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「具体」展を辛口に評す。/一日一微発見348

僕は大阪の小学生時代の担任の先生が、具体のメンバーの一人、浮田要三がやっていた児童誌『きりん』のシンパであった。そういう美術教師は大阪には、何人もいたのだろうと思う。

具体(具体美術協会)は、近年、批評のみならずオークションにおいても、その評価は上がる一方だ。だが、当時は万人が理解できるものではないし、一風変わったアヴァンギャルドであると思われていた。
大阪万博終了の70年代初頭に解散するまで、芦屋を拠点として国際的に活躍した前衛芸術集団だったが、東京の人だって、その実態を、あまり知らなかったもしれない。

具体は、アートシーンのみならず、大阪の児童にも強い影響を与えていたと思う。
もちろん自分は、小学生の子どもだから具体も前衛芸術運動もわかるわけがない。子どもは、いい意味での「実験動物」である。

僕ら「子ども」は、 具体系の先生のもと、嶋本昭三ばりに紙の上に絵具をはぶちまけたり、デカルコマニーやフロッタージュにふけっていたのであった。

それはまじめに「写生」したりするよりはるかにエクスタシーやアートの愉しみを子どもに植え付けた。
そう、僕がその成れの果てだ。

とりわけ僕のようなドモリでむっつりした子どもには、たまらない解放感を与えたのだ(その感覚は今も身体の中で生きつづけている)。

だから大阪で大「具体展」が開催されるとなると気が気でない。ソワソワする。
それは僕にとって「反逆のふるさと」に還るようなことだからだ。

今回の「具体」展は、中之島美術館と国立国際美館の両館を使った展示なのだから、もはや「事件」級の話だ。
とはいえ、過剰な期待は禁物なのだが。

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