う。

はたして自分が「才能」について考えたり実践していることが、他の人に役立つのかは、よくはわからない。
なぜなら、僕は「最大多数の最大幸福」をめざして価値生成をしていないからである。
僕が編集し創るモノはどれも、時流より少し早かったり、限られた人(と思われがち)にしかわからない側面が多いアーティストや写真家の作品だったりするからだ。

いやだからこそ才能の生々しさに触わっているとも言えるのだが、僕は平均的な価値の編集はやってきていない。

しかし、そのことに関しては、はっきりと自覚的に50年ほどやってきたし、今もやれているのは、激レアなのかもしれない。
歴史のパラドックスは、少数者や異能な者が方向づけしてきたのだ、ということはよく思う。

まあ、その立場でよいなら「夜話」をやってみようと始めることにした。

質問はA&Eのメンバーが考えたものを野村さんがまとめて、一夜に25問ずつ僕にぶつけてきて、答えるという形式である。
つまり初年度に「100問」「100本ノック」ということになる。

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